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S&P500が年末ラリー 最高値まで0.5% 失業保険統計が焦点

S&P500の年末ラリーが進んでいるが、史上最高値を前にもたつきも。28日発表のアメリカの失業保険統計の結果が注目される。

出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で年末ラリーがじわじわと進んでいる。S&P500株価指数の26日の終値は3営業日続伸。約2年前につけた史上最高値まであと約0.5%の水準に達している。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待が引き続き上昇を後押ししている形で、大手ハイテク株も勢いを取り戻し始めた。ただしS&P500の上昇は史上最高値を目前にしたもたつきもみられる。28日に発表される週次の失業関連統計の結果次第で、S&P500の年内での記録更新の成否が決まる可能性もありそうだ。

S&P500は史上最高値まであと0.46%

S&P500(SPX)の26日の終値は前営業日比0.42%高の4774.75。あと0.46%上昇すれば、2022年1月3日につけた史上最高値(4796.56)に到達する。S&P500は12月に入ってから17営業日中の12営業日で値上がり。12月の上昇率は26日時点で4.5%となっており、12月としては2000年以降で3番目に高い数字だ。

株価上昇の要因はFRBが2024年に利下げに転じることへの期待だ。LSEGによると、ニューヨーク債券市場での長期金利(10年物米国債利回り)の26日の終値は3.886%で、2営業日ぶりに3.8%台に下がった。長期金利の低下は株式の投資先としての魅力を想定的に高めることから株価にとっては好材料だとされる。FRBが13日に2024年に3回の利下げを行う方向性を示したことが、株式市場で安心材料となった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

また、上昇が鈍っていた大手ハイテク株も12月中旬以降に勢いをとりもどしつつある。中でもSNSのフェイスブックなどを展開するメタ・プラットフォームズ(META)は12月の上昇率が26日時点で8.5%に到達。グーグルなどを傘下に持つアルファベット(GOOGL)も26日まで7営業日続伸を記録し、12月の上昇率は6.8%となっている。

マグニフィセント・セブン(エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラ、アップル、アマゾン・コム、マイクロソフト、アルファベット)の株価の推移のグラフ

28日発表のアメリカの失業保険申請件数などが焦点に

ただ、S&P500の史上最高値更新に向けた値動きにはもたつきもみられる。S&P500は19日にも史上最高値まであと0.59%に迫っていたが、翌20日は午後に入って急落に見舞われて一気に後退。今回の水準は記録への再挑戦といえる状況だ。ダウ工業株30種平均(DJI)は13日に史上最高値を更新した後、26日までにさらに1.2%上昇していることを考えれば、S&P500の勢いは史上最高値のクリアに時間がかかっているともいえる。

年内の残り3営業日では、28日午前8時30分(日本時間28日午後10時30分)に週次の失業関連統計が発表される予定。ロイターがまとめたエコノミスト調査では、新規失業保険申請件数が21万件、失業保険継続受給者数が187.5万人と予想されている。結果がFRBの利下げ期待を後退させる場合や、景気後退への懸念を強める場合には、S&P500の上昇にとって逆風になる筋書きも想定されそうだ。


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