米ドル相場のトレンドは金利の動向次第 / ドル円とポンドドルの展望
今日のポイント:『米ドル相場は金利の動向に左右される状況となっている。ドル円とポンドドルの短期的な展望とチャートポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル相場のトレンドは金利の動向次第
12日の東京時間は、米長期金利(以下では米金利)が一時1.19%手前まで上昇した。この動向を受け、外為市場では米ドル買い優勢となった。
しかし、NYタイムに入ると一転して1.13%台まで急低下した。この動きに連動し、外為市場では米ドル売りの圧力が高まった。
昨日の米ドル相場は、米金利の動向でトレンドが左右されやすい状況にあることを示している。
そうなると、今後の外為市場を考える上で重要なことは、米金利の反転ポイントがどこなのか?この点を見極めることにある。
昨日の米金利の動きをチャートで確認すると、1.19%の水準で強い金利の低下圧力が見て取れる。この動きは、他の先進諸国の長期金利と比較して、1.19%前後の水準では米債買いの妙味が投資家に意識されやすい水準であることを示唆している。
よって今後の焦点は、米金利の反転ポイントとして1.19-1.2%レベルが意識されるかどうか?この点にあろう。
米金利の上昇がこのレベルで抑制され続けるならば、米ドル相場の上昇も限定的となろう。
米長期金利のチャート
ドル円の短期的な展望
今日のドル円も米金利にらみの展開となろう。昨日は高値104.33まで上昇する局面が見られた。しかし、米金利の低下により、昨日のレポートで指摘した短期レジスタンスライン(89日移動平均線)をトライできずに反落した。
今後、米金利の上昇が1.19-1.2%レベルで抑制される可能性が出てきたことを考えるならば、引き続き短期レジスタンスライン(89日移動平均線)の攻防がドル円の上値の焦点となろう。このラインは今日現在104.45前後で推移しているが、すぐ上の104.50および104.60にはオファーが観測されている。
ドル円のチャート①
一方、米金利の低下局面では、ドル円の下値トライを想定したい。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメントの各水準の攻防に注目したい。昨日は38.2%の水準にあたる103.70レベルで相場がサポートされた。しかし、米金利が低下基調へ戻るならば、本日はこの水準(38.20%)を下方ブレイクする展開を想定したい。
米金利の低下幅によって反転のポイントは異なってくるが、目先は61.80%の水準(103.26)までの反落を想定しておきたい。この水準をも下方ブレイクする場合は103.00のトライを想定したい。
なお、103.50と103.20にはビッドが観測され始めている。それぞれ、リトレースメント50.0%の水準(103.48)と61.80%の水準(103.26)にあたる。
ドル円のチャート②
ポンドドルの短期的な展望
昨日のレポートで取り上げたポンドドルは、大陽線で短期レジスタンスラインの突破に成功した。
ポンド売りの圧力が高まりやすい状況に変化はないが、米金利の上昇が抑制されるポイントがおぼろげながら見えてきたことで、下値の焦点はフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1.3459レベルとなる可能性が出てきた。また、リスクリバーサル(1週間)が横ばいで推移している状況も考えるならば、現時点でポンドドルが急落する可能性は低い。
ポンド売りや米金利の上昇で23.60%の水準を下方ブレイクしても、昨年12月の急落をサポートした50日MA前後ではポンドドルが反転する展開を予想する。このMAは今日現在、1.34レベルへと上昇している。
一方、上値の焦点は1.37の再トライとなろう。この水準の突破に成功する場合は、1.37台の維持を次の焦点と想定したい。
1.37台の維持にも成功する場合は、新たなレジスタンスポイントの水準を探る展開となろう。米金利が低下する局面では1.37トライを想定したい。
ポンドドルのチャート
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