オーストラリア中銀は利上げ予想が優勢 5会合ぶり 豪ドル高圧力も
豪中銀が7日の理事会で利上げに踏み切れば5会合ぶり。7-9月期の物価上昇が予想を超えたことが豪ドル高圧力になっている。
オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)が7日の理事会で5会合ぶりの利上げを行うとの見方が強まっている。10月下旬に発表された2023年7-9月期の消費者物価指数(CPI)の伸び率が予想よりも強かったためで、様子見を続けてきたRBAを慌てさせるとみられているからだ。豪ドル円相場は7-9月期のCPI発表後に円安豪ドル高が加速しており、予想通りに利上げが行われれば、豪ドル高圧力として働く可能性がある。
オーストラリアの7-9月期のCPIは予想を超える強さ
RBAは7日午後2時30分(日本時間7日午前12時30分)に理事会の結果を発表する。ロイター通信のエコノミスト調査によると、39人のうち34人が政策金利の0.25%引き上げを予想している。RBAは7月以降、4会合連続で政策金利を4.10%で維持しており、予想通りであれば5会合ぶりの利上げとなる。また、金融情報会社リフィニティブのデータによると、7日の0.25%利上げについて、投資家の動向から算出される確率は日本時間6日午前の段階で約58%で、利上げ見送りの約42%を上回っている。
RBAの利上げ観測が強まっているのは、10月25日に発表された7-9月期のCPIの伸び率が、総合指数で前年同期比5.4%となり、事前予想の5.3%を上回ったためだ。9月単月のCPIでも総合指数の伸び率が5.6%となり、事前予想(5.3%)を超え、8月の5.2%からも加速している。また、9月の果物、果実、ガソリン、休暇旅行の料金を差し引いた指数の伸び率は5.5%で、8月と同じ水準だった。CPI発表前、11月の利上げ見送りの確率は70%程度と見積もられていた。
豪ドル円相場は年初来高値に近い水準に
RBAが利上げに踏み切るとの見通しは豪ドル相場を押し上げる要因となっているようだ。リフィニティブによると、豪ドル円相場(AUD/JPY)は6日午前、1豪ドル=97円台前半で取引されており、CPI発表前の95円台から大きく円安豪ドル高に振れている。豪ドル円相場は、日本銀行が10月31日に大規模金融緩和策の柱であるイールド・カーブ・コントロール(YCC)を修正した際の円安でも、円安豪ドル高方向に動いた。また、このところはアメリカの長期金利の低下を背景に豪ドルが米ドルに対して買われていることも、結果として円安豪ドル高につながっている。
RBAが予想通りに7日に利上げを行った場合は、こうした豪ドル高を後押しする材料として意識されそうだ。ただし豪ドルはすでに6月7日につけた年初来高値(97.66円)に迫っており、利上げ決定後の値上がりが限定的になる可能性もある。
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