米金利の低下に連動しドル円は100日線をもブレイク / ドル円とポンドドルの焦点
サマリー:『米金利の低下に連動しドル円は100日線をも下方ブレイク。108円台の攻防シフトが焦点に。ポンドドルは底堅い展開が続いている。ドル円とポンドドルのチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の低下に連動しドル円は100日線をもブレイク
ドル円(USDJPY)は50日EMA(今日現在109.84レベル)のみならず、100日線(今日現在109.22レベル)をも下方ブレイクする状況となっている。
米長期金利との関係を確認すると、5月以降、相関性が崩れていたが、7月以降は米金利の低下に連動しドル円も下落していることがわかる。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りも0.17%台まで低下している。これらの状況を考えるならば、ドル円は引き続き下値トライ意識すべき局面にある。
米長期金利とドル円の動向
米雇用関連の指標に注目
一方向に振れ続ける相場は存在しない。米株が最高値圏での攻防を維持している状況で米金利が反発する局面では、ドル円(USDJPY)もその動きに追随することが予想される。
その米金利の反発要因として、目先注目すべきは指標データである。今日は7月のISM非製造業景況指数が発表される。
市場予想(60.5)だけでなく、雇用の指標にも注目したい。非製造業の雇用は、今年の4月をピーク(58.8)に低下基調にある(直近は49.3まで低下)。製造業の雇用が改善していることが確認されたタイミングで非製造業の雇用も回復すれば、6日の7月雇用統計に対する期待が高まることで米金利の反発が予想される。
また、ADP雇用統計(市場予想65.0万人)が良好な場合も雇用統計に対する期待を高めよう。強い内容の雇用関連指標は、ドル円の反発要因として意識しておきたい。
ISM雇用指数のチャート
ドル円の焦点
今日のドル円(USDJPY)は、2つのポイントに注目したい。
ひとつは、上で述べた100日EMA(今日現在109.22レベル)がサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?この点を確認したい。もうひとつは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準108.45のトライである。これらテクニカルポイントをトライするなら、米雇用関連指標が発表された後と予想する。
ドル円が反発しても100日線で上昇が止められる場合は、下落トレンド継続のシグナルと想定したい。
100日線の突破に成功しても、次に控えているのは50日EMA(今日現在109.84)である。50日線は先月の29日に上値を抑制した経緯がある。100日線以上にレジスタンスラインへ転換する可能性があろう。
一方、下値の焦点である108.45前後は、今年4月29日と5月の上旬に相場をサポートした経緯がある。ドル円が三度トライする場合はサポートのポイントとして意識される可能性があるが、米金利の低下に加えて、米株も下落する場合は108.45のブレイクを警戒しておきたい。
ドル円のチャート
ポンドドルの焦点
明日にBoEイベントを控えているポンドドル(GBPUSD)だが、現在は89日EMA(今日現在1.3882レベル)でサポートされ、節目の1.40を目指す展開が続いている。
今日は、米雇用関連指標の発表後に上下に振れる展開が予想される。良好な雇用関連指標が確認される場合、「米金利の反発→米ドルの買戻し」という展開が予想される。ポンドドルは89日線を維持できるどうか?まずはこの点に注目したい。89日線をブレイクする場合は、21日EMA(今日現在1.3857レベル)のトライを警戒したい。
だが、現在のポンド相場の状況は、コロナパンデミックに対する懸念が高まっていないことを示している。また、金融政策の正常化に対する思惑も台頭している。この状況でBoEが明日、経済とインフレについて強気の見通しを示してくれば、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%の水準1.3989および1.40をブレイクすると予想する。
ポンドドルのチャート
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