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週明けの米国株は反発スタート 注目はアルファベットとテスラの決算 S&Pの見通し

S&P500種株価指数は先週、「トランプ・トレード」によるグロース株の売りと世界的なシステム障害の影響で約2%下落した。今週の焦点は2つある。ひとつは、新たなサポート水準の見極めである。もうひとつは、アルファベットとテスラの決算である。後者の決算は、週後半のS&P500のトレンドに大きな影響を与える可能性がある。注目のチャート水準は?

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この記事のポイント

・S&P500は現在、調整の反落相場を警戒する局面にある
・今週の注目イベントは、アルファベットとテスラの決算
・S&P500の調整相場が続く場合は、5,400の維持が焦点となろう
・反発局面では、フィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい


S&P500、注目のチャート水準

レジスタンスの水準

・5,629:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・5,604:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・5,584:半値戻しの水準
・5,564:フィボナッチ・リトレースメント38.2%

サポートの水準

・5,500:フィボナッチ・リトレースメント23.6%
・5,465:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・5,445:サポートの水準
・5,417:50日線


S&P500、今週の見通し

調整の反落、新たなサポート水準の見極め

今週のS&P500種株価指数(SPX、以下S&P500)の焦点は、新たなサポート水準の見極めにある。

S&P500のオプション価格をもとに算出されるVIX(VIX)は現在、14ポイント台と低い水準で推移している。ナスダック100(NDX)のオプション価格をもとに算出されるVXNも昨日、20ポイントを下回る展開となった。

現状、これらボラティリティ指数からは投資家の警戒心が急速に高まっている状況は確認されていない(いずれも下のチャート、赤枠を参照)。

VIXとVXN:日足 年初来

VIXとVXN:日足 年初来 ブルームバーグのデータで筆者が作成

一方、日足チャートでS&P500のトレンドを確認すると、先週21日線を下方ブレイクする局面が見られた(日足チャート、黒矢印を参照)。

MACDとRSIはともにデッドクロスへ転じている。モメンタム(14日)の動きも強気地合いの勢いが後退していることを示唆している(いずれも日足チャート、赤矢印を参照)。

しかし、フィボナッチ・リトレースメント23.6%5,500レベルが相場を下支えし、22日の株式市場では21日線を難なく上方ブレイクしRSIは反発へ転じている。短期サポートラインも維持している。

ボラティリティ指数とテクニカルの動向を総合的に考えるならば、現在のS&P500は下落トレンドへの転換を警戒する局面ではなく、調整の反落局面を意識する状況にある。

S&P500種株価指数のチャート:日足 今年4月以降

S&P500種株価指数のチャート:日足 今年4月以降

出所:TradingView

今週、注目のサポート水準

今週もS&P500(SPX)の調整相場が続く場合は、5,400(フィボナッチ・リトレースメント38.2%)の維持が焦点となろう。テクニカルの攻防を重視するならば、50日線を維持できるかどうか?この点に注目したい。この移動平均線は22日時点で5,417レベルで推移している(上の日足チャート、緑ラインを参照)。

S&P500が50日線を目指すシグナルとして、今週は3つのテクニカルの攻防に注目したい。

最初の焦点は19日に相場を下支えしたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準5,500である(上の日足チャートを参照)。今日以降、短期サポートラインが5,485レベルから5,505レベルで推移する。テクニカルラインが交錯する5,500レベルを最初のサポート水準と考えたい。

S&P500が5,500レベルを完全に下方ブレイクする場合、次に注目したいのがフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準5,465レベルである(下1時間足チャート、赤ラインを参照)。

そして最後の水準が5,445レベルである。この水準はサポートラインへ転換する兆しが見えている(下1時間足チャート、赤ラインを参照)。

反発局面での焦点は?

一方、S&P500(SPX)の反発局面では、下の1時間足にプロットしたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい(各緑ラインを参照)。

17日以降の動向から38.2%戻しの水準5,564レベル、半値戻しの水準5,584レベル、そして61.8%戻しの水準5,604レベルはいずれもレジスタンスラインとして相場の反発を止める可能性がある。事実、昨日は38.2%戻しの水準で反発が止められた(1時間足チャート、緑矢印を参照)。

61.8%戻しのトライは、S&P500が5,600ポイント台を回復できるかどうか?を見極めるための重要な攻防となろう。

S&P500が5,600台へ上昇し、かつ76.4%戻しの水準5,629レベルをも完全に突破すれば、直近の高値5,669レベルを視野に上昇幅の拡大を予想する。

だが、こちらのIG為替レポートで指摘したとおり、米国の株式市場だけでなく債券市場でも「トランプ・トレード」へ転じるムードが見られる。事実、22日の米債市場では10年債利回り(長期金利)が小幅に上昇し、反発基調を維持した。

米長期金利の反発が続けば株式市場、特にこれまで株高をけん引してきたグロース株にとっては重しとなる。ゆえにS&P500の反発局面では、上で取り上げたレジスタンスの水準で反落する展開を警戒しておきたい。

S&P500種株価指数:1時間足 6月以降

S&P500種株価指数:1時間足 6月以降

出所:TradingView


アルファベットとテスラの決算

S&P500のトレンドを左右するセクター

今年のS&P500(SPX)の上昇トレンドは、情報技術とコミュニケーション・サービスのセクターが土台となってきた。この点を下の相関関係のチャートで確認すると、「トランプ・トレード」の恩恵を受けやすいダウ平均(DJI)やラッセル2000(RUT)と比べて、S&P500は上で述べた2つのセクターと高い相関関係(順相関)にあることが分かる(赤ゾーンを参照)。

一方、「トランプ・トレード」で先週上昇した金融とエネルギーの両セクターとS&P500の関係をみると、ダウ平均やラッセル2000と比べて低い(青ゾーンを参照)。

今週23日にコミュニケーション・サービスのセクターに属するアルファベット(GOOGL)が決算を発表する。内容次第で週半ば以降のS&P500のトレンドを左右する可能性があろう。

S&P500と主要なセクターの相関関係

S&P500と主要なセクターの相関関係 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 相関係数:対数差分で計算、データ数138


アルファベットの決算

23日にアルファベット(GOOGL)が第2四半期の決算を発表する。今週のS&P500(SPX)のトレンドに影響を与える可能性がある。

アナリストのコンセンサスを確認すると、第2四半期は増収減益の見通しとなっている。収益の柱である広告部門は、Google 検索の新機能「AI Overviews」の展開でサイト利用時間の増加が寄与するとの見方がある。また、もうひとつの収益の柱であるクラウド事業も堅調に拡大する見通しである。

焦点は業績の見通し(ガイダンス)にある。投資家の期待を上回る業績の成長性を示すことができれば、同社の株価が週半ば以降のS&P500を下支えする要因になり得る。

一方、ガイダンスが投資家の期待を下回る内容となれば、同社の株価は下落することが予想される。下で述べるテスラ(TSLA)も決算をミスする場合、S&P500は上で述べたサポート水準を視野に調整相場の進行を警戒したい。

アルファベット 第2四半期のアナリストコンセンサス

アルファベット 第2四半期のアナリストコンセンサス ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:第2四半期のコンセンサス


テスラの決算

23日に電気自動車大手のテスラ(TSLA)も第2四半期の決算を発表する。

値下げと販売の奨励策が寄与し、第2四半期の納入台数が前年同期比4.8%減の44万3,956台と、予想の5%減よりも小幅な減少にとどまった。これを受け同社の株価は10%上昇し、11日の市場では一時271ドルまで上昇する局面が見られた。しかし期待先行の株高は続かず、同社の株価は再び上値の重い状況にある。

ゆえに今回の決算の焦点は、一株利益(EPS)と売上高がアナリストのコンセンサスを上回ることはもちろんのこと、自動車の納入台数や生産台数も含めたガイダンスで投資家の期待を上回ることができるかどうか?この点となろう。新たな収益の柱として期待されるエネルギー事業の成長性も注目されるだろう。

投資家の期待を超えるガイダンスが示される場合、同社の株価が上昇しS&P500を下支えする展開が予想される。アルファベット(GOOGL)も好決算となれば、S&P500は上で述べたフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準5,629レベルを突破し、直近の高値5,669レベルを視野に上昇幅が拡大する可能性が高まろう。

逆に、テスラとアルファベットの決算がともに投資家の期待を裏切る内容となれば、S&P500は上で述べた5,400ポイント(50日線)を視野に、調整の下落相場が進行する展開を予想する。

テスラ 第2四半期のアナリストコンセンサス

テスラ 第2四半期のアナリストコンセンサス ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:第2四半期のコンセンサス

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