株式にらみの状況が続く円相場 / 豪ドル円の展望
今日のポイント:『株高を背景に円安のトレンドが加速している。投資家のリスク選好スタンスは根強い。株式の反落局面では調整の円買いが見られるだろう。しかし、株高トレンドが続く限り円安トレンドは続くと予想する。豪ドル円のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
株式にらみの状況が続く円相場
昨日の海外外為市場は円安優勢の展開となった。この日の主要な欧米株価指数は総じて上昇した。新興国株式も底堅さを維持した。
24日のレポート『株式と連動する円相場』の項目でも指摘したが、今の外為市場では『株高→円安』のトレンドが鮮明となっている。昨日の円安は、このトレンドが加速していることをあらためて示した。
ドル円を含めた本日の円相場は、引き続き株式にらみの展開となろう。特に注視すべきは米株の動向である。今週のはじめに米株は下落幅が拡大する局面が見られた。
しかし、23日の上院銀行委員会の公聴会でパウエルFRB議長が市場の政策期待をつなぎとめる発言をしたことをきっかけに、再び買いの圧力が高まっている。
米株のボラティリティ指数は低水準で推移し、リスク性の高い資源国通貨や新興国通貨への買い圧力が高まり、かつハイイールド債買いが続いている状況も考えるならば、投資家のリスク選好スタンスは根強いと言えよう。
米金利の高止まりは高PERの株式(特にハイテク株)の売り要因ではある。しかし、今の投資家のスタンスを考えるならば、調整の反落を挟みながらも今週の米株は高値圏を維持する可能性が高い。
よって、円相場も単発的な調整の円買いを挟みながら円安優勢を予想する。
米株のボラティリティ指数チャート
ハイイールド債ETFのチャート
豪ドル円の展望
円相場が株式にらみの展開である以上、株式との連動性が高い豪ドル円は上下に振れる展開が予想される。
豪ドル円の基調は上昇トレンドである。
しかしRSI、ストキャスティクス(スロー)は相場の過熱感を示唆している。
また、21日MAとの乖離が一時3.7%近くまで広がった状況も考えるならば、調整の反落(豪ドル売り/円買い)を常に警戒しておきたい。
調整相場のケースでは、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。
昨日の動向を参考にするならば、50.0%(83.87)および61.8%の水準(83.75)で反転するかどうか?この点に注目したい。
61.8%の水準を下方ブレイクする場合は、米株をはじめ株式市場の調整圧力(下落圧力)が再び高まっている状況が予想される。このケースでは、83.00を視野に下落幅の拡大を警戒したい。
一方、株高トレンドが続く局面では、トレンドフォローの豪ドル高/円安を予想する。
上値の焦点は、84.50レベルの突破である。昨日は84.42レベルで上値が抑制された。また、過去の経緯を振り返ると、2018年3月から6月にかけて、84.50前後で相場の上値が抑制された経緯がある。
84.50レベルの突破に成功する場合、次の焦点は85円のトライとなろう。
豪ドル円の動向
豪ドル円のチャート
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