7日の米株式市場で上場22年のアマゾン・ドット・コムの時価総額が初めて首位に浮上した。約7970億ドル(約86兆6000億円)となり、マイクロソフトの約7830億ドルを追い抜き、世界トップとなった。
3位はグーグルの親会社アルファベットで約7450億ドル。昨年12月までトップだったアップルは約7020億ドルで4位。
調査会社ピボタル・リサーチが7日付リポートでアマゾン株を「買い」で投資判断を始めたことで、アマゾン株の買いに弾みがついた。
ピボタルのアナリスト、ブライアン・ウィーザー氏は「アマゾンは世界最大の小売業者であり、また世界最大のソフトウェア事業を保有する」とし、「消費者とIT企業の支出がもたらすチャンスをものにしてきた実績に基づけば、ほぼ制約のない機会を見込める」との見解を示した。その上で、年末の株価見通しを1920ドルとした。
7日のアマゾンの終値は前週末比3.44%高の1623ドル。マイクロソフトは0.13%高の102.06ドル。
アップル時価総額4位
一方、アップルは昨年秋に発売したスマートフォン「iPhoneXR」の販売不振が響いた。2013年8月から時価総額首位を維持していたが、昨年12月にマイクロソフトに逆転を許した。
さらにアップルは今月2日夕、中国でのiPhoneの販売不振を理由に、18年10~12月期の売上高見通しを当初予想から5~10%下方修正した。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は投資家向けの手紙で、売上高見通しの下方修正の大半は中華圏で起きたとし、四半期が進むにつれて停滞が目立つようになったと説明した。
カナダ当局が昨年12月に米国の要請により中国のファーウェイ(華為技術)の最高財務責任者(CFO)を逮捕して以降、中国でアップル製品の不買運動が起きていることも売上高の下方修正に影響しているもよう。
この結果、3日の取引でアップル株10%安となり、時価総額はアマゾンとアルファベットを下回った。
7日のアップルの終値は0.22%安の147.93ドル。