上昇が一服している米金利と米ドル相場の動向 / 豪ドル米ドルとドル円の焦点
今日のポイント:『米金利の上昇は一服。米株は反落するも株高トレンドを維持する可能性あり。外為市場では米ドル安を予想。豪ドル/米ドルとドル円のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
上昇が一服している米金利と米ドル相場の動向
今週に入ると米金利の上昇が一服し、長期金利(10年債利回り)は1.4%台を中心に小康状態となっている。この状況が続く場合、米株は調整の反落を挟みながらも上昇トレンドを維持する可能性が高い。
外為市場ではリスク性の高い通貨の買いと米ドル安優勢の展開を予想する。
事実、昨日の米ドルは主要国通貨で下落した。一部の新興国通貨(トルコリラ/ブラジルレアル)では米ドル高となったが、株安の局面でも南アランドやロシアルーブルといったリスク性の高い新興国通貨が対米ドルで上昇したことは、投資家のリスク選好スタンスが根強いことを示唆している。
この点は、クロス円での円安も示唆している。
米ドル相場のパフォーマンス
豪ドル/米ドル(AUD/USD)の焦点
昨日のレポートで取り上げた豪ドル相場だが、予想通り反発している。
豪準備銀行(RBA)は、昨日公表した政策会合の声明で、豪州経済の持続的な回復を示唆した。
低インフレや回復半ばの雇用情勢を重視し金融緩和政策は維持したが、コロナショックからいち早く回復した中国の経済、そして大規模な米経済対策の実行とそれに伴う将来の景気回復を考えるならば、今後政策の面で豪ドルが売られる可能性は低いだろう。
豪ドル相場が下落するならば、リスク回避の株安と資源価格の急落である。だが、米金利の上昇が一服している現状を考えるならば、目先はそれらの可能性も後退している。
よって目先の豪ドル相場は、調整の反落を挟みながら上値を目指す展開を想定したい。なお、市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)は、上昇基調を維持している。
注目すべきは、豪ドル/米ドルの動向である。目先は、0.7820の水準を完全に突破できるかどうか?この点に注目したい。
昨日は高値0.7837まで上昇する局面が見られたが、10日MAで上値が抑制され0.7820台の維持に失敗した。
本日、株高を背景に0.7820レベルを完全に突破し、かつこの水準で相場がサポートされる展開となれば、再び0.80をトライするシグナルの一つとして捉えたい。
一方、米株が続落する場合は、短期サポートラインを視野に豪ドル売り/米ドル買い優勢の展開を想定したい。このラインは今日現在、0.7686レベルで推移している。
短期サポートラインを下方ブレイクする場合、2月の上旬に相場をサポートした0.7560レベルの維持が焦点となろう。
豪ドル/米ドルのチャート
ドル円の焦点
昨日のドル円は107円台の到達に失敗した。107.00レベルは、昨年8月中旬のレジスタンスポイントでもある。
米金利の上昇が一服している状況を考えるならば、目先は株高の維持が107円台到達の鍵となろう。
逆に株式、特に米株が下落する場合、ドル円は調整の反落を想定したい。
だが、上述したとおり投資家のリスク選好スタンスは根強い。よって、ドル円の下落幅は限定的と想定し、目先は直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。
先月26日以降、23.6%の水準106.47レベルで相場がサポートされている。この水準を下方ブレイクする場合は、106.00を目指す展開を想定したい。すぐ下の105.93レベルは50.0%の水準にあたる。
フィボナッチ・リトレースメント以外で注目すべきサポートポイントは、105.80レベルである。先月の24日から26日にかけてこの水準が相場をサポートし続け、上昇トレンドが加速する起点となった。
ドル円のチャート
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