節目のチャートポイントをブレイクした主要通貨ペア / ドル円と豪ドル円のチャートポイント
サマリー:『主要通貨ペアは節目のチャートポイントを下方ブレイク。トレンドが転換した可能性を意識したい。ドル円と豪ドル円のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
節目のチャートポイントをブレイクした主要通貨ペア
昨日の外為市場では、米ドルを買う流れが続いた。ユーロドル(EURUSD)は節目の1.20を完全に割り込むと、安値1.1890レベルまで下落した。一方、ポンドドル(GBPUSD)も節目の1.40を完全に下抜け、一気に安値1.3896まで急落した。
また、レンジ相場が続いていた豪ドル/米ドル(AUDUSD)もサポートポイントの0.76レベルを完全に下方ブレイクし、安値0.7541まで下落した。
連日の陰線示現により、節目のチャートポイントをことごとく下方ブレイクしたこれらの通貨ペアは、トレンドが転換した可能性を意識したい。
今後、調整の反発局面で昨日ブレイクした節目のポイント、または21日や50日の各EMAといったテクニカルラインで上値が抑制される場合、市場参加者は米ドルの地合いの強さ(ユーロ、ポンド、豪ドルの地合いの弱さ)を意識しよう。
主要通貨ペアのチャート
ドル円の焦点
上で述べたドルストレートとは対照的に、ドル円(USDJPY)は反落する展開となった。
昨日は米長期金利(以下米金利)が一時1.47%台まで急低下したことで日米の利回り格差が縮小した。金利との高い相関を維持しているドル円は、筆者が注目していた110.35レベルをあっさりと下方ブレイクし、安値110.15レベルまで下落した。
今夏以降、FRBが金融政策の正常化に向けて動くことを考えるならば、調整を挟みながら米金利は緩やかな上昇トレンドを描く可能性が高い。
よって、ドル円は「株安→円買い」のトレンドが復活しない限り、緩やかな上昇トレンドを維持するか、短期的に108.00-111.00を中心としたレンジで売り買いが交錯する展開を想定しておきたい。
今日のドル円のチャートポイントだが、110.35がレジスタンスからサポートへの転換に失敗したことで、下値のポイントは110円台の維持、もしくは短期サポートラインの維持となろう。後者のラインは今日現在、109.55レベルで推移している。
一方、上値のポイントは111.00のトライで変わらず。米金利の上昇局面では、この水準の攻防となるかどうか?この点を意識する局面が続こう。
ドル円のチャート
豪ドル円の焦点
今後、米株が金融政策の正常化を意識し不安定な展開となる場合、その影響を最も受けやすい通貨の一つが豪ドルである。上で述べた「株安→円買い」のトレンドが復活する場合、豪ドル円(AUDJPY)は、クロス円の中でも下落幅が拡大する可能性があろう。
豪ドル円は昨日、サポートラインだった50日EMA(84.29レベル)で上値が抑制され、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準83.29レベルの攻防となっている。この水準の攻防は、83円台維持の攻防と捉えることができる。米株が続落基調を維持する場合は83円台を下方ブレイクし、半値戻しの82.51、または61.8%戻し81.73レベルを視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。
一方、景気の持続的な回復などを理由に米株が再び上昇トレンドへ回帰する場合は、83円がレンジの下限として意識されるかどうか?この点が焦点となろう。
これに成功する場合、目先の焦点は50日線の攻防となろう。このラインがサポートからレジスタンスへ転換する場合は、レンジの上限が85.20前後から84円前半へ切り下がることになる。上値の水準が切り下がる展開は、上昇トレンドが転換するシグナルの一つである。よって、50日線がレジスタンスラインへ転換する場合も、上で述べたサポートポイントをトライするシグナルとして考えたい。
豪ドル円のチャート
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