テスラ株、5%超下落 決算が予想割れ サイバートラック11月発売
テスラの7-9月期決算は収入と利益がともに市場予想に届かず。高金利が収益力を下押ししているといえ、難局が続いている。
電気自動車(EV)大手のテスラが18日の取引時間後に発表した2023年7-9月期決算は総収入、1株当たり利益(EPS)ともに市場予想を下回った。粗利益率も4-6月期から低下しており、値下げ戦略の痛みが治まらない状態が続いている。テスラの株価は18日の時間外取引で一時、5%下落した。こうした中、テスラは期待されていた新型車「サイバートラック」を11月30日に発売することを明かし、投資家の期待をつなぎとめようとしている。しかしイーロン・マスクCEOは高金利が続く中での値下げの必要性も改めて強調しており、当面は収益力が下押しされる状況が続く可能性がある。
テスラの7-9月期決算は1株当たり利益が37.1%減
テスラの7-9月期決算は、総収入が前年同期比8.8%増の233.50億ドル、調整ベースの1株当たり利益が37.1%減の0.66ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、決算発表直前の市場予想は総収入が240.97億ドル、1株当たり利益が0.73ドル。発表された結果はいずれも市場予想を下回っており、テスラは投資家の期待に応えられなかった。
また、総収入に対する粗利益の比率(粗利益率)は17.9%となり、4-6月期の18.2%からわずかに低下した。かつての30%近い水準からの悪化が続いている形だ。2023年に入ってから繰り返している値下げの結果、利益が削り取られている。テスラは販売台数の年間目標を前期比約37%増にあたる180万台で維持しているが、収益性が引き換えになっているもようだ。
テスラ株は18日の時間外取引で一時、約5%下落
こうした決算内容を受けて18日の株式市場ではテスラ株(TSLA)が下落し、18日の時間外取引で一時、約230ドルまで値下がりした。18日の終値(242.68ドル)との比較では約5%安だ。テスラ株はこのところ決算発表のたびに株価が下落するパターンを繰り返している。
一方、テスラは今回の決算発表にあわせて投資家から期待されていた新型車の発売予定を公表した。X(旧ツイッター)の公式アカウントでは大型のトレーラーに積み込まれたサイバートラックの画像とともに「11月30日」にテキサス州の工場から最初の出荷が予定されていることを明かした。マスク氏は18日の決算会見で、「テスラとして最高の製品だ」と述べ、2025年までに年間25万台の販売を達成できる可能性があるとした。
マスクCEOは高金利下での値下げの必要性を改めて強調
ただ、マスク氏はサイバートラックの大量生産とキャッシュフローの維持には多大な努力が必要だとも強調している。さらにテスラ車全般に関する価格戦略について、金利水準の高まりを懸念しているとも述べた。テスラによる値下げにも関わらず、自動車ローン金利の上昇を考えれば購入者の負担額は変わっていないと指摘。「もしも金利が高いままだったり、さらに高くなったりすれば、消費者は車を買うことがよりいっそう困難になる」としている。
アメリカの長期金利(10年物米国債利回り)は18日に4.9%台まで上昇しており、高金利環境に変化の兆しは出ていない。テスラの株価は2022年末比で約2倍の高さで取引されているが、下半期に限れば7.3%安という状況で、投資家の期待は徐々に薄らいでいるともいえそうだ。
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