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ユーロドルとユーロ円の見通しについて

欧州中央銀行(ECB)のキーマン達は高インフレを抑制するための利上げの必要性に言及。ECBのタカ派スタンスはユーロのサポート要因となろう。ユーロドルとユーロ円の展望は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

ユーロドルとユーロ円の見通しについて


【サマリー】
・ECBのキーマン達はインフレを抑制するために利上げ政策の維持を主張
・ユーロドルは緩やかな上昇トレンドを維持することが予想される
・ユーロ円はサポートラインの攻防が焦点に ドル円の下落を警戒


ECBキーマン達のタカ派発言とユーロの買戻し

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は19日のパネル討論で、高すぎるインフレとそれを抑制するための利上げの必要性について言及した。ビルロワドガロー・フランス中銀総裁とクノット・オランダ中銀総裁はいずれも50ベーシスポイントの利上げを当面続けることを支持した。

19日の外為市場では、ユーロを買い戻す動きが見られた。ユーロは対米ドルで(EURUSD)買戻し優勢の展開となった。一時138円台を割り込んでいたユーロ円(EURJPY)も欧州タイム以降はユーロのショートカバーにサポートされ、139円台へ反発した。

ユーロドルとユーロ円の動向

ユーロドルとユーロ円の動向 チャート:TradingView / 5分足(19日12時~)

ユーロドルの展望とチャートポイント

目先の展望と上下のチャートポイント
欧州中央銀行(ECB)はインフレ抑制重視のスタンスを維持している。この動きに加え、景気リスクが意識され米長期金利が低下基調にあることも考えるならば、ユーロドル(EURUSD)は調整の反落を挟みながら、新たなレジスタンスのポイントを探る展開が予想される。

通貨オプション市場ではユーロプットの需要が後退基調にある(リスクリバーサル、1ヶ月)。一方、予想変動率(1ヶ月)は低下基調にある。これらの状況も考えるならば、ユーロドルが反落してもその幅は限定的となることが予想される。

ユーロドルの反落局面では、21日線(MA/1.0707レベル)の攻防に注目したい。この移動平均線で相場が反発する(1.07台の維持に成功する)場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート チャート:Bloomberg / 日足(22年7月~)

1.09突破後の焦点は?
ユーロドルの上値トライを想定する場合、目先の焦点は1.09レベルの突破となろう。今月中旬以降、この水準を意識した動きが続いている。

レジスタンスポイントとして意識されている1.09を上方ブレイクする場合は、2つの点に注目したい。ひとつは、サポートへの転換である。そしてこの状況が確認される場合は、22年高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1032レベルをトライするかどうか?この点に注目したい(もう一つの注目点)。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート チャート:TradingView / 週足(2022年~)

ユーロ円の展望とチャートポイント

円高圧力を高める要因に注意
ECBのタカ派スタンスは、ユーロ円(EURJPY)のサポート要因である。しかし、現在のドル円(USDJPY)のトレンドはユーロ円の下押し圧力を強めている。昨秋以降、両通貨ペアのトレンドを確認すると、ドル円の下落幅拡大にともない、ユーロ円の水準がジリジリと切り下がっていることがわかる(下の日足チャートを参照)。

通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月)に大きな変動は見られない。一方、予想変動率(1ヶ月)は日銀イベントを通過した後、急速に低下している。再び円高の圧力が高まらない限り、ユーロ円は137.00-142.00レンジで売り買いが交錯する可能性がある。

よって、目先は円高の圧力高める要因-日銀の政策修正に関するヘッドラインが流れる場合や株安局面で円高の圧力が高まる場合は、ユーロ円の下落幅が拡大することが予想される。

短期サポートラインの攻防
現在のユーロ円は、短期サポートラインの攻防となっている。ローソク足の実体ベースでこのラインを完全に下方ブレイクする場合は、138円以下の攻防へシフトする展開を想定しておきたい。このケースでは、1月3日の安値137.39レベルのトライおよびブレイクが焦点となろう。

一方、ユーロ円が反発する局面では、19日のレポートで指摘した10日線(MA)の突破が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、139.98レベルで推移している。

ユーロ円のチャート

ユーロ円のチャート チャート:Bloomberg / 日足(22年7月~)

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