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ドル円の見通し:今週は米経済指標にらみ、ISMと雇用統計に注目、来週は日銀会合を意識した円高を警戒

今週のドル円は経済指標にらみの展開が予想される。予想レンジと注目のテクニカルラインについて。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の概要

今週のドル円(USD/JPY)は、米経済指標にらみの展開となろう。注目の指標はISM非製造業景気指数と雇用統計。予想レンジは155.00-158.20。来週以降は日銀会合を意識した展開が予想される。追加の利上げ期待を高める情報が流れる可能性あり。突発的な円高を警戒したい。


目次


昨年の円は対米ドルで10%下落、今週は米経済指標にらみの展開に

2023年に続き2024年の外為市場でも円安が進行した。対G10通貨の騰落率を確認すると、米ドルで10%下落した(円安となった)。引き続き円安優勢の状況が続くのか?今週その鍵を握るのが米経済指標となろう。特に下で取り上げる重要指標が総じて市場の予想を上回る場合、ドル円(USD/JPY)は強気相場を維持することが予想される。

2024年 円相場の騰落率:対G10通貨

2024年 円相場の騰落率:対G10通貨

出所:ブルームバーグの為替データ

来週は日銀会合を意識した円高を警戒

来週以降は、日銀会合にらみの展開が予想される。今月9日に日銀の支店長会議が開かれる。14日には氷見野良三副総裁が横浜市で金融経済懇談会に出席し、同日の午後に記者会見に臨む。いずれも23日-24日に開かれる金融政策決定会合の前ということもあり、追加の利上げ期待を高める言動や報道があれば国内の金利に上昇の圧力が高まり、膠着状態にある日米の金利差が縮小しよう。金利差の縮小は円高の要因となろう。

日米の金利差:日足 2024年7月以降

日米の金利差:日足 2024年7月以降

出所:ブルームバーグ

ドル円の週間予想レンジ、注目指標はISM非製造業景気指数と雇用統計

今週のドル円(USD/JPY)は米経済指標で上下に振れる展開が予想される。注目の指標は7日のISM非製造業景気指数(昨年12月分)と10日の雇用統計(同)となろう。ベースシナリオの予想レンジは155.00-158.20。米経済指標の内容次第では、レンジのブレイクを想定しておきたい。

ISM非製造業景気指数
現在の米債市場は、経済指標にらみの状況にある。先週3日のISM製造業景気(昨年12月分)は49.3と予想の48.2を上回り、昨年3月以来の高水準となった。強い経済指標に米金利は上昇で反応した。

今週7日にISM非製造業景気指数(昨年12月分)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想は53.5と、昨年11月の52.1を上回る見込みである。先行指標である新規受注と雇用にも注目したい。これら指数の上昇により総合指数が市場予想を上回れば、米金利の上昇要因となろう。米金利の上昇は米ドル高の要因となろう。

ISM非製造業景気指数:月次 2023年12月以降

ISM非製造業景気指数:月次 2023年12月以降

出所:ブルームバーグ

雇用統計
今週は雇用関連の経済指標が多く発表される。注目は10日の雇用統計(昨年12月分)である。ブルームバーグがまとめた市場予想は、非農業部門雇用者数変化が前月比で16万人増、失業率は4.2%で昨年11月から横ばいの見通しにある。平均時給も前年同月比で4.0%と高止まりする見込みである。

雇用統計で労働市場の底堅さが確認される場合、米金利は上昇で反応することが予想される。米金利の上昇は米ドル高の要因となろう。ISM非製造業景気指数も予想以上となれば、ドル円は予想レンジの上限158.20のトライと上方ブレイクを想定したい。雇用統計前に158.20をすでに上方ブレイクしている場合は、159.00が視野に入ろう。

一方、市場予想を下回る内容が続けば米金利の低下による米ドル安だけでなく、景気不安を意識した米株安による円高も予想される。このケースでは、予想レンジの下限155.00のトライと下方ブレイクを警戒したい。

米国の雇用統計 各項目:月次 2023年12月以降

米国の雇用統計 各項目:月次 2023年12月以降

出所:ブルームバーグ


ドル円、今週注目のテクニカルライン

今週のレジスタンスライン
今週の米経済指標が米ドル高の要因となれば、ドル円(USD/JPY)は3つのレジスタンスラインの攻防に注目したい。

まずは、現在レジスタンスラインとして意識されているフィボナッチ・エクステンション76.4%の水準157.78である。このテクニカルラインの突破は、158.00をトライするサインとなろう。

ドル円が158円台へ上昇する場合は3つ目のレジスタンスラインであるフィボナッチ・エクステンション100%の水準158.20レベルの攻防となろう。このテクニカルラインをも完全に突破すれば、159円を視野に上昇幅の拡大を予想する。また、158円前後がサポートラインへ転換する場合も、159円をトライするサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・159.00:レジスタンスライン
・158.20:フィボナッチ・エクステンション100%、予想レンジの上限(30分足)
・158.00:レジスタンスライン(30分足)
・157.78:フィボナッチ・エクステンション76.4%(30分足)

今週のサポートライン
日足のMACDはデッドクロスへ転じるムードにある。モメンタムはゼロラインをかろうじて上回っているが、強気相場の勢いには陰りが見え始めている。この状況で今週の経済指標が米ドル安の要因となれば、ドル円はサポートラインとして意識されている156.00をトライすることが予想される。

予想を下回る米経済指標が相次げば、155円台への下落を想定しておきたい。フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準155.85レベルは21日線をトライするサインとなろう。21日線の下方ブレイクは、155.00トライのサインと捉えたい。

来週以降は日銀に関する観測報道が見られるだろう。内容次第では突発的な円高の要因となる可能性がある。今週のドル円が155.00を下方ブレイクして終える場合、来週以降は短期サポートラインの維持が焦点に浮上する展開が予想される(日足チャート)。

サポートライン
・156.00:サポートライン(30分足)
・155.85:フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準(日足)
・155.27:21日線(日足、1/3時点)
・155.00:予想レンジの下限(日足)


ドル円のチャート

日足:2024年9月以降

日足:2024年9月以降

出所:TradingView

30分足:2024年12月31日~2025年1月3日

30分足:2024年12月31日~2025年1月3日

出所:TradingView


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