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リスク回避の米ドル買いと思惑的な円買い

米金利の上昇は抑制されているが、米国株の下落トレンドが続く場合は米ドルを買い戻す動きが続くことが予想される。一方、円相場では将来の政策転換を意識した思惑的な円買いの圧力が高まる可能性がある。ドル円の展望は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

リスク回避の米ドル買いと思惑的な円買い


【サマリー】
・米金利の上昇が抑制されても米株安が続く場合は米ドル高を想定しておきたい
・将来の政策転換を意識した円買いの圧力が高まる可能性あり
・ドル円は133.60レベルのトライおよびブレイクが焦点に


FOMC後も上昇が抑制される米金利

連邦公開市場委員会(FOMC / 12月13~14日開催)後の米金利の動きを確認すると、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは4.3%付近で上昇が抑制されている。

一方、インフレなどの景気動向を反映して動く10年債利回り(長期金利)は、3.5%を挟んでのレンジ相場が続いている。

今月13日に11月消費物価指数(CPI)でインフレの鈍化が確認された。これを受け米金利には低下の圧力が強まっている。FOMC後も米金利の上昇が抑制されている状況は、インフレの鈍化と景気悪化に伴う来年の利下げが米債市場で意識されていることを示唆している。

米金利のチャート

米金利のチャート チャート:Bloomberg L.P. / 5分足(12月13日~)


FOMC後の定例会見で連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレを抑制するために利上げを続ける方針を表明した。

最新の政策金利予想(ドットプロット)で、23年末のターミナルレートが5.1%へ引き上げられた点はタカ派的に見える。

だが、短期金融市場での予想-FRBは政策金利を4.8%台まで引き上げた後、来秋にも利下げに転じる予想に変化は見られない。米債市場と同じく、短期金融市場でもインフレの鈍化と景気の悪化に伴う来年の利下げを意識する状況にある。

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移 データとチャート:OIS / Bloomberg L.P. / 19日8時時点


リスク回避の米ドル買い

米金利の上昇は抑制されているが、外為市場では米ドルを買い戻す動きが見られる。

FOMC後の各市場のパフォーマンスを確認すると、米金利が横ばい推移となる一方、米国の主要な株価指数は軒並み下落している。この状況を考えるならば、FOMC後の米ドル買いの要因は米株安(リスク回避相場)にあると思われる。

インフレの鈍化と景気の悪化が米債市場で意識されている状況を考えるならば、今後も米金利の上昇は抑制され、緩やかな低下トレンドを形成することが予想される。それゆえ外為市場では、米ドル安を意識する局面が多く見られるだろう。

しかし、現在のように米国株の下落リスクが意識される局面では “リスク回避の米ドル買い” を想定しておきたい。

米国と中国の対立、FRBの金融引き締めリスク、そして将来の景気不安―今年12月の米国株は、2018年12月の相場に似ていると筆者は考えている。

18年当時と現在の違いは、インフレリスクによりFRBが早急に利下げ(株高)政策へ転じることができない、という点である。この違いが米国株に与える影響は大きい。ゆえに今週も米国株の下落リスクが意識される場合は、外為市場で米ドル買いの展開が予想される。

FOMC後の各市場のパフォーマンス

FOMC後の各市場のパフォーマンス 基準日:2022年12月13日 / DXY:ドルインデックス


米国株と経済指標

米国株のトレンドを左右する材料として、今週も経済指標に注目したい。

先週15日の米株市場は金融引き締めリスクの他、予想を下回った12月NY連銀製造業景気指数や11月小売売上高も嫌気され大幅続落の展開となった。この反応は、景気の悪化が米国株の新たなリスク要因として意識され始めていることを示唆している。ゆえに今週の米経済指標が総じて予想以下となれば、将来の景気不安により「米国株の下落→米ドル買い」の展開が予想される。

一方、強い米経済指標が確認される場合は、米金利の動向次第で米ドル相場のトレンドが決定されよう。景気悪化の方が強く意識され米金利の上昇が抑制される場合は、米ドル売りの展開を予想する。
強い経済指標に米金利が上昇で反応する場合は、米ドル買いを予想する。

今週の米経済指標で注目したいのが、23日の11月個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)である。11月CPIではインフレの鈍化傾向が示された。PCEデフレーターでも同じ状況が示される可能性がある。

だが、予想外に強い内容となればインフレ懸念が一時的に意識されることで、「米金利の上昇→米ドル買い」の展開が予想される。米金利の上昇は米株安の要因でもある。ゆえに、PCEデフレーターでインフレ懸念が高まる場合は、米ドル買いの圧力が最も高まりやすい。

PCEデフレーターの推移

PCEデフレーターの推移 チャート:Bloomberg L.P. / 期間:2020年~

株安と政策転換を意識した円高の加速

政策の転換に対する市場参加者の思惑

月初来の円相場のパフォーマンスを確認すると、円高優勢で推移していることがわかる。

19日月曜日のドル円(USDJPY)は、135.82レベルでスタートした(IG中値レート)。先週16日の終値が136.73レベル(IG中値レート)であったこと、そして138.00レベル(テクニカルの面では21日MA)がレジスタンスとして鮮明になってきたことも考えるならば、今週の円相場の焦点は円高の加速-特に対米ドルで円高が加速するかどうか?この点が焦点となろう。

円相場のパフォーマンス:月初来

円相場のパフォーマンス:月初来 為替データ:Bloomberg L.P. / 基準日:2022年11月30日


その要因として注目したいのが、政府と日銀の政策転換に対する市場参加者の思惑である。

共同通信は17日、岸田政権が安定的な経済成長を実現するために政府と日銀の役割を定めた共同声明を初めて改定する方針を固めたと報じた。2%の物価目標の達成時期を見直し、金融政策の幅を広げる方向で検討するとも報じている。

19~20日に日銀金融政策決定会合が開催される。今回の会合でも現行の金融緩和政策が維持されるだろう。だが、来年の総裁交代を機に政策転換へ向けて動き出すのではないか?という市場参加者の思惑が円高の圧力を高める可能性がある。

月初来から米株安と円高が同時に発生している。この状況は、かつて見られた ”リスク回避の円買い” と考えることができる。

このタイミングで政策転換に対する思惑的な円買いの圧力までが高まる場合、ドル円は今月2日に付けた安値133.62レベルのトライおよび下方ブレイクが予想される。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:TradingView / 日足(今年10月~)

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