豪中銀は連続利上げ見送りか　1日政策金利決定　豪ドル円相場動揺も

オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行（RBA）が8月1日に開く理事会に関して、2会合連続で利上げが見送られるとの見方が強まっている。金融市場では利上げ見送りの確率が約8割だと見積もられており、26日に発表された消費者物価指数（CPI）で物価上昇率の低下が確認されたことが利上げ回避につながるとみられているようだ。ただしロイター通信が28日に行ったエコノミスト調査では0.25％利上げ予想が多数派で、RBAの動きは見通しにくい状況。1日の政策金利決定後に豪ドル円相場が不安定な動きになることも想定される。

豪中銀は8月1日午後1時30分に政策金利を発表

RBAは8月1日午後2時30分（日本時間午後1時30分）に理事会の結果を発表する。金融情報会社リフィニティブのデータによると、1日の理事会での利上げ見送りについて、投資家の動向から算出される確率は、日本時間31日午前11時段階で約78％。0.25％利上げの確率の約22％を大きく上回っている。RBAは7月も利上げを見送っており、2会合連続となれば、今回の利上げサイクルが始まる直前の2022年3、4月以来となる。

利上げ見送り観測が強まっているのは物価上昇の落ち着きが深まっているからだ。26日に発表された6月のCPIの上昇率は総合指数が前年同月比5.4％。事前の市場予想と同じ水準で、5月（5.5％、改定値）から上昇率が低下した。また、同時に発表された4-6月期のCPIの上昇率は前年同期比6.0％で、こちらは1-3月期の7.0％から大幅に低下。事前予想の6.2％も下回った。RBAは四半期ベースの上昇率を重視するとしている。

RBAはこれまで1-3月期の7.0％という上昇率について「高すぎる」との見方を示し、4、5、6月の理事会のうち4月を除く2回で利上げを行った。7月はすでに利上げを見送っており、8月も見送りとなれば利上げペースが緩まることになる。

エコノミストの間では利上げ予想が多数派

ただし月次のCPIの伸び率を果物、野菜、ガソリン、休暇旅行の料金を差し引いたコア指数でみると、総合指数よりは低下のペースが緩やかだ。6月の伸び率は6.1％で、総合指数よりも高い水準にある。こうした物価上昇の根強さを感じさせる指標を背景にして、ロイター通信のエコノミスト調査では36人中20人が、0.25％の利上げを予想。利上げ見送り予想の16人を上回る多数派となっている。

豪ドル円相場（AUD/JPY）は、日銀が28日に決定したイールド・カーブ・コントロール（YCC）修正をめぐる円相場の混乱の中で、一時、1豪ドル＝91円台後半まで円高豪ドル安方向に動いた。31日は朝方に93円台後半で取引されていたが、オーストラリアと経済的な結びつきが強い中国の国家統計局が発表した7月の製造業購買担当者景気指数（PMI）が予想より強かったことから上昇圧力がかかっている。

1日の理事会での決定は事前予想が定まらない中での発表となるとみられ、豪ドル円相場が上下に大きく動く展開もありそうだ。