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米国株、11月の出足好調 ハイテク大手が復調 ナスダック5%高

アメリカの株式市場でハイテク株が復調。ナスダックは11月に入って5%高で、S&P500やNYダウをしのぐ。

出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場に復調の兆しが出ている。ハイテク銘柄が多いナスダック総合指数は6日までに7営業日続伸し、1月前半以来の連騰記録を達成。10月末比では5%超の値上がりとなり、夏場の不振を感じさせない勢いだ。ナスダックの伸び率はS&P500種株価指数やダウ工業株30種平均をしのいでおり、ハイテク株への再評価が追い風になっている。背景にあるのは米国の長期金利(10年物米国債利回り)上昇の沈静化だが、今後の長期金利の先行きには政治の混乱という不確定要素も影響を及ぼしそうで、株価への不安が完全に消えたわけではない。

ナスダックの上昇率はS&P500やNYダウをしのぐ

ナスダック総合の6日の終値は前日比0.3%高の1万3518.78。10月27日から7営業日連続での上昇で、この間の伸び率は7.3%となった。7連騰は1月6日から17日にかけて以来だ。また、10月末比での伸び率は5.2%高で、8月から10月にかけて月次マイナスが続いた悪い雰囲気が一転している。ナスダック市場上場の100社を対象としたナスダック100(NDX)も同様の傾向。両指数の伸び率は、S&P500(SPX)やダウ平均(DJI)を上回っており、ハイテク優位の株価上昇といえそうだ。

ナスダック総合、ナスダック100、S&P500、ダウ平均の月次騰落率の推移のグラフ

エヌビディアは11月に入って12%高

個別の銘柄でみても、半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の6日の終値は10月末比で12.2%高。電気自動車(EV)大手テスラの株価(TSLA)も11月は9.2%高となっている。ハイテク大手の株価は8月以降の金利上昇局面で多くが下落。テスラの場合は、金利高が自動車ローン金利の上昇を通じて販売への逆風にもなるという事情もあり、下半期に入ってから株価が約25%下落する場面もあった。

2023年下半期のハイテク大手(エヌビディア、テスラ、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、メタ)の株価のグラフ

アメリカ議会の混乱が改めて不安要素に

ハイテク株の復調の背景には長期金利の低下がある。6日のニューヨーク債券市場の長期金利の終値は4.662%。前週末から約0.1ポイントの上昇とはいえ、10月23日の取引時間中につけた5.021%を大きく下回る水準だ。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が1日までの連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で物価上昇の減速を前向きに評価したことに加え、3日に発表された10月の雇用統計で労働市場の過熱感が緩和されたことが、金利の先高観を弱めた。

ただ、長期金利上昇の懸念が完全に消えたわけではない。これまで長期金利の上昇要因となってきた債務上限問題や2024会計年度予算をめぐる政治の混乱が依然として続いているからだ。現在のつなぎ予算は11月17日で失効するため、今後、改めて政府機関閉鎖の可能性が注目される可能性がある。政府が予算をスムーズに成立させられない危機が繰り返される状況は米国の信用を落とすと指摘されており、米国債の価格下落が長期金利を高める流れを生んでいる。

また、FRBは物価上昇の減速を評価しつつも、政策金利を高止まりさせる方向性は変えていない。パウエル氏は利下げは議論の対象になっていないと明言しており、長期金利が今後も低下傾向をたどるかは見通せない。


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