今週の米ドル相場、ボラティリティの拡大を警戒する1週間
今週の米ドル相場はボラティリティの拡大を警戒する1週間になるだろう。その理由は?注目の材料は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
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【サマリー】
・今週の米ドル相場、注目材料はパウエルFRB議長の議会証言と雇用関連の経済指標
・パウエル証言が ”タカ派” の内容となる場合は米金利の反応が焦点に
・8日以降、順次発表される雇用関連の経済指標も米ドル相場の変動要因となろう
・10日の2月雇用統計で米ドル相場は上下どちらかに大きく振れる展開が予想される
米ドル相場を動かす今週の材料
今週の外為市場、特に米ドル相場は上下に大きく振れる展開が予想される。米ドル相場のトレンドに影響を与える米債市場が現在、連邦準備制度理事会(FRB)の高官達の言動と経済指標の内容で上下に振れる不安定な状況にあるからだ。
パウエルFRB議長は7日から8日にかけて、半期に一度金融政策を巡る上下両議会での証言に臨む。現時点で次回の連邦公開市場委員会(FOMC、3月21~22日開催)まで同議長が発言する場は設けられていない。よって、今週の議会証言に対する各市場の参加者の注目度は高い。
また今週8日以降、米雇用関連の経済指標が順次発表される。これらの内容により、米債市場では利回りが上下に大きく振れる展開が予想される。その動きに連動し、米ドル相場も上下に大きく振れる展開が予想される。
今週前半の前半の焦点はパウエル証言と米金利の反応
1月の米物価指標では、インフレ圧力の根強さを示唆する内容が続いた。
前回の連邦公開市場委員会(FOMC、1月31日~2月1日開催)後に入手した新たなインフレデータの強い内容を受けて、パウエルFRB議長が議会証言でどのような発言をするのか?今週前半はこの点が焦点となろう。
インフレ圧力の根強さが具体的な経済指標で確認されたことを考えるならば、同議長はあらためてインフレ抑制重視の姿勢を示すことが予想される。同時に、政策金利(FFレート)の水準を引き上げるメッセージを発信する可能性もある。
パウエルFRB議長の証言が ”タカ派の内容” となる場合、米債市場がどのような反応を示すのか?この点に注目したい。
インフレリスクが再燃している状況を考えるならば、タカ派の言動は米金利の上昇要因である。しかし、2月の金利上昇で米債市場は政策金利のターミナルレートが切り上がる可能性、そして利上げが長期に渡る可能性をかなり織り込んでいる。ゆえに、タカ派のパウエル証言に対して米債市場の反応が薄い場合、または金利が低下で反応する場合は、“3月2日の水準が天井だった“ との思惑が外為市場で高まる可能性がある。このケースでは、米ドル安の展開を想定しておきたい。
一方、タカ派のパウエル証言に対して米金利が素直に上昇で反応する場合は、米国株も下落するだろう。この状況は、外為市場で最も米ドル高の圧力が高まりやすい。
アメリカ金利のチャート
今週の半ば以降は米雇用関連の指標が焦点に
今週の半ば以降は、米雇用関連の経済指標で米金利と米ドル相場が上下に振れる展開が予想される。8日に2月ADP雇用統計、9日に1月JOLTS求人件数と週間の新規失業保険申請件数、そして10日に2月雇用統計が順次発表される。
各市場の参加者が最も注目しているのが、2月雇用統計である。インフレのリスクが再燃している状況で、賃金の上昇を伴う雇用市場のひっ迫した状況が確認される場合は、米金利の上昇を予想する。上で述べたパウエル証言が “タカ派“ と米債市場で受け止められ、かつ2月雇用統計が総じて強い内容となれば、米株の下落または急落が予想される。外為市場では、米ドル高が進行するだろう。
一方、2月雇用統計が総じて予想を下回る場合、米金利は低下し米株は上昇することが予想される。米国市場がこの展開となれば、外為市場では米ドル安の圧力が最も高まりやすい。
2月アメリカ雇用統計の予想
非農業部門雇用者数変化と失業率の推移
平均時給の推移
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