米実質金利がプラス圏へそしてドルインデックスは100ポイント台の攻防へ / ドル円とユーロ円の焦点
米長期金利は節目の3%を視野に上昇トレンドを維持。10年の実質金利は20年3月下旬以来となるプラス圏へ浮上。高まる米ドル高の圧力。ドル円は130円台乗せが視野に。ユーロ円もこの動きに追随するか?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米実質金利がプラス圏へそしてドルインデックスは100ポイント台の攻防へ
【サマリー】
・米長期金利は節目の3%を目指す展開に
・米実質金利はプラス圏へ浮上し、ドルインデックスは100ポイント台の攻防へシフト
・ドル円は130円台乗せが視野に
・ドル円の上昇に連動し、ユーロ円は140円台乗せが焦点に
・米実質金利がプラス圏へ浮上
19日の米国債券市場では、長期金利(10年債利回り)が2.948%まで上昇し、節目の3%をトライするムードが高まってきた。
注目すべきは、長期金利の上昇に連動し実質金利(10年)がついにマイナス圏から脱したことだ。実質金利がプラス圏となるのは、2020年3月下旬以来となる。
米実質金利(10年)のチャート
・米実質金利に連動するドルインデックス
米実質金利の上昇に連動し、米ドル相場の大まかな方向性を示すドルインデックス(DXY)は100ポイント台乗せの展開となっている。
3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に「長期金利の上昇→実質金利の上昇→ドルインデックスの上昇」となっている状況を考えるならば、外為市場では米金融引き締めペースの加速が強く意識される局面にあることがうかがえる。
米ドル相場全体で上昇圧力が高まるかどうか?この点を見極める上で今後重要となるのが、資源と関わりの深い通貨での動きである。これら通貨に対して米ドル高が鮮明となる場合、ドル円(USDJPY)は130円台の攻防が視野に入るだろう。一方、ユーロドル(EURUSD)は、新たなサポートポイントを探る展開が続くことが予想される。
米実質金利とドルインデックスのチャート
ドル円は130円台乗せが視野に
19日のNYタイム後半にドル円(USDJPY)は、高値128.97レベルまで上昇する局面が見られた。そして今日のオセアニアタイムにあっさりと129円台へ上昇した。重要レジスタンスポイントだった125.85レベル(2015年6月高値)を突破して以降、上昇幅が一気に拡大している。
また、上で述べたとおり、米債市場では利回りの上昇トレンドが続いている。これらの状況を総合的に考えるならば、ドル円の130.00トライは時間の問題となってきた。
目先、テクニカル面での焦点は、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準にあたる129.86レベルの攻防である。
この水準をもあっさりと突破する場合は、130.00のトライ&ブレイク、そして130円台の攻防シフトを想定しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロ円は140円台乗せが焦点に
19日のユーロドル(EURUSD)は、1.08前後で反発が抑制される局面が見られたが、ユーロ円(EURJPY)はドル円(USDJPY)の上昇に連動し、上値をトライする展開が続いている。
直近の動向を日足チャートで確認すると134.50レベルがサポートポイントとなり、そして昨日、レジスタンスポイントとして意識されてきた137.00を大陽線で一気に上方ブレイクした。4月に入ってからの一連の動きは、ユーロ円の地合いの強さを示している。その土台となっているのがドル円の上昇であり、そのドル円は日米金融政策スタンスの差がメインテーマとなっている以上、目先のユーロ円は節目の140円の突破が焦点となろう。
ユーロ円が140円台乗せを達成する場合、テクニカル面で注目したいのが、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準にあたる142.45レベルのトライ&ブレイクである。ドル円が130円台乗せに成功する場合、135円まで注目すべきチャートポイントは見当たらない。ユーロドルが1.07ミドル以上を維持する場合、ユーロ円は142.45レベルを視野に上昇幅が拡大する展開が予想される。
一方、ユーロドルが1.07ミドルを下方ブレイクする場合は、新たなレジスタンスポイントが示現する可能性がある。だが、ドル円との相関性の高さを考えるならば、すくなくともユーロ円は140円台の攻防となる展開を想定しておきたい。
不意にドル円の下落幅が拡大する展開となれば、ユーロ円もこの動きに追随しよう。このケースでは、137.00レベルがレジスタンスからサポートのポイントへ転換するかどうか?この点を確認したい。
なお、レジスタンスラインとしてもサポートラインとしても意識された経緯のある10日線(MA)は今日現在、136.76レベルと、137.00を視野に上昇している。
ユーロ円のチャート
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