焦点はFOMC後の米金利 / ドル円の焦点
今日のポイント:『FOMC後の米長期金利の動向に注目。米金利の上昇が抑制されるならば、米ドル安の展開を予想する。ドル円のチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
焦点はFOMC後の米金利
今週の26-27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。
今月13日に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)では、大半の地区でわずかに景気が拡大した一方、2つの地区では横ばい、東海岸部のニューヨーク地区とフィラデルフィア地区は減速したと報告した。
また、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う移動の制限や店舗の営業規制の影響が出ているとも指摘した。
FOMCのたたき台となるベージュブックの内容とパウエルFRB議長が金融緩和のスタンスを崩していないことを考えるならば、今回のFOMCは現行の政策維持という結果に落ち着く可能性が高いだろう。
注目したいのは、FOMC後の米長期金利(以下では米金利)の動向である。
現在、米金利は1.19%手前で上昇が抑制される状況となっているが、政策期待を背景に現在の米金利は上昇しやすい環境にある。
しかしパウエルFRBは、上述したとおり現行の金融緩和政策を続けるスタンスを表明するだろう。よって、今回のFOMCは米金利の上昇を抑制するイベントになる、というのがベースシナリオである。
FOMC後も米金利の上昇が抑制されるならば、米ドル相場のトレンドを左右する実質金利の反発も抑制されよう。よって、FOMC後の外為市場では米ドル安優勢の展開が予想される。
米金利の動向
ドル円の焦点
FOMC後も米金利の上昇が抑制される場合、ドル円は下値をトライする展開を予想する。先週21日の安値103.31のブレイクは103.00トライのシグナルと想定したい。
また今週は、マイクロソフトやアップルといった大手ハイテク企業の決算発表が予定されている。決算内容が総じて市場予想を下回ることで米株高の調整圧力が高まれば、『米金利の低下→米ドル安』に『株高の調整→円高』の圧力までが加わることになる。
このケースでのドル円は102円台への反落を予想したい。今月6日の安値102.57レベルを維持できるかどうか?この点に注目したい。
ドル円のチャート
だが、ドル円が下落しても、そのトレンドが続く可能性は低いと予想する。
市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は上昇基調にある。通貨オプション市場の参加者は、短期的にドル円が反発する可能性を意識していることがうかがえる。
FOMCが米金利の低下圧力ではなく上昇圧力を高めるならば(例えばパウエルFRBが将来の景気回復に楽観的な見方を示すならば米金利の上昇要因となりうる)、ドル円は上値トライの展開となろう。
このケースでは、短期レジスタンスラインの攻防となるかどうか?引き続きこの点に注目したい。このラインは今週、104.24 → 104.14で推移する。また、すぐ上の水準には89日MAも推移している。このMAは今日現在、104.35レベルにある。
また、予想変動率(1週間)は低下基調にある。予想変動率は、円高が意識される局面で上昇する傾向にある。
それが低下傾向にあるということは、円高に振れてもドル円の下落幅は限定的になる可能性あることを示唆している。よって、現時点でドル円が102.00をブレイクする可能性は低いと予想する。
ドル円の短期予測
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