コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

今週の注目材料とドル円の展望について

今週は、米連邦政府の債務上限問題を巡る再協議の行方や4月の米PCEデフレーターが米金利と米ドル相場の変動要因となろう。今週のドル円の展望は?注目のテクニカルポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今週のユーロドルの展望についてはこちらのレポートをご覧ください


サマリー

・今週の注目材料は債務上限問題を巡る協議の行方と米PCEデフレーター
・米追加利上げで揺れる市場の思惑、週の前半はFRBの要人発言にも注目
・今週のドル円の展望および注目のテクニカルポイントについて


今週の注目材料

債務上限問題を巡る再協議の行方

米連邦政府債務の上限引き上げを巡る協議が難航している。歳出削減を巡り民主党と共和党の溝が埋まらず、先週19日に開かれた再協議では進展が見られなかった。

事態の打開に向けバイデン米大統領とマッカーシー米下院議長が22日、再協議を行うとの報道がある。マッカーシー氏によれば、債務上限の議会承認を得るためには上院で7日程度、下院で4日程度の日数が必要になる。債務不履行(デフォルト)の可能性が指摘されている6月1日を「Xデー」と想定する場合、今週前半が協議の山場となる。

22日の再協議で進展が見られる場合は、リスク選好相場(株高や国際商品市況の上昇)の要因となろう。ゆえに外為市場では、円売りの圧力が高まることが予想される。

一方、再協議が難航する場合だが、先週19日の米ドル相場の動きを考えるならば米ドル安を想定しておきたい。また、リスク回避相場(株安や国際商品市況の下落)を受け円高圧力が高まることも予想される。後者のケースでは、ドル円(USDJPY)の下落幅が拡大する展開が予想される。

インフレの動向

連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は19日、政策金利の水準について、金融システム不安を理由にそれほど高水準に引き上げる必要はないかもしれないとの見解を示した。

これまでパウエルFRBはインフレ抑制重視の姿勢を維持し、10会合連続で利上げを行ってきた(政策金利は5.00-5.25%まで引き上げられた)。しかし上述のパウエル発言は、今後の政策判断についてインフレのリスクだけでなく金融システム不安とその影響にも目配りする立場に追い込またパウエルFRBの苦しい状況を示唆している。

6月13-14日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では、追加利上げか?利上げ停止か?を巡り、きわどい議論と決定がなされることが予想される。

その政策判断を左右する要因の一つとして今週注目したいのが、26日の4月個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)である。前月比の予想は0.3%と、3月の0.1%から上昇する見通しである。前年比も4.2%から4.3%へ上昇する予想となっている。

一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレーターは、前月比と前年比でともに3月から横ばい推移の予想となっている。インフレの低下を阻んでいる要因のひとつがサービス価格の高止まりだが、3月は前年比で5.5%と前月の5.8%から低下した。サービス価格の低下が続けばインフレ圧力の後退につながろう。

PCEデフレーターが総じて予想以下となれば、6月FOMCでの利上げ停止に対する市場の観測が高まることで、外為市場では米ドル安の展開が想定される。

一方、PCEデフレーターが予想外に上昇する場合、特にコアデフレーターが予想外に上昇する場合は、インフレ圧力の根強さを示すかたちとなる。ゆえに、FRBの追加利上げの可能性が意識されることで、米金利の上昇と米国株の下落が予想される。この展開となれば、外為市場では米ドル買いの圧力が高まるだろう。

PCEデフレーターの推移

米国PCEデフレーターの推移 米商務省のデータをもとに作成 / 月次:2022年9月以降

FRBの要人発言

今週前半は、FRBの要人による討論会への参加や講演が予定されている。本日は、セントルイス連銀のブラード総裁が経済と金融政策に関する討論会に参加する。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁とアトランタ連銀のボスティック総裁がリッチモンド連銀主催のイベントに参加する。

ブラード総裁は18日、インフレ抑制のため一段の利上げを支持すると表明した(英紙フィナンシャル・タイムズ)。ボスティック総裁は15日、24年まで利下げを検討することはないと述べた(米経済専門局CNBCのインタビュー)。バーキン総裁も16日、インフレ抑制のために必要であればさらなる利上げの必要性について言及した(ブルームバーグテレビジョンのインタビュー)。

パウエルFRB議長は利上げ停止のシグナルを送ってきた。しかし、他のFRBメンバーからタカ派の発言が相次げば、米ドル相場のサポート要因となり得る。

なお、先週は一時40%台まで上昇する局面が見られた6月FOMCの利上げ確率だが、現在は10%台まで低下している。

6月FOMCの利上げ確率

6月FOMCの利上げ確率 FEDウォッチツールのデータをもとに作成 / 5月22日6時時点

ドル円の展望とテクニカルポイントについて

今週は上下に大きく振れる展開が予想される

139円を視野に上昇トレンドにあるドル円(USDJPY)だが、今週は上で述べた材料で上下に大きく振れる展開を想定しておきたい。

週明けのドル円は、米債務上限問題を巡るニュースが材料視されると思われる。合意に向けて再協議に進展が見られる場合は、リスク選好相場によるドル円の上昇を想定しておきたい。このケースでの注目ポイントは、先週18日の高値138.75レベルの突破となろう。これを達成する場合は、139円を視野にドル円の上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。

一方、上で述べた注目材料が米ドル売りまたは円高の要因となる場合は、ドル円の反落相場が進行するだろう。このケースでは、先週19日の下落局面で相場をサポートした137円ミドルの維持が焦点となろう。米金利の低下と株安が同時に発生する場合は、137円ミドルの下方ブレイクと200日MAのトライを想定しておきたい。

ドル円が200日MAをも下抜ける展開となれば、今月3日の高値136.57(136.60レベル)のサポート転換が焦点として浮上しよう。この水準は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%にあたる。

テクニカルの面でも重要な136.60レベルをも下方ブレイクする場合は、ドル円の反落相場がさらに進行する展開を想定し、21日MAおよびフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準135.27レベルの攻防となるか?この点に注目したい。特に38.2%の水準は、5月上旬にレジスタンスとして意識された経緯がある。ゆえに、136.60レベルと同じくサポート転換となるかどうか?この点に注目したい。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 TradingViewの日足:23年3月以降


なお、ドル円のリスクリバーサルには大きな変動が見られない。予想変動率も10%台と低水準での推移が続いている。しかし、後者の方ではにわかに上昇ムードが漂う。

過去、予想変動率が上昇している局面ではドル円が下落するパターンが散見されている。今月11日に反発相場へ転じて以降、ドル円は2.6%も上昇している。ゆえにドル円で調整の反落相場が進行する場合は、上で述べたサポートポイントの下方ブレイクを警戒しておきたい。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率の推移

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率の推移 日足:年初来 / 1M:1ヶ月, 3M:3ヶ月

ドル円の上昇トレンドが続くシグナルとは?

ドル円(USDJPY)の週足チャートを確認すると、ローソク足の実体ベースで138円台の維持に失敗している。ゆえに、さらなる上値トライの確証を得るためには、18日の高値138.75レベルの突破のみならず、今週26日(金)のNYクローズ時点で138円台を維持できるかどうか?この点にも注目したい。

ドル円が138円台での底固めに成功し139円台の攻防へシフトする場合、最初の焦点は22年の最高値151.94レベルと23年1月安値127.22レベルの半値戻しの水準139.58(139.60レベル)のトライおよびブレイクに成功するか?この点となろう。この水準は、昨年の11月下旬に相場の戻りを止めた経緯がある。

ドル円が半値戻しの水準(139.60レベル)をも完全に突破する場合は、節目の140.00を視野に上昇幅がさらに拡大するシグナルと想定しておきたい。

ドル円のチャート:週足

ドル円のチャート:週足 TradingViewの週足:22年8月以降

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。