コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

重要イベント次第でユーロ円はさらなる上値トライも

植田日銀の緩和政策維持で円安が進行するなか、今週は欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。ECBイベントが日欧の政策スタンスの差を強く意識させる場合、ユーロ円はさらに上値をトライする展開が予想される。その場合、レジスタンスとして注目しておきたい水準は?一方、反落局面でのチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー


・円安の進行が止まらずユーロ円は一気に151円を視野に入れる展開に
・インフレ指標とECB理事会の動向次第でユーロ円はさらなる上昇も
・ユーロ円の新たなレジスタンス候補として注目しておきたい水準とは
・ユーロ円、今週の見通しとテクニカル分析について


欧州の重要イベントとユーロ円の上値トライ

最弱通貨としての日本円

4月28日の日銀金融政策決定会合では、現行の金融緩和政策の維持が決定された。外為市場は円安で反応した。

植田日銀が緩和政策を維持することは、事前に予想されていたことだった。それでも円安が進行した理由は、展望レポート(基本的見解)の慎重な物価見通し(25年度の物価見通し)や植田総裁の会見で市場が抱いていた緩和政策の修正およびそれからの転換に対する市場の思惑が大きく後退したことにある、と筆者は考えている。

4月の米ISM製造業景気指数が47.1と前月の46.3から改善し、昨日の外為市場では米ドル買いの展開となった。ドル円(USDJPY)は、先月28日の高値136.56レベルを難なく上方ブレイクすると、一気に137円台へ上昇した(高値137.54レベル)。そして下のパフォーマンスチャートが示すとおり、主要なクロス円も総じて円安優勢の展開となった。

今の外為市場では、日本円が最弱通貨の地位にあることを昨日の動きは示唆している。

円相場の動向:5月1日

円相場の動向:5月1日 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 基準日:4月28日


ECBイベント次第でユーロ円はさらなる上値トライも

今週、円相場で注目したい通貨ペアがユーロ円(EURJPY)である。

ユーロ円の動向を日足チャートで確認すると植田総裁の就任会見以降(4月10日以降)、重要なレジスタンスポイントをことごとく突破し、ユーロ円の上昇幅が拡大していることがわかる。

そして先週、日銀金融政策決定会合での金融緩和政策の維持を確認すると円安がさらに加速し、昨日は150.46レベル(4月28日高値)をあっさりと突破した。そして151円を目指す展開となっている。

これら一連の動きは、日欧の政策スタンスの差を意識していることを示している。

この状況で5月4日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。ラガルドECBが持続的な利上げスタンスを維持すれば、日欧の政策スタンスの差が強く意識されると思われる。このケースでは、ユーロ円のさらなる上値トライが予想される。

ユーロ円のチャート:日足

ユーロ円のチャート:日足 TradingView:22年10月以降

次のレジスタンスポイントは?

上で述べたとおり、ユーロ円(EURJPY)は現在、一気に151円台を視野に入れる展開となっている。

長期のトレンドを月足チャートで確認すると、2007年の3月以降、何回か152.00前後で相場がサポートされた経緯がある。さらにテクニカルの面では、2008年高値169.96レベルと2012年7月安値94.12レベルの76.4%戻しが152.06レベルにあたる。

過去の経緯とテクニカルの両面で考えるならば、今日以降ユーロ円が151円台の攻防へシフトする場合、ユーロ円は152.00を視野に上昇幅が拡大する展開が予想される。実際にユーロ円がこの展開となる場合は、152.00レベルが新たなレジスタンスの水準として意識されるかどうか?、言い換えれば152円レベルが "レジスタンス転換" となるかどうか?この点を確認したい。

ユーロ円のチャート:月足

ユーロ円のチャート:月足 TradingView:2006年以降

反落局面での焦点は?

あらためて日足チャートをみると、短期間でユーロ円(EURJPY)の上昇幅が拡大している。

そして下の4時間足チャートを確認すると、RSIやストキャスティクスでは短期的な相場の過熱感が示されている。ゆえにECB理事会がユーロ売りのイベントとなる場合は、調整の反落相場を警戒しておきたい。

このケースでの焦点は節目の150円の維持、そしてこれまでレジスタンスポイントとして意識された水準148.40レベルの “サポート転換” である。

ユーロ円の反落局面で150円を下方ブレイクしても148.40レベルで相場が反転する場合は、地合いの強さを示すシグナルとなろう。一方、148.40をも下方ブレイクする展開となれば、すでにサポートの転換が確認されている146.72レベルの攻防が焦点として浮上しよう。

なお、ECB理事会が開催される5月4日に現在の上昇トレンドを象徴する短期サポートラインが148.40台で推移する。サポートラインの維持という観点からも、ユーロ円の反落相場が進行する局面では148.40台の攻防により注目しておきたい。

ユーロ円のチャート:4時間足

ユーロ円のチャート:4時間足 TradingView:3月以降

インフレ指標とECBの政策スタンス

4月のユーロ圏消費者物価指数

今週4日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。利上げ幅については0.25%と0.5%で見解が分かれている。0.5%の利上げならば、外為市場のファースト・リアクションはユーロ買いが想定される。しかしその持続性は、ラガルド総裁が示す今後の政策スタンス次第となるだろう。

ECBの政策スタンス(利上げ政策を継続するかどうか)を左右する要因として注視すべきは、5月2日に発表される4月の消費者物価指数・速報値である。3月の消費者物価指数の伸び率は前年同月比で6.9%と、2月の8.5%から大きく低下した。しかし、米国の5.0%や日本の3.2%を大きく上回る水準にある。
一方、エネルギーと飲食料を除いたコアインフレ率は前年同月比で5.7%と上昇基調が続いている。ラガルドECB総裁は3月31日、基調的なインフレ率について依然として際立って高過ぎるとの認識を示した。

ECBは23年の物価上昇率が5.3%で高止まりすると予測しているが、実際にその可能性を示唆するデータが4月の消費者物価指数速報値で確認される場合、ラガルド総裁はインフレ抑制重視のスタンスを維持する(維持せざるを得ない)だろう。なお、4月のインフレ予想(前年同月比)は7.0%、コアのそれ(同比)は5.6%となっている。

植田日銀が現行の政策維持を決定し、かつ緩和政策の修正やそれからの脱却に対する市場の思惑が後退しているタイミングで、「ユーロ圏の根強いインフレ圧力 → ECBによる持続的な利上げスタンス」が外為市場で意識される場合、ユーロ円(EURJPY)は上で述べた152.00レベルを視野に上昇幅が拡大することが予想される。

ユーロ圏消費者物価指数の推移

ユーロ圏消費者物価指数の推移 欧州連合統計局とブルームバーグのデータをもとに作成 / 月次:2019年以降

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。