米金利は落ち着いた動きとなっているが / ドル円とユーロドルの展望
サマリー:「米金利の上昇が一服。しかし流動性の低下による不意の急騰には要注意。ドル円は115円トライと新たなサポートの水準が焦点に。ユーロドルは新たなレジスタンスの水準を見極める展開へ。それぞれのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利は落ち着いた動きとなっているが
18日の米長期金利は、1.58~1.61%のレンジで上下に振れる展開となった。2年債や5年債の各利回りにも大きな動きは見られなかった。
前日に実施された20年債の入札やこの日行われた10年物価連動債の入札が堅調だったことで、ドル円(USDJPY)との連動性が高まっている5年債利回りや長期金利の上昇圧力が抑制されている。
だが、感謝祭を前に米債市場の流動性が低下しているとの指摘がある。インフレリスクが意識されている状況に加え、12月に向けて債務上限の問題が再燃する可能性がくすぶっていることも考えるならば、米金利が不意に上昇する展開を常に警戒しておきたい。
米金利のチャート
ドル円とユーロドルの展望
・ドル円(USDJPY)
米金利の上昇が抑制される局面では、ドル円(USDJPY)の上昇も抑制されよう。
だが、ドル円が反落しても下値は限定的と予想する。米金利の安定した推移は米国株-特に今の株高をけん引しているハイテク株の上昇要因となるからだ。事実、昨日は大型ハイテク株がS&P500とナスダック指数の上昇をけん引した(両指数とも最高値を更新)。米国株が最高値圏での攻防を維持する限り、調整の株安による円の買戻しは限定的となることが予想される。
ドル円の焦点は、115円台への上昇と新たなサポートポイントの水準を見極めることに絞られている。米金利の上昇が抑制されている状況を考えるならば、今は後者の水準を見極めることが重要である。
ドル円の下落局面では、113.70-80ゾーンの維持が目先の焦点となろう。現在のドル円は、21日SMA(今日現在113.86)とフィボナッチ・リトレースメント50.0%の水準113.83レベルでサポートされている。すぐ下には21日EMAが113.78レベルまで上昇している。また、113.70レベル(フィボナッチ・リトレースメント38.2%)は、11月上旬のサポートポイントである。
テクニカルの水準が重なる上のサポートゾーンを下方ブレイクする場合は、113円台の維持および直近安値112.70台の再トライを想定しておきたい。
ドル円のチャート
・ユーロドル(EURUSD)
ユーロドル(EURUSD)は、予想どおり反発基調へ転じている。昨日は、1.1370台まで反発した。18日のレポートで指摘したフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.1386トライのムード出てきた。
17日に長い下ヒゲが示現した後、18日の日足ローソク足が大陽線だったことを考えるならば、短期的なユーロドルの反発相場を意識する局面にある。
だが、米欧金融政策のスタンスの違いや欧州での新型コロナウイルスの感染が再拡大している状況を考えるならば、ユーロドルの反発は新たなレジスタンスの水準を見極める相場であることを意識しておきたい。
今日の焦点は、リトレースメント61.8%のレベルであり、かつ今月16日の高値でもある1.1388レベルの突破である。
これに成功する場合は、1.1400トライおよびこの水準で反落するかどうか?これらの点に注目したい。1.1417レベルまで10日EMAが低下している。1.1400前後がレジスタンスとして意識される場合、来週以降の反落リスクを警戒したい。
一方、ユーロドルが1.14台乗せに成功する場合は、もう一段の上値トライを想定したい。このケースでは、今月12日と15日に相場の反発を止めた1.1465レベルおよび21日EMA(今日現在1.1488)をレジスタンスの水準と想定しておきたい。
ユーロドルが反落する場合、下値の焦点は1.13台の維持となろう。
ユーロドルのチャート
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