ドル円と米5年債利回りの関係 / ドル円とポンドドルのチャートポイント
サマリー:「ドル円は米5年債利回りとの相関が高まっている。反発基調が続く場合は114.70レベルのトライが焦点に。ポンドドルは反落リスクを警戒。上下のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ドル円と米5年債利回りの関係
・ドル円と5年債利回りの相関関係
昨日の米債市場では、長期金利(10年債利回り)が低下した。一方、2年債と5年債の利回りは小幅ながらも上昇した。
今年の8月以降、米金利は低下から上昇のトレンドへ転じている。各年限の利回りとドル円(USDJPY)の相関関係を確認すると、長期金利だけでなく5年債利回りとの相関も高まっていることがわかる。
昨日のドル円が株高だけでなく5年債利回りの上昇に連動した可能性もあるが、パウエルFRBが政策転換へ舵を切っている以上、今後は長期金利だけでなく、5年債利回りがドル円に与える影響も常にチェックする必要がある。
米金利とドル円の相関マトリクス
・ドル円のチャートポイント
ドル円(USDJPY)は、難なく114円台への再上昇に成功している。
今回の反発のポイントは、10日EMA(今日現在113.77レベル)にサポートされた点にある。今月22日に10日線を下方ブレイクする局面が見られた。しかし、その後反発が続いたことで10日線が重要なテクニカルラインとして意識されていることが確認された。
地合いの強さと10日線での攻防を考えるならば、今日のドル円の焦点は114円台の維持にある。昨日は、NYクローズでこれに成功した(終値114.14レベル)。
114円台を維持し続ける場合、今月20日の高値114.70レベルのトライが焦点となろう。114.50の上方ブレイクは、114.70トライのシグナルとなり得る。
114.70レベルを突破する場合、次の焦点は115円の攻防となろう。
だが、米国の実質金利は低下基調にある。ダウ平均とS&P500の日足チャートでは、上影陰線が示現している。最高値圏での上影陰線は下落を暗示する。これらの動向を考えると、114.70レベルもしくは115.00手前での反落リスクを警戒したい。
米金利の低下や株高の調整でドル円が114.50レベルすらトライできずに反落する場合は、上で述べた10日線の維持が焦点となろう。
一時的にせよ10日線を下方ブレイクする場合は、今月22日の安値113.39レベル、および113.20レベルの攻防を想定しておきたい。前者のサポートポイントは、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたる。
ドル円のチャート
ポンドドルのチャートポイント
ユーロドル(EURUSD)は、このレポートで指摘した1.1660-70のレジスタンスゾーンで反発が止められ、下落基調へ転じている。昨日は21日EMA(今日現在1.1622レベル)で戻りが止められた。
この動きに連動するようにポンドドル(GBPUSD)でも反落ムードが出始めている。ポンドドルの場合は、短期レジスタンスライン(赤ライン、今日現在1.3837レベル)で上昇が止められている。
昨日の日足ローソク足は、トウバに近い上影陰線のかたちとなった。高値圏での上影陰線は上昇トレンドの転換を暗示する。米国の実質金利が低下基調にあることを考えるならば、ポンドドルが反落する局面では、現在相場をサポートしているフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1.3734レベルを下方ブレイクし、50日EMA(今日現在1.3725レベル)まで下落する可能性を意識しておきたい。
50日線の攻防となる場合、このテクニカルラインを維持できるかどうか?は、米金利の動向次第となろう。
原油先物価格の上昇や良好な指標データで「米金利の上昇→実質金利の反発」となれば、50日線を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.3672レベルが次の下値ターゲットとなろう。この水準は、今月に入りレジスタンスとしてもサポートとしても意識された経緯がある。
一方、ポンドドルが反発する場合は、レジスタンスポイントとして意識されている1.3830レベルおよび短期レジスタンスラインのトライが焦点である。これらの水準で反落が続く場合は、トレンド転換を強く意識したい。
ポンドドルのチャート
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