米債務上限停止法案が下院本会議へ 31日にも審議開始 Xデー近づく
米国の債務上限一時停止法案が下院委員会を通過した。多数派の共和党から造反が出ており、下院本会議での審議が注目される。
米国の債務上限を一時的に停止する法案の下院本会議での審議が早ければ31日に始まる見通しとなった。ただ、法案が30日に下院委員会を通過した際、共和党議員の一部が反対票を投じており、共和党内は一枚岩にはなり切れていない。下院を通過した場合でも上院での審議が滞る可能性もあり、ジャネット・イエレン財務長官が米国債の債務不履行の可能性を警告した6月5日のXデーに向けてギリギリの調整が続く。
下院本会議通過には両党の協力が必要
法案は30日夜(日本時間31日午前)、下院議事規則委員会を通過し、下院本会議に送られた。ただし委員会での採決では9人の共和党議員のうち2人が反対票を投じ、4人の民主党議員も反対に回った。一方、賛否を保留していた3人目の共和党議員が賛成票を投じた結果、賛成7対反対6という僅差での通過が実現した。
本会議での審議は早ければ31日に始まる。下院は多数派の共和党が222議席を占め、対する民主党が213議席を持っている。法案可決には218票が必要だが、議案の内容に反発する共和党議員の存在を考えれば、両党の協力が不可欠な状況となっている。
米政治メディアのポリティコによると、共和党指導部筋は民主党から100人以上の賛成が得られるとの見通しを示した。一方、民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務は30日の記者会見で、共和党は共和党議員の3分の2が賛成表を投じることを約束していると明かしたという。双方の見立て通りであれば、法案は250票近い賛成で下院を通過することになる。この場合、上院での審議は6月1日にも始まる可能性がある。
共和党上院議員が議案修正の機会を要求
ただ、下院を通過したとしても、上院の審議に時間がかかるおそれもある。上院は多数派の民主党が51議席、共和党が49議席という勢力が拮抗する状態。上院での議事進行には60票が必要なため、やはり双方が十分な賛成を確保する必要がある。
米ウォールストリート・ジャーナルによると、共和党のマイク・リー上院議員とランド・ポール上院議員は議案修正の機会を設けるべきだと主張した。ポール氏は修正機会が得られないのであれば上院通過が6日以降になる可能性を示唆。ポール氏が求める修正条項が上院で可決される可能性がなかったとしても、修正条項を示すことで「私自身と多くの保守層の意見を表明したい」と述べたという。
ジョー・バイデン大統領(民主党)とケビン・マッカーシー下院議長(共和党)が合意した法案は債務上限の効力を2025年1月まで停止する内容。ホワイトハウスによると、2024会計年度(2023年10月-2024年9月)の国防費を除いた歳出規模を2023会計年度並みとし、2025会計年度は国防費を除いた歳出規模と国防費をそれぞれ1%増やすことなどが盛り込まれているという。
イエレン氏は26日付のマッカーシー氏あての書簡で、米国債の債務不履行(デフォルト)回避のためには、「6月5日までに議会が債務上限を引き上げるか停止する」ことが必要だと警告している。法案の審議状況は金融市場の動向にも影響を与えそうだ。
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