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【ドル円 (USD/JPY)】変動要因は米雇用統計 / 50日線のブレイクと下値トライを警戒

外為市場では現在、米ドル安と円高が同時に進行する状況にある。今日は、2月の米雇用統計が発表される。労働市場の軟化を示す内容となれば、ドル円(USD/JPY)はさらに下値をトライする展開が予想される。注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・外為市場では現在、米ドル安と円高が同時に進行する状況にある
・今日は、2月の米雇用統計が米債市場と米ドル相場の変動要因となろう
・ドル円が50日線を完全に下方ブレイクする場合は、下落幅の拡大を警戒したい
・ドル円の反発局面では、149.00レベルの攻防に注目したい


7日の外為市場:米ドル安と円高が同時に進行

7日の米債市場では利回りの低下基調が続き、外為市場では米ドル安が進行した。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)のモメンタムは弱気相場の勢いが次第に強まっていることを示唆している(下の日足チャート、赤矢印を参照)。

103.00レベルでのサポート転換に失敗した状況は、米ドル高トレンドの転換シグナルが、また一つ点灯したことになる。

ドルインデックスのチャート:日足 23年10月以降

ドルインデックスのチャート:日足 23年10月以降 TradingView提供のチャートで作成


一方、この日は円高も進行した。3月の金融政策決定会合で日銀がマイナス金利の解除など、金融政策の正常化に踏み切る可能性が意識されたことが円高の要因となった。

円相場の動向:3月7日

円相場の動向:3月7日 ブルームバーグのデータで作成

今日の注目材料:2月の米雇用統計

「米金利の低下→米ドル安」が進行しているタイミングで、今日は2月の米雇用統計が発表される。

ISM指数(製造業および非製造業)の雇用指数と1月JOLTS求人件数は労働市場の軟化を示唆する内容となった。新規失業保険申請件数は横ばいの21.7万件だったが、失業保険継続受給者数は189.8万件から190.6万件と小幅に増加した。

2月の雇用統計でも労働市場の軟化を示す内容が確認される場合は、「米金利の低下→米ドル安」のトレンドがさらに進行することが予想される。

ドルインデックス(DXY)は、半値戻しの水準102.80レベルを下方ブレイクし、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準102.28レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。

一方、2月の雇用統計で労働市場の堅調さが確認される場合は、「米金利の反発→米ドルの買い戻し」の展開が予想される。

しかし、現在の外為市場は連邦準備制度理事会(FRB)の慎重な政策姿勢よりも、その先の利下げ政策への転換を意識する状況へシフトしている。

ゆえに、2月の米雇用統計が米ドルの買戻し要因となっても、上昇幅は限定的となることが予想される。特に対円では上昇幅が抑制される可能性がある。

米国の雇用統計 各項目の動向:23年以降

米国の雇用統計 各項目の動向:23年以降 ブルームバーグのデータで作成

ドル円:今日の見通しとチャートポイント

50日線の下方ブレイクとさらなる下値トライを警戒
ドル円(USD/JPY)は昨日、IG為替レポートで注目している50日線を下方ブレイクする局面が見られた。

日足ローソク足の実体ベースではかろうじてこの移動平均線を維持したが、上で述べたとおり現在の外為市場では米ドル安と円高が同時に進行している。

モメンタムも弱気相場の勢いが強まっていることを示唆している。本日の東京時間序盤から50日線を再びトライする状況にあることを考えるならば、今日のドル円も下値のトライを意識したい。

ドル円のチャート:日足 23年11月以降

ドル円のチャート:日足 23年11月以降 TradingView提供のチャートで作成


本日、ドル円が下値をトライするきっかけとなり得るのが、2月の米雇用統計である。労働市場の軟化を示す内容となれば、50日線を完全に下方ブレイクする展開が予想される。

このケースでは、サポート転換が確認されている146.00レベルを視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう(上の日足チャートを参照)。

ドル円が146.00レベルをトライするシグナルとして、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準146.82レベルの攻防に注目したい(上の日足チャートを参照)。



149.00レベルのレジスタンス転換
日足のストキャスティクスは、売られ過ぎの水準まで低下している。RSIもその水準付近で推移している(上の日足チャート、赤矢印を参照)。

2月の米雇用統計で労働市場の堅調さが確認される場合は、「米金利の反発→米ドルの買戻し→ドル円の反発」を想定しておきたい。

しかし現在は、日銀の金融政策正常化に対する思惑で円高へ振れやすい状況にある。ゆえに、ドル円(USD/JPY)が反発しても、上昇幅は限定的となる可能性があろう。

ドル円の反発局面で注目したいのが、149.00レベルのレジスタンス転換である。この水準は、直近高安の半値戻しにあたる(149.07レベル、下の1時間足チャートを参照)。

ドル円が149.00レベルをトライするシグナルとして、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準148.28レベルと38.2%の水準148.72レベルの攻防に注目したい。

特に前者の23.6%水準は、昨日のNY時間に相場の戻りを止めた経緯がある(下の1時間足チャート、黒矢印を参照)。

分足や時間足のストキャスティクスとRSIでトレンドを追い、ドル円が上で述べたレジスタンスポイントをトライする局面でこれらオシレーター指標が買われ過ぎの水準へ上昇している場合は、相場の反落を想定しておきたい。

ドル円のチャート:1時間足 3月4日以降

ドル円のチャート:1時間足 3月4日以降 TradingView提供のチャートで作成

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