米金利に振り回されるドル円 / ユーロドルとポンドドル 目先の焦点
サマリー:「ドル円は反落。115円での上値の重さが確認された。ユーロドルはレジスタンスの水準を探る展開に。ポンドドルは利上げ期待でどこまで上昇できるか?が焦点。目先のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利に振り回されるドル円
・115円での上値の重さが確認されたドル円
昨日のアメリカ市場は、株式が下落し米債が買われる典型的なリスク回避相場となった。
この状況で変われやすい通貨が日本円である。実際、昨日のドル円(USDJPY)は、一時114円を割り込む局面が見られた。クロス円も総じて円買い優勢となった。
ドル円は、昨日の下落(大陰線)でオプションバリアの観測がある115円レベルの上値の重さが確認された。
115円台上昇の鍵は米金利が握っている。その米金利のトレンドは、指標データに左右されることが予想される。昨日22時30分に発表された10月の住宅着工件数は152.0万件と、市場予想の158.0万件を下回った。前月の153.0万件からも減少した。指標が発表された後、米債市場では長期金利と5年債利回りが低下基調へ転じた(チャートの赤い矢印)。
今日は11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。その結果と米金利の反応に注目しておきたい。
ドル円は、引き続き米金利の動きに振り回される展開が予想される。
米金利のチャート
・ドル円のチャートポイント
パウエルFRBの政策転換とインフレの進行を考えるならば、ドル円(USDJPY)は堅調地合いを維持する可能性が高い。目先、上値の焦点は115円のブレイクに絞られている。
一方、下値の焦点は、昨日のような反落局面での下値のポイントがどの水準なのか?この点にある。
昨日は、これまでレジスタンスとして意識されてきた114.30、114.50そして114.70の各水準をあっさりと下方ブレイクした。これらがサポートポイントへの転換に失敗したことを考えるならば、目先は113.70台まで上昇している21日EMAが相場をサポートするかどうか?この点に注目したい。113.70台は今月11日以降、サポートポイントとして意識されている水準である。
113.70レベルをも完全に下抜ける場合は113円台の維持、そして11月上旬の反落相場を止めた112.70台までの下落を想定しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドルとポンドドルの焦点
・ユーロドル(EURUSD)
昨日の東京時間に1.13をブレイクし、1.1262レベルまで下落幅が拡大したユーロドル(EURUSD)は、欧州タイム以降、買戻し優勢の展開となった。相場と移動平均線(21日/50日)のかい離がマイナス2%前後まで拡大している状況を考えるならば、短期的な調整の反発を意識しておきたい。
だが、米欧の金融政策スタンスの違いが鮮明となっている状況を考えるならば、ユーロドル反発の局面は「新たなレジスタンスの水準を探る局面」として意識しておきたい。
その候補として、目先は直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。昨日は38.2%の手前で戻りが止められた。61.8%は、今月16日にレジスタンスのポイントとして意識された経緯がある。
1.14レベルがレジスタンスとなるかどうか?この点にも注目したい。
ユーロドルのチャート
・ポンドドル(GBPUSD)
一方、ポンドドル(GBPUSD)は、10月の消費者物価指数(CPI、前年比)が4.2%まで上昇した。市場予想の3.9%を上回り、10年ぶりの高水準となった。インフレの進行と雇用指標の改善が確認されたことで、短期的にポンド相場は、利上げ期待で底堅い展開になる可能性が出てきた。
昨日の上昇で、ポンドドルは10日EMA(1.3484レベル)を大陽線で突破した。
次の焦点は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.3536レベルおよび21日EMAが推移している1.3551レベルとなろう。
一方、下値の焦点は、11月11日と12日に相場をサポートした1.3350台で変わらず。サポートポイントとして意識されている1.3400をブレイクした後、この水準がレジスタンスポイントへ転換する場合は、1.3350レベルの再トライを警戒したい。
ポンドドルのチャート
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