今週は中銀イベントに注目 最大の焦点はFOMC / ドル円の焦点

今週は中銀イベントに注目 最大の焦点はFOMC

今週は16～17日に米連邦公開市場委員会（FOMC）、18日に英中銀イベントそして19日には日銀イベントがある。市場の関心が最も高いのは、やはりFOMCである。

今回のFOMCの焦点は、米金利の上昇に対するパウエルFRBのスタンスにある。昨年後半以降の金利上昇は景気の回復を反映した動きである、というこれまでのスタンスを維持するならば、FOMC後に米金利が上昇する展開を予想する。一方、米株は上昇と下落の両方が考えられる。

金利と株式が同時に上昇する場合、資源国通貨や資源と関わりのある新興国通貨に対して米ドル安となる可能性がある。だが、現在の米金利と米ドル相場は高い順相関の関係にある。
この状況を考えるならば、FOMC後に金利が上昇するケースでは、米ドル高優勢の展開を予想する。

『米金利の上昇 / 米株安』の展開となれば、米ドルが最も選好される通貨となろう。

一方、パウエルFRBが現在の金利水準を容認しながらも、これ以上の上昇に対しては長期債の購入を増額することで対応することを表明してくる可能性がある。

このケースでは、米金利の低下圧力が高まることが予想される。よって、外為市場では米ドル安優勢の展開を予想する。

また、米金利の低下は株価や資源価格の上昇要因でもあることから、リスク性の高い資源国通貨や資源と関わりのある新興国通貨が対米ドルで最も上昇する可能性が高い。

今回のFOMCでは経済見通しのサマリーが公表される。金利政策の重要な指標となるインフレ予測の動向にも注目したい。

米金利の動向

ドル円の焦点

米金利は現在1.63％へと上昇している。一方、米国株式市場では、ハイテク株に売りが見られるものの総じて底堅さを維持している。
これらの状況を考えるならば、今週のドル円は2015年6月高値125.85を起点とした長期レジスタンスラインの攻防が引き続き焦点となろう。

今日現在、このラインは109.30レベルで推移している。月足ベースでは109.20レベルとなる。米金利の上昇と株高の局面では109.20-30ゾーンのトライと突破を意識したい。

ドル円のチャート：月足

一方、米金利が低下する局面では、ドル円はレジスタンスラインで上値が抑制される展開を想定したい。

下値の焦点は108円台の維持で変わらず。まずは今月8日以降、相場をサポートしている108.30レベルの攻防に注目したい。
この水準の下方ブレイクは108.00トライのシグナルと捉えたい。

米株高トレンドが大きく崩れる場合は108円ブレイクを想定し、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防を注視したい。

だが、ダウ平均とS&P500の底堅さを考えるならば、FOMC後に金利が上昇しても米国株式市場全体が大きく崩れる可能性は現時点では低い。

ドル円のチャート：日足