10日の東京株式市場で日経平均株価は4日ぶりの大幅反落。外国為替市場でのドル安・円高を嫌気した売りに押された。前日までの上昇後の利益確定売りもみられた。
日経平均の終値は前日比263.26円(1.29%)安の2万0163.80円。一時、下げ幅は300円を超えた。
ファーストリテイリングが1銘柄で日経平均を42円押し下げた。ソフトバンクグループ、ユニーファミリーマートホールディングスも日経平均への寄与度が低かった。
東証33業種のうち値下がり率上位は石油、化学、精密機器。一方、値上がり率上位は陸運、電気・ガス、倉庫・運輸関連。
昨日まで4営業日続伸していた石油元売りに利益確定の売りがみられた。JXTGホールディングスは17.5円(2.86%)安の594.3円、出光興産は75円(1.95%)安の3775円。
一方、ニューヨーク原油先物相場が1カ月ぶりに1バレル=50ドル台に回復するなか、鉱業株は小高く引けた。石油資源開発は8円(0.39%)高の2040円、国際石油開発帝石は3.5円(0.35%)高の1013円。
9日のニューヨーク原油先物相場は8日続伸。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近2月限は前日比2.58ドル高の1バレル=52.36ドルで取引を終えた。8日の時間外取引で50ドルを上回ったが、通常取引では1カ月ぶりとなる。米中間の貿易摩擦の緩和見通しなどで買いが優勢となった。
工作機械受注が減少の見通し
日本工作機械工業会の飯村幸生会長(東芝機械会長)は9日開催の賀詞交歓会で、2019年の年間工作機械受注額が前年実績(推定)比12%減の1兆6000億円にとどまるとの見通しを明らかにした。これを受け、電気機器や機械銘柄の売りが膨らんだ。
中国で生産過剰による緊縮策の影響に加え、スマホの低迷や先鋭化する貿易摩擦など複合的なマイナスから、設備投資の手控え感が出てきているという。減少は3年ぶりとなる。
ファナックは425円(2.43%)安の1万7090円、安川電機は94円(3.44%)安の2642円、オークマは90円(1.75%)安の5050円。
半導体が堅調
電気機器が値下がり率上位にランクされるなか、半導体銘柄は米銘柄の上昇を好感して買いが入った。ルネサスエレクトロニクスは20円(3.8%)高の546円、ロームは120円(1.75%)高の6970円。
9日の米株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は29.30ポイント(2.52%)高の1189.84で終了。昨年12月13日ぶりの高値を付けた。
米中が9日まで開いた次官級貿易協議で、中国による米農産物の輸入拡大や中国の市場開放などで交渉が進展したと伝えられ、米中摩擦改善を期待した買いが入った。両国は月内にも閣僚級協議を開くとみられている。