今後の円相場の焦点とドル円の展望
21日の外為市場は株高を受け豪ドルや新興国通貨が買われる一方、円高が一服した。今後の円相場は株式動向にも影響を受ける展開が予想される。株高の局面ではドル円の反発を想定しておきたい。目先注目しておきたいチャートの水準は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
豪ドルや新興国通貨が上昇 円高は一服
【サマリー】
・21日は世界の主要な株価指数が上昇する一方、米金利の反発が一服した
・リスク選好相場(株高)は豪ドルや新興国通貨買いを促した
・今後の円相場は株式市場の動きも重要に
・ドル円のテクニカル分析について
株高と米金利の反発が一服 豪ドルや新興国通貨の一角が底堅い動き
21日の株式市場は、米国市場を含めて世界の主要な株価指数が軒並み上昇した。一方、米債市場では利回りの反発基調が一服した。
この状況を受け、外為市場では米ドル相場が売り買い交錯の展開となる一方、リスク資産と高い相関関係にある豪ドルや新興国通貨を買う動きが見られた。新興国通貨では南アランドやメキシコペソの上昇幅が対米ドル拡大した。
米ドル相場の動向:12月21日
ひとまず一服した円高
昨日のグローバル株式市場の動きは、円高の圧力をひとまず後退させた。米ドル相場と同じく豪ドル、南アランド、メキシコペソで円安優勢の展開となった。
11月中旬以降の株式市場と円相場の動きや昨日の株高に円安で反応した状況を考えるならば、21日のレポートで指摘したとおり、今後の円相場は株式市場の動きにも影響を受ける展開が予想される。
円相場の動向:12月21日
焦点は景気の動向へシフト
昨日の米国株の動きで筆者が注目したのは、強い経済指標に株高で反応したことである。
これまでは、強い経済指標は連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め政策の長期化を促す要因として市場で捉えられていた。ゆえに「良いニュースは悪いニュース」となり、株安要因となってきた。
しかし、昨日は予想を上回った12月消費者信頼感指数の内容(108.3 / 現況指数:138.3→147.2 / 期待指数:76.7→82.4)に米国株は上昇で反応した。強い経済指標に株高で反応した状況は、株式市場のテーマが金融政策から景気の動向へシフトしていることを示唆している。ゆえに今後は、景況感に関する経済指標の内容が米国株のトレンドを左右することが予想される。
そして米国株のトレンドは、円相場の動きに影響を与えることが予想される。
米国株の動き:12月21日
ドル円のテクニカル分析
戻り高値の水準
インフレの鈍化と将来の景気不安により米金利は今後、緩やかな低下基調を辿ることが予想される。日銀は12月の会合で将来の政策転換のシグナルを送ってきた。
これらの状況を考えるならば、ドル円(USDJPY)は引き続き下値を模索する展開が続くと予想する。だが、一方向振れ続ける相場は存在しない。ゆえにドル円の反発局面では、戻り高値の水準を見極めることが焦点となろう。
現状、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準132.36レベルで反発が止められている。だが、直近の動きを振り返るならば、サポートからレジスタンスへの転換ムードがある134.00レベルまで反発する可能性を意識しておきたい。
134.37レベルは半値戻しの水準にあたり、先週はこのレベルで相場がサポートされた経緯がある。134.00-40レベルがレジスタンスゾーンとなる展開を想定しておきたい。
ドル円が上記のレジスタンスゾーンを突破する場合、次の焦点は短期レジスタンスラインのトライおよびブレイクとなろう。
このラインをも突破する場合は、サポートからレジスタンスへの転換が確認されている138.00レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。
ドル円のチャート
下値の焦点は130円台の維持
ドル円(USDJPY)が反発しても、それは下落トレンドを形成するなかでの調整を考えておきたい。
戻り高値の水準が明確になれば、ドル円は下値を模索する展開になるだろう。このケースでの焦点は、21日のレポートで指摘した今月20日安値の130.57と8月2日安値の130.40の維持である。130.40-55のサポートゾーンと考えることもできる。このサポートゾーンを難なく下方ブレイクする場合は、節目の130.00トライおよびブレイクを意識する展開となろう。
なお、リスクリバーサルでは円コールの動きが一服し、予想変動率の上昇が止まっている。ひとまず日銀ショックの影響を徐々に消化していることがうかがえる。ゆえにリスク選好相場(株高)の局面では、上で述べたとおりドル円の反発を想定しておきたい。
ドル円のチャート
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