オーストラリア、物価上昇減速予測 7-9月CPI 豪ドル安要因か
豪州の7-9月期の物価上昇率は低下する見込み。RBAの利上げ停止の継続が有力視される中、豪ドル安要因といえそうだ。
オーストラリア統計局が25日に発表する7-9月期の消費者物価指数(CPI)は物価上昇の減速が予想されている。オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)の利上げ停止の継続を感じさせる内容といえ、予想通りになれば豪ドル安要因になりそうだ。またアメリカの長期金利上昇を背景にして、豪ドルが米ドルに対して弱くなっていることも、豪ドル安傾向を強めている可能性がある。
オーストラリアの7-9月期の物価上昇率は5.3%の予想
オーストラリア統計局は25日午前11時30分(日本時間午前9時30分)に7-9月期のCPIと9月のCPIを発表する。ロイター通信のエコノミスト調査によると、7-9月期の総合指数の伸び率は前年同期比5.3%の予想で、4-6月期(6.0%)からの低下が確認される見通し。一方、9月の総合指数の伸び率も5.3%で、こちらは8月の5.2%からわずかに上昇するとみられている。RBAは四半期ベースでの物価上昇率を重視している。
RBAは2023年に入ってからの物価上昇率低下を受けて、10月まで4会合連続で利上げ見送りを決めてきた。7-9月期のCPIが予想通りであれば、利上げの必要性をさらに弱める材料といえ、豪ドル円相場(AUD/JPY)では円高豪ドル安が進みそうだ。金融情報会社リフィニティブのデータによると、11月の利上げ見送りについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間23日午前11時すぎの段階で約70%となっている。
アメリカの経済指標で豪ドル円が動くケースも
また、このところの豪ドル円相場では、米国の経済指標発表後に大きな動きが出るパターンも目立つ。10月3日に米国で8月の雇用動態調査(JOLTS)が発表された際は、為替介入への警戒でドル円相場が円高方向に振れると、豪ドル円相場でも円が買われた。これに先立ってRBAが利上げ見送り決めていたことと合わせて、この日は1.4円の円高豪ドル安が進んだ。また、12日の米国の9月CPI発表後に米国の長期金利が上昇すると、発表から6時間程度で豪ドルはドルに対して約1.4%安くなり、円に対しても約1.0%安くなった。
米国の金利上昇に伴うドル高圧力と、為替介入への警戒で150円目前で膠着しているドル円相場は、豪ドル円相場では円高豪ドル安の要因として働いている可能性もありそうだ。
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