米CPI、8月総合は原油高で再加速予想 13日発表 コア低下か
アメリカの8月のCPIは原油高で総合指数が大きく伸びる予想。円安ドル高やS&P500の下落を招く可能性がある。
アメリカで13日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)は原油高の影響に揺れそうだ。総合指数の伸び率は前年同月比3.6%と予想され、2か月連続で伸び率が拡大する見通し。一方、食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は減速が見込まれている。総合指数の伸びが予想されるのは、原油高でガソリン価格が上昇しているため。金融市場ではこのところ、原油高による物価上昇が米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を高止まりさせる要因になるとして円安ドル高や株安を招いており、8月のCPIの結果が相場を動かす可能性がある。
アメリカの8月CPIは総合指数が3.2%上昇の予想
8月のCPIはアメリカの労働省が13日午前8時30分(日本時間13日午後9時30分)に発表する。ロイター通信のエコノミスト調査によると、総合指数の伸び率は7月の3.2%から上昇する見通し。6月(3.0%)から2か月連続で物価上昇が加速することになる。一方、コア指数の伸び率は4.3%と見込まれ、7月の4.7%から減速する見込みだ。
総合指数の上昇予想はガソリン価格の値上がりが要因。米エネルギー情報局(EIA)によると、米国のレギュラーガソリンの8月28時点での平均価格は3.813ドルで、7月24日段階からから6.0%上昇。EIAはサウジアラビアによる減産や米国のガソリン在庫の減少、米国北東部の製油所が整備のために休止すると公表されたことを、ガソリン価格上昇の理由として挙げている。
原油高が金利の先高観を招く
このところの金融市場は、ガソリン高の背景にある原油高を材料視してきた。金融情報会社リフィニティブのデータによると、原油の指標価格であるニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI先物価格(翌月渡し)の8日の終値は1バレル=87.51ドルで、8月末比で3.88ドル高。原油高が物価上昇につながれば、物価上昇率2%を目標とするFRBが政策金利を高止まりさせる可能性が増すとの見方が広がっている。ニューヨーク債券市場の8日の長期金利(10年物米国債利回り)の終値は4.256%で、8月末より0.165ポイント上昇している。
米国の金利の先高感はドル円相場(USD/JPY)を円安ドル高に動かす。8日のニューヨーク市場の終値は1ドル=147.81円で、8月末比で2.28円の円安ドル高。また株式市場では、金利高が株式の投資先としての相対的な魅力を薄れさせるとの観測から、S&P500種株価指数(SPX)の8日の終値が8月末比で1.1%安となっている。
CPIのコア指数の落ち着きは好材料
一方、FRBは物価上昇の基調を判断する材料としてコア指数を重視している。食品やエネルギーは価格変動が大きくなりがちだからだ。このため、8月のCPIで総合指数の上昇加速が確認されても、FRBはコア指数の落ち着きを踏まえて、金融政策の筋書きを大きく変更しない可能性もある。
ただしFRBの物価上昇抑制に向けた意欲は強い。コア指数の伸び率が予想通りに4.3%に下がったとしても、2%目標を大きく上回る厳しい状況であることに変わりはなく、米国の金利水準は今後も高止まりすることが想定されそうだ。
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