バフェット氏が日本の大手商社5社へ出資額を増やし、株価が上昇

ウォーレン・バフェット氏が会長兼CEOを務めるバークシャー・ハサウェイは、日本の大手商社5社への出資額を7.4％に引き上げた。これにより、4月第3週に日本の大手商社の株価が上昇した。4月11日の日本経済新聞のインタビューで、バフェット氏はこの投資について「非常に誇りに思っている」と述べた。

また、4月10日に「住友金属鉱山は2028年にも電気自動車（EV）用電池などに使うレアメタル（希少金属）のリチウム生産を始める」と日本経済新聞電子版が報じたことで住友金属鉱山（5713）の株価も上昇した。

米国では、4月12日の消費者物価指数（CPI）発表に、トレーダーや投資家の注目が集まっている。予想では、同指数が2月の前年同月比6％から、3月は前年同月比5.2％になるだろうとされている。

バフェット氏が日本株への投資を表明したというニュースを受け、4月第3週の日経平均株価は好調に推移している。同指数は4月7日に27,518円をつけたが、4月12日の終値は28,082円となった。

4月12日、米ドル／円相場は133円前後で取引されている。

バフェット氏の発言を受け、商社の株価が急上昇

トレーダーにとって、日本の商社はやや魅力の乏しいイメージがあったが、その意識は変わりつつあるようだ。ウォーレン・バフェット氏が会長兼CEOを務めるバークシャー・ハサウェイは、2020年に日本の大手商社5社にそれぞれ投資し、2022年にはその出資額を増やした。同社が再び商社への出資を増やしたことを受け、各商社の株価はさらに上昇した。

商社5社の中には、伊藤忠商事（8001）、丸紅（8002）、三菱商事（8058）、三井物産（8031）、住友商事（8053）が含まれる。バフェット氏のインタビューを受け、4月11日に各商社の株価は2.08%から最大で4.55%上昇した。翌日12日にも株価は上昇を続けている。例えば、丸紅の株価は4月10日に1,768円50銭で引け、その後2日間で約7.7％上昇して12日の終値は1,904円となった。

各商社はいずれも輸出入を中心とした多角的なビジネスを展開し、エネルギー、鉱業から食品、自動車、ヘルスケアに至るまで、さまざまな業界を網羅する。例えば、丸紅は、生活産業グループ、素材生産グループ、エナジー・インフラソリューショングループ、社会産業・金融グループに分けられる。

バフェット氏はまた、商社の高配当と自社株買いに魅力を感じているようで、「自社株買いを行うのであれば、それは一般的に利益が見込める。つまり、株数が減少することを好機と捉えている」と述べた。

2023年に中国経済が再開し始めたことも、商社にとってさらなる追い風となるだろう。大手商社5社の株価は、年初来で4.3%から最大25.7%まで上昇している。

リチウムの生産時期発表で、住友金属鉱山の株価が上昇

住友金属鉱山は、早ければ2028年にリチウムの生産を開始すると発表し、4月第3週の週明けから好調に推移している。同社は、塩水からリチウムを抽出する技術を独自に開発している模様だ。リチウムは、世界的に普及が加速しているEV用の電池に使用されている。

同社の株価は4月7日の終値5,016円から4月11日には5,222円まで上昇し、翌12日には5,183円で取引を終えた。

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