今週の焦点 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「今週の米ドル相場は引き続き金利にらみの展開に。米金利は指標データで動く可能性あり。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の焦点
今週の米ドル相場は、引き続き金利にらみの展開となろう。米長期金利(以下では米金利)の動きを確認すると、8月上旬に1.13%のレベルで反発して以降、緩やかな上昇基調にある。目先は1.38%の水準を完全に上方ブレイクするかどうか?この点が注目される。
テーパリング(資産購入の縮小)は、短期的に米金利の上昇圧力を高める要因となり得る。その圧力を高める材料として今週は、米指標データに注目したい。14日に8月消費者物価指数(CPI)、16日に同月小売売上が発表される。前者はインフレ指標として、後者は個人消費の指標として市場の関心が高い。
上述した指標データが市場予想を上回る場合は、米金利の押し上げ要因となろう。実際に米金利が上昇する場合は、米ドル買い優勢の展開となろう。一方、米指標データが総じて市場予想を下回る場合は、米金利の低下と米ドル安優勢の展開を想定しておきたい。
8月の非農業部門雇用者数の伸びが予想以下となっても、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やクリーブランド連銀のメスター総裁は先週「年内のテーパリング開始」に言及した。8月のFEDキーマン達の発言も鑑みるならば、パウエルFRB内では「年内開始」が既定路線となっていることがうかがえる。よって、今週の指標データがさえない内容となっても、米金利の緩やかな上昇トレンドは続く可能性が高い。
外為市場では米ドル安を挟みながら、中長期的な米ドル高トレンドが形成される展開を意識しておきたい。
米長期金利のチャート
ドル円のチャートポイント
ドル円(USDJPY)は現在、109.60-110.40を中心としたレンジ相場の状況にある。米株が続落しても下値が限定的である状況は、ドル円の底堅さを示唆している。その理由は、上で述べた米金利の緩やかな反発基調にあると思われる。
年内のテーパリングが意識されているタイミングで、今週の米指標データが総じて市場予想を上回る場合、ドル円は米金利の上昇にサポートされ110円前半の攻防が続く展開を想定したい。
しかし、ドル円が上昇トレンドを形成するためには、持続的な株高も条件となる。特に米株の動向が重要だが、先週のように調整相場が続く場合は、短期レジスタンスラインもしくは110.40台で上昇が止められる展開を想定しておきたい。
一方、米金利の上昇と株高が同時に発生する局面が続く場合は、110.40台のブレイクを意識しておきたい。なお、短期レジスタンスラインは今週、110.36から110.26レベルで推移する。
一方、下値の焦点は、2つの移動平均線(EMA)の維持で変わらず。8月の下旬以降、89日線(今日現在109.63レベル)でサポートされる状況が続いている。100日線は今日現在109.53レベルで推移している。
ドル円のチャート
ユーロドルのチャートポイント
ユーロドル(EURUSD)は1.1910レベルで再び上昇が止められ、短期レジスタンスラインが形成されつつある。50日EMA(今日現在1.1829レベル)をあっけなく下方ブレイクしている状況も考えるならば、今週の米指標データが総じて市場予想を上回る場合は下値トライを警戒したい。
現状、フィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準1.1814レベルでローソク足の実体がサポートされている。しかし、冒頭で述べた状況を考えるならば、今週は1.17台の攻防シフトを想定しておきたい。
ユーロドルが1.17台へ下落する場合は、プロジェクション50.0%(1.1785レベル)および61.80%(1.1756レベル)の攻防に注目したい。前者の水準は、8月30日に相場をサポートした経緯がある(この時の安値は1.1781レベル)。
一方、上値の焦点は50日線および1.1850レベル(今月8日と10日の高値)の突破となろう。米金利の低下等で1.1850レベルを完全に上方ブレイクする場合は、89日EMA(今日現在1.1872レベル)のトライとなるか?この点に注目したい。先週6日と7日は89日線で上値が止められた。
ユーロドルのチャート
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