米ドル相場 今日の焦点は米消費者物価指数(CPI)と金利の反応 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
米金利は上昇トレンドを維持。日米金融政策スタンスの差が意識されているドル円はアベノミクス時の最高値125.85トライが焦点として浮上。これを達成する場合、次の上値ポイントは?今日の注目ポイントは?そしてユーロドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル相場 今日の焦点は米消費者物価指数(CPI)と金利の反応
【サマリー】
・米長期金利は2.7%の水準へ難なく上昇・今日の焦点は3月米CPIと米金利の反応
・ドル円はアベノミクス時の高値125.85レベルのトライ&ブレイクが焦点に
・ユーロドル 下値の焦点は1.08台の維持、上値の焦点は21日線のブレイク
・米長期金利は難なく2.7%台へ
11日の米債市場で長期金利は難なく2.7%台の水準へ上昇し、一時2.793%を付ける局面があった。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前後から長期金利の上昇幅が拡大している状況を考えるならば、米債市場の参加者がパウエルFRBのタカ派スタンス傾斜を意識していることは明らかである。
5月のFOMCから連続で0.5ポイント利上げの可能性が浮上している状況を考えるならば、長期金利の上昇トレンドは続くことが予想される。
米長期金利のチャート
・焦点は3月米CPIの内容と米金利の反応
長期金利を含め米金利全体の上昇は、米ドル相場のトレンドを左右する要因である。特に金融政策スタンスの差が意識されているドル円(USDJPY)のトレンドに大きな影響を与え続けるだろう。
米金利の上昇トレンドが続くかどうか?この点を考える上で今日は、3月米消費者物価指数(CPI)の内容と反応が焦点となろう。この点についての詳細は11日のレポートで指摘したが、あらためて指摘すると、3月米CPIが予想以上となる場合は、米金利のさらなる上昇を意識しておきたい。このケースでは、対円で米ドル高がさらに進行する展開が予想される。
また、各国の協調的な石油備蓄の放出で原油価格の上昇が抑制される中、「インフレの加速→パウエルFRBのタカ派スタンス傾斜→米(長期)金利の上昇→景気の先行きリスク」が意識されることで、米国株が続落の展開となれば、資源国通貨や新興国通貨でも米ドル高となることが予想される。
一方、3月CPIの結果に金利が低下で反応する場合は、米ドル安優勢の展開を想定しておきたい。このケースでは米国株、特にハイテクグロース株が株高のけん引役となる可能性がある。
よって、外為市場ではリスク性の高い資源国通貨や新興国通貨で米ドルが下落する展開を想定しておきたい。
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円のチャートポイント
ドル円(USDJPY)は昨日、高値125.77レベルまで上昇する局面が見られた。その後反落するも下落幅は限定的。東京時間序盤のドル円は、125円ミドル前後で推移している。
現在のドル円の底堅さを考えるならば、2015年6月の高値125.85レベルのトライが目先の焦点となろう。当時は、アベノミクスが意識されていた時期である。
そして現在。黒田日銀は相変わらず金融緩和政策のスタンスを維持する一方で、パウエルFRBは金融引き締め政策の強化に乗り出している。金融政策スタンスの差がメインテーマである以上、ドル円は125.85をトライし、かつブレイクする可能性の方が高い。
実際に、ドル円がこれを達成する場合は、130.00レベルのトライが視野に入ってくる。テクニカルの面では、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準129.86レベルの攻防となるかどうか?この点に注目したい。
一方、ドル円の反落要因として警戒すべきは、①米金利の低下、②国内サイドからの円安けん制発言である。
短期間でドル円の上昇幅が拡大したことを考えるならば、上2つの要因が意識される局面では、利確の動きもあわせて不意に下落幅が拡大する可能性がある。このケースでは、125円台の維持が目先の焦点となろう。
ドル円が124円台へ反落する場合は、直近高安の23.6%の水準124.71レベルの攻防となるか?まずはこの点に注目したい。
124.71レベルをも下方ブレイクする場合は、レジスタンスからサポートへ転換している124.00レベルの維持が注目される。この水準は、リトレースメント38.2%の水準でもある。
ドル円のチャート:レジスタンスの焦点
ドル円のチャート:サポートの焦点
・ユーロドルのチャートポイント
ユーロドル(EURUSD)の焦点は、1.08台の維持である。
通貨オプション市場のリスク・リバーサルの動きを確認すると、ユーロ・プットのトレンドがひとまず止まっていることがわかる。目先は、短期的なユーロの買い戻しが入る可能性を意識しておきたい。
しかし、ウクライナ紛争の長期化とそれによる域内経済の悪影響を考えるならば、ユーロドルの反発は一過性の動きとして捉えておきたい。
ユーロドルが反発する局面では、過去にレジスタンスラインとして意識された経緯のある21日線(MA)のトライ&ブレイクが焦点となろう。この移動平均線を突破する場合は、1.1台の攻防へシフトする展開を想定しておきたい。しかし、短期レジスタンスラインの突破に成功しない限りは、ユーロドルの下落トレンド継続と1.08トライの可能性が残る。
今晩の3月米CPI後に米金利の上昇幅がさらに拡大する場合、ユーロドルは目立った反発もなく下値をトライする可能性がある。このケースでは、先週8日の安値1.0835レベルのトライ&ブレイクに注目したい。
この水準を難なく下方ブレイクする場合は、1.08トライのシグナルとなり得る。
ユーロドルのチャート
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