今週の展望-米金利、ドル円そして豪ドル/米ドル
サマリー:『米金利は1.5%の攻防が焦点。米金利の低下基調が続く限りドル安トレンドを予想。ドル円と豪ドル/米ドルの動向に注目。上下のチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の展望について
米長期金利
4月の米雇用統計はさえない内容だった。これを受け米債券市場では、長期金利(以下では米金利)が一時1.5%割れの展開に。この動きに連動し、実質金利(10年)はマイナス0.91%まで低下する状況となっている。
米雇用統計が発表された後の米金利の動向を日足ローソク足で確認すると、長い下ヒゲが示現している。
この動向は、1.5%割れの水準では米債の売り需要が強いことを示唆している。
よって、今週の米金利は1.5%~1.7%のレンジ内で推移する展開を想定する。
だが、同時に1.5%割れの展開も想定しておくべきだろう。
今週は12日に4月消費者物価指数(CPI)、14日に4月小売売上高が発表される。米雇用統計に続き、これら指標データが予想外に市場予想を下回る場合、米金利は再び1.5%割れの展開となる可能性がある。
米金利が低下する場合、『実質金利の低下→米ドル安』のトレンドが継続しよう。
米長期金利のチャート
ドル円(USDJPY)
米金利の上昇が抑制されている状況を考えるならば、今週のドル円(USDJPY)は下落リスクを警戒したい。市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は低下基調にある。
上値の焦点は、109.50レベルおよび109.70レベルの攻防である。5月に入り、これらの水準で上値が抑制される状況が続いている。米金利が反発してもこれらの水準で上値が抑制される場合、今後レンジの上限として意識される可能性が出てくる。この観点からも109.50レベルと109.70レベルの攻防には注目しておきたい。
一方、下値の焦点は、7日の下落を止めたフィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準108.36レベルの維持が目先の焦点となろう。
すぐ下の108.28レベルには短期サポートラインが推移している。
これらテクニカルポイントを下方ブレイクする場合は、75日EMA(今日現在107.83レベル)のトライを想定したい。このEMAは、今年4月に発生した下落トレンドを止めた経緯がある。
75日EMAをも下方ブレイクする展開となれば、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準107.53および先月23日安値107.46のトライを予想する。
ドル円のチャート
豪ドル/米ドル(AUDUSD)
さえない米雇用統計が金融緩和政策の継続期待につながり、米株は最高値圏での攻防を維持している。
この状況を考えるならば、株高トレンドとの連動性が高い豪ドル/米ドル(AUDUSD)は、上値をトライするトレンドが続くと予想する。
豪ドル/米ドルは、予想通りフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準0.7828レベルを突破してきた。この突破と短期サポートラインの維持を合わせて考えるならば、アセンディング・トライアングルが形成されたと考えることもできる。
また、市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は再び上昇しつつある。
これらの動向を総合的に考えるならば、目先はフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準0.7897のトライおよび突破となるか?これらの点に注目したい。
0.7897を完全に上方ブレイクする場合は、0.80台を再びトライするシグナルと捉えたい。
一方、下値の焦点は0.7828レベルがレジスタンスのポイントからサポートポイントへ転換するかどうか?この点を確認することにある。これに成功する場合は、豪ドル/米ドルがさらに上値をトライするシグナルと想定したい。
逆に下方ブレイクする場合は、50日EMA(今日現在0.7723レベル)および短期サポートライン(0.7700レベル)の維持が焦点となろう。
豪ドル/米ドルのチャート
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