米ドル買いが勢いづくためには新たな材料が必要
今の米ドル買いには勢いが見られない。米ドル買いが勢いづくためには「強い経済指標」が必要である。ドル円とユーロ円は引き続き上値の重い展開が続くことが予想される。目先のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートにて。
米ドル買いが勢いづくためには新たな材料が必要
【サマリー】
・予想どおり今の米ドル買いには勢いが見られない
・米ドル買いが勢いづくためには新たな材料-「強い経済指標」が必要
・目先は明日の11月PPIと12月ミシガン消費者信頼感指数速報値が焦点に
・ドル円とユーロ円の展望およびチャートポイントについて
米ドル買いが勢いづくためには新たな材料が必要
7日の外為市場は米ドル売り優勢の展開となった。
昨日のレポートで指摘したとおり、今の米ドル買いには勢いが見られない。米ドル買いが勢いづくためには、新たな材料が必要だろう。目先、その材料として注目すべきは、「強い経済指標」である。
米ドル相場のパフォーマンス:12月7日
米金融引き締め(利上げ政策)の焦点は、ペースから期間と水準へシフトしている。ゆえに12月の連邦公開市場委員会(FOMC)では50ベーシスポイントの利上げが予想されているが(利上げペースの減速が予想されているが)、FOMC前に米金利の反発と米ドル買いが見られたことを考えるならば、利上げペースの減速について市場はある程度織り込んでいる。
明日は11月の生産者物価指数(PPI)と12月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が発表される。後者の指標では、期待インフレ率が材料視される可能性がある。これら経済指標が総じて予想以上となれば、米金利の反発要因となり得る。ゆえに「強い経済指標」は、米ドル買いを勢いづかせる要因となろう。
逆に、これら経済指標が総じて予想以下となる場合、特にPPIでインフレの低下トレンドが確認される場合は、「米金利の低下→米ドル安」を想定しておきたい。
生産者物価指数とミシガン大学期待インフレ率の推移
ドル円は138円の攻防が焦点に
138.00の “レジスタンス転換”
米ドル買いに勢いがないため、ドル円(USDJPY)の上昇幅も限定的となっている。
昨日、レジスタンスとして意識されたのが138.00レベルだった(高値137.86レベル)。昨日の動き(138円手前での反落)は、7日のレポートで指摘した138.00レベルの “レジスタンス転換” の可能性を示唆している。
現在の米ドル相場が明日の経済指標待ちの状況であることを考えるならば、それらの内容が確認されるまでドル円の上昇局面では、138.00レベルで反落する展開を想定しておきたい。
なお、142.25レベルを起点とした短期レジスタンスが今日現在、137円後半で推移している。米ドル買いに勢いがないことを考えるならば、このレジスタンスラインが138円のトライを阻む展開も想定しておきたい。
一方、ドル円が下落する局面での焦点は、136円台の維持である。6日と7日の相場ではこれに成功した。
136円レベルが “サポート転換” に成功する場合は、上で述べたレジスタンスポイントをトライする状況が続くと予想する。
逆にドル円が136円台をあっさりと下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。6日以降、38.2%の水準136.24レベルがサポートポイントとして意識されている。
ドル円のチャート
ユーロ円は2つの移動平均線を意識する状況に
50日線で上昇が止められる
ドル円の動きに影響を受けているユーロ円(EURJPY)は現在、2つの移動平均線での攻防を意識する状況となっている。
一つは、このレポートで何度も取り上げてきた21日線である。EMAは144.00レベル、MAは144.05レベルでそれぞれ推移している。昨日の相場では、21日線を一時的に上方ブレイクする局面が見られた。
その上昇を止めたのが、50日線(MA/144.63レベル)である。今年8月の下旬以降、相場がこの移動平均線を下抜けると反発するトレンドパターンが見られる。
その50日線がレジスタンスへ転換する可能性が出てきたこと、7日の日足ローソク足で長い上ヒゲが示現したこと、モメンタムがゼロライン以下で再び低下基調へ転じていること、さらにドル円が138円手前で反落した状況(上昇に勢いがない状況)も考えるならば、ユーロ円が上昇する局面では21日線または50日線で反落する展開を想定しておきたい。
一方、ユーロ円の下落局面では、143円台の維持が目先の焦点となろう。サポートとして意識される局面が見られる143.10のブレイクは、143.00トライのシグナルと想定しておきたい。
ユーロ円のチャート
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