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【ドル円とポンド円】日銀イベントにらみ / 注目しておきたいチャートポイント

今日の円相場は、日銀イベントにらみの展開となろう。植田総裁の会見内容が相場の変動要因となることが予想される。ドル円(USDJPY)の見通しは?目先、ポンド円(GBPJPY)で注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・今日の円相場の変動要因は、植田総裁の会見内容となろう
・ドル円、今日の見通しと注目のチャートポイントについて
・クロス円ではユーロ円だけでなく、ポンド円の動向にも注目しておきたい
・目先のポンド円で注目しておきたい上下のチャートポイントについて


ドル円、今日の見通しとチャートポイント

18日の外為市場は円安優勢の展開となった。この日のドル円(USD/JPY)は、円安にサポートされる展開となった。200日線(今日現在142.57レベル)をブレイクし、143円台へ反発する局面が見られた。

円相場の動向:12月18日

円相場の動向:12月18日 ブルームバーグの為替データで作成


今日の円相場は、日銀イベントにらみの展開となろう。金融政策決定会合で現行の緩和政策が維持される場合は、円安で反応する可能性がある。

ドル円(USD/JPY)が反発相場を維持する場合は、11月の下旬以降、相場の上値を止めている10日線のトライが焦点となろう(下のチャート、青ラインを参照)。この移動平均線は今日現在、144.00レベルまで低下している。

ドル円が10日線を目指す動きを見せても、反発相場の持続性は植田和男日銀総裁の会見内容次第と予想する。

日銀は賃金の上昇と物価の好循環を重視している。植田総裁がこの点について楽観的な見通しを示す場合や金融政策の正常化に言及する場合、外為市場は円高で反応することが予想される。ゆえに、植田総裁の会見前にドル円が上昇しても、戻り売りの可能性を意識しておきたい。

ドル円が下値をトライする場合は、IG為替レポートで何度か取り上げているフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準141.33レベル、141.00レベルそして節目の140.00レベルの攻防に注目したい(下の日足チャートを参照)。

一方、植田総裁の会見内容が、金融政策の正常化に対する市場の思惑を後退させる内容となれば、ドル円は10日線を上方ブレイク可能性がある。

このケースでは10日線の“サポート転換”を確認したい。反落の局面でこの状況が確認される場合は、145.00レベルを視野に反発相場を維持する可能性が高まろう。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成 / チャートのデータを更新(23年12月20日 9時)

ポンド円の変動要因とチャートポイント

目先の注目材料は11月の消費者物価指数(CPI)
昨日のIG為替レポートでは、円相場がこれまでの異常な円安から円高のトレンドへ転換する状況を見極めるうえで、クロス円の動向が重要な指標になると述べた。

特に主要なクロス円の動きが重要だが、昨日取り上げたユーロ円(EUR/JPY)に加えて、ポンド円(GBP/JPY)の動向にも注目しておきたい。

今週、英ポンド相場の変動要因となり得るのが、20日に発表される11月の消費者物価指数(CPI)である。

英国のインフレは鈍化の傾向にある。11月は前月比で0.1%増と10月の0.0%から若干上昇する見通しだが、前年同月比では鈍化の傾向を維持することが予想されている(下のチャートを参照)。

英国 消費者物価指数(CPI)の動向:月次 22年11月以降

英国 消費者物価指数(CPI)の動向:月次 22年11月以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤バーチャートとドット:11月の市場予想


ポンド円、下落局面で注目しておきたい2つのテクニカルライン
11月CPIでインフレの鈍化傾向があらためて確認される場合、ポンド相場は下落で反応する展開が予想される。

ポンドドル(GBP/USD)は現在、1.28レベルが新たなレジスタンスの候補に浮上している。

このタイミングで11月CPIがポンド売りの要因となれば、10日線と21日線が推移している1.2615レベルそして1.26レベルを下方ブレイクし、200日線(今日現在1.2506レベル)を目指す展開が予想される。

日足のMACDでは、ポンドドルの強気地合いが徐々に後退していることを示唆する動きが見られる。

ポンドドルのチャート:日足 23年7月以降

ポンドドルのチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


対米ドルでポンド安が進行する場合、その影響はポンド円(GBP/JPY)にも波及しよう。

下値の焦点は今日の日銀イベント(特に植田総裁の会見内容)に対する反応を確認する必要があるが、11月CPIがポンド売りの要因となり、植田総裁の言動が円買いの要因となれば、178円台の維持が焦点となろう。この水準は7月以降、相場の下落を止めた経緯がある。

200日線(今日現在178.29レベル)の下方ブレイクは、ポンド円が178.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい(一番下の日足チャート、赤ラインを参照)。

ポンド円が下値をトライする場合、中期のスパンで注目したいのが22年9月の安値を起点としたサポートラインの攻防である(下の週足チャート、黒ラインを参照)。

このラインに並行して52週線が推移している。この移動平均線は今週、174.55レベルで推移している。

ポンド円の下落幅が拡大しても、上昇相場を象徴するこれら2つのテクニカルラインを維持する場合は、ポンド円の底堅さを市場参加者に印象付けよう。

一方、ドル円(USD/JPY)の下落幅が拡大する局面で、ポンド円が上2つのテクニカルラインを完全に下方ブレイクする場合は、円高圧力が高まっているシグナルと想定しておきたい。

ポンド円のチャート:週足 22年8月以降

ポンド円のチャート:週足 22年8月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


ポンド円、上昇の局面で注目しておきたいチャートポイント
イングランド銀行(英中銀、BOE)は先週14日に金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利を3会合連続で据え置いた(現在の政策金利:5.25%)。しかし、粘着性が見られる賃金インフレの動向などを考慮し、政策金利を長期にわたり高い水準で維持する必要性をあらためて示した。

短期金融市場では、来年に英中銀が利下げ政策へ転換する可能性を織り込んでいる(現時点では5月以降の利下げ開始が織り込まれている)。しかし、その開始時期は米国の連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)よりも遅れることが予想されている。

この状況で、上で述べた11月CPIが予想外に上振れる場合は、対米ドル(GBP/USD)と対ユーロ(EUR/GBP)で短期的なポンド買いの要因になり得る。

ポンド円(GBP/JPY)は、上で述べたとおり今日の日銀イベントに対する反応を確認する必要がある。11月CPIがポンド高の要因となり、かつ植田総裁の会見内容が円安の要因となれば、10日線(今日現在181.66レベル)を完全に上方ブレイクし、21日線を視野に上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。

後者の移動平均線(21日線)は今日現在、今月11日の戻り高値184.32レベル付近まで低下している(下のチャート、赤矢印を参照)。

レジスタンスの水準として意識される可能性がある直近高安の半値戻し183.50レベルをポンド円が上方ブレイクする場合は、21日線をトライするシグナルと想定しておきたい。

ポンド円のチャート:日足 23年10月以降

ポンド円のチャート:日足 23年10月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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