さえない米雇用指標、米金利とドル円の動き / ドル円、ユーロドル、ポンドドルのチャートポイント
サマリー:「ドル円は米金利の動向に左右される状況にある。明日に米雇用統計を控える中、今日の外為市場はレンジで推移する展開が予想される。ドル円、ユーロドルそしてポンドドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
さえない米雇用指標、米金利とドル円の動き
昨日発表された8月のAPD雇用統計は37.4万人と、市場予想の61.3万人を大きく下回った。さえない雇用指標が確認された後、アメリカの長期金利(以下では米金利)には低下の圧力が強まり、1.3%を割り込む展開となった。
ドル円(USDJPY)はこの動きに追随した。調整の反落を挟みながら米国の主要な株価指数は最高値圏を維持している。それにもかかわらずドル円が米金利の低下に連動した昨日の動きは、ドル円のトレンド決定要因が米金利にあることを示唆している。
米長期金利とドル円の動向
主要通貨のポイント
・ドル円
明日は米雇用統計(8月)が発表される。今回の結果は9月のFOMC(21-22日)に大きな影響を与える可能性があるだけに市場の関心が極めて高い。このため、雇用統計の発表前に米金利が大きく動く可能性は低い。よって、今日のドル円(USDJPY)もレンジで売り買いが交錯する展開が予想される。
今日は週間の新規失業保険申請件数が発表される。ADP雇用統計に続いてさえない内容となれば、米金利の上昇圧力が抑制される可能性がある。よって、このケースでのドル円は109円後半の攻防を想定しておきたい。米株が大きく崩れない限り、109.80前後で反発するか?この点を確認したい。
雇用統計の前に米株が反落する場合は、先月31日の安値109.57レベルを視野に下落する展開を想定しておきたい。
一方、上値の焦点は短期レジスタンスラインに絞られてきた。昨日は長い上ヒゲが示現し、見事にこのラインで上昇が止められた。レジスタンスラインは今日現在、110.31レベルで推移している。
ドル円のチャート
・ユーロドル
ユーロドル(EURUSD)は米ドル安にサポートされ、ローソク足の実体で50日EMA(今日現在1.1826レベル)を上方にブレイクした。スローストキャスティクスの水準は気になるが、トレンドを重視するならば、次はリトレースメント76.4%の水準1.1851レベルを完全に突破できるかどうか?この点が焦点となろう。昨日はこのテクニカルポイントで上昇が止められた。
リトレースメント76.4%の突破にも成功する場合は、89日EMA(今日現在1.1877レベル)のトライとなるか?この点に注目したい。
一方、ユーロドルが反落する場合は、50日線がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点を確認したい。
50日線を下方ブレイクする場合は、先月31日と昨日にサポートのポイントとして意識された1.1790台の維持が焦点となろう。
ユーロドルのチャート
・ポンドドル
ポンドドル(GBPUSD)も米ドル安にサポートされる状況が続いている。しかし、対ユーロでの下落が影響し21日EMA(今日現在1.3771レベル)を突破しきれずにいる。
今日の米新規失業保険申請件数がさえない内容となれば、ポンドドルは上値トライとなる可能性がある。しかし、明日に雇用統計の発表を控えていることを考えるならば、先月31日と昨日のレジスタンスポイント1.38レベルで反落する展開を想定しておきたい。
1.38レベルをブレイクしても50日EMA(今日現在1.3819レベル)で反落する可能性がある。50日線は、先月の上旬から中旬にかけてレジスタンスラインとして意識された経緯がある。
一方、下値の焦点は短期サポートラインの維持である。このラインは今日現在、1.3745レベルで推移している。サポートラインを下方ブレイクする場合は、昨日安値1.3729レベルを維持できるかどうか?この点に注目したい。
ポンドドルのチャート
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