豪中銀が利上げ見送り 物価上昇の動向を見極め 豪ドル円は一時下落
豪中銀が4日の理事会で3会合ぶりに利上げを見送った。物価上昇の動向を見極める方針で、豪ドルは一時、対円で値下がりした。
オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)は4日の理事会で政策金利の据え置きを決めた。利上げ見送りは4月以来、3会合ぶり。5月の物価上昇に落ち着きが見られていることを踏まえ、これまでの利上げの効果がどのように表れるかを見極める考えだ。豪ドル円相場は声明発表後に円高豪ドル安に振れた。ただしRBAは声明の中で、物価上昇率が高止まりすることへの警戒も示しており、豪ドルは買い戻されている。
豪中銀の利上げ見送りは3会合ぶり2回目
RBAは2022年5月から利上げを始めていた。今回の利上げサイクルの中で、4日の利上げ見送りは2023年4月に次いで2回目となる。声明はこれまでの利上げで政策金利が4.1%に達していることに触れ、「高くなった政策金利が経済における需要と供給のより持続的なバランスを探っているところだ」と分析。金融政策を維持することで、経済の状態や今後の見通し、リスクを検討するための時間をとるとしている。
RBAが時間をかける余裕をみせた背景には、5月の消費者物価指数(CPI)が事前予想を下回ったことがある。RBAは声明で5月の物価動向について「さらなる低下をみせた」と評価した。今回の理事会をめぐっては、事前のエコノミスト調査では利上げの予想もある一方、金融市場では利上げが見送り観測が優勢だった。
「いくらかの追加的金融引き締め」を引き続き示唆
ただ、RBAは物価上昇率について「依然として高すぎる。今後しばらくはこの状態だろう」と警戒感を表明。目標としている2-3%の物価上昇率を納得感のある時間軸で達成することが最優先事項であることも強調した。また、RBAは今後の金融政策について、「いくらかの追加的な金融引き締め」が必要になるとの立場を維持した。
利上げが見送られたことで豪ドル円相場(チャート)では豪ドルが円に対して売られた。発表直後には一時、1豪ドル=96.1円程度をつけ、発表前の96.6円から0.5円程度の円高豪ドル安が進んだ。しかしその後は徐々に豪ドルが買い戻され、発表から3時間程度で発表前の水準に戻っている。
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