【ユーロ円 (EURJPY)】目先の見通しとチャートポイント
ユーロ円(EURJPY)は昨日、ボックス相場の下限を下方ブレイクした。ドル円(USDJPY)は引き続き上値トライを意識する状況にある。しかしユーロ円は、下値トライを警戒する局面へシフトしつつある。そう考える理由は?目先、注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・「米ドル高の進行→ユーロドルの下落幅拡大」の影響を受けるユーロ円
・昨日は、ボックス相場の下限をローソク足の実体ベースで下方ブレイクした
・さらに下値をトライする場合は、154円ミドルの攻防に注目したい
・一方、反発局面での焦点は、156円ミドルと21日線の攻防となろう
ジワリと下落のムードが高まるユーロ円
ユーロ円(EURJPY)は昨日、ボックス相場の下限156円ミドルの水準を日足ローソク足の実体ベースで完全に下方ブレイクした。テクニカルの面でこの下限は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準(156.55レベル)にあたる(ユーロ円の日足チャートを参照)。
昨日のユーロ円の下落は、ドル円(USD/JPY)の急落に引きずられるかたちとなった。しかし、今後ユーロ円は下値トライを警戒する必要があろう。そう考える理由は、ユーロドル(EUR/USD)の動向にある。
昨日のレポートで述べたとおり、ユーロドルは年初来安値を更新する状況にある。昨日はトレンドチャネルの下限をトライし、安値1.0448レベルまで下落する局面が見られた。日足のMACDは、なおもユーロドルが下値をトライする可能性を示唆する状況にある。
ユーロドルのチャート:日足 年初来
ユーロドルが下落トレンドを形成している主因は、米長期ゾーン利回りの上昇にある。この動向を受け米独利回り格差が拡大し、対ユーロで米ドル高が進行している。
そして、「米長期ゾーン利回りの上昇→米ドル高の進行→ユーロドルの下落」がユーロ円の上値の重さの要因であり、今後下値トライの要因となる可能性がある。
下値トライの局面では154円ミドルの維持が焦点に
ユーロ円(EURJPY)がさらに下値をトライする局面では、100日線の攻防が目先の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、155.60レベルで推移している。
日足ローソク足の実体ベースでユーロ円が100日線を下方ブレイクする場合は、さらなる下落のシグナルと想定しておきたい。
ユーロ円の100日線を完全に下方ブレイクする場合、最も注目したいのがフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準154.55レベルの攻防である。昨日の下落局面では、このテクニカルポイントが意識され、長い下ヒゲが示現しての反発となった。
なお、ユーロ円が154円ミドルをも完全に下方ブレイクする局面が確認される場合は、152.00レベルもしくはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準151.34レベルを視野に下落幅が拡大する状況を警戒しておきたい。
ユーロ円のチャート:日足 23年3月以降
反発局面での焦点は?
こちらのレポートで指摘したとおり、ドル円(USD/JPY)は引き続き上値トライを意識する状況が続くと、筆者は予想している。
ドル円の上昇にサポートされユーロ円(EURJPY)も上値トライとなる局面では、156円ミドルの突破、具体的には上で述べたレンジの下限、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準156.55レベル以上の水準を回復できるかどうか?この点に注目したい。
156円ミドルの水準がレジスタンスへ転換する場合は、上で述べた下値のポイントをトライする状況を想定しておきたい。
一方、ユーロ円が156円ミドル以上の攻防となる場合は、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8% の水準156.88レベル、そして157円台への再上昇が焦点として浮上しよう(下の4時間足チャートを参照)。
ユーロ円が157円台へ上昇する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準157.49レベルのトライが焦点となろう。昨日の欧州時間にユーロ円が反発する局面が見られた。その際、157.20レベルで上昇が止められた。157.20レベルの上方ブレイクは、157円ミドルをトライするシグナルと想定しておきたい。
なお今日現在、21日線が157.50台で推移している。9月以降、この移動平均線はユーロ円の反発を止める局面が多く見られている(上の日足チャートを参照)。ゆえに移動平均線の攻防を重視する場合は、21日線を突破できるかどうか?この点に注目しておきたい。
しかし、ユーロ円が21日線の突破に成功しても、ボックス相場の上限のひとつである158.60レベルを突破できない限り、ユーロ円の下値トライを警戒する状況が続くと予想する。
ユーロ円のチャート:4時間足 7月下旬以降
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