トレンドの分岐点にあるユーロドル / ユーロ円の焦点とチャートポイント
欧州中央銀行(ECB)の政策転換を先取りしたユーロ買いに一服感が見られる。ユーロドルはトレンドの分岐点に差しかかっている。ユーロドルの動きにユーロ円も連動することが予想される。目先の焦点は?そして上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
トレンドの分岐点にあるユーロドル
【サマリー】
・ユーロドルはトレンドの分岐点に差しかかっている
・目先の焦点は1.1480台の攻防
・ユーロドルの下落要因となり得る2つの要因
・上下のチャートポイントについて
・ユーロ円の焦点とチャートポイントについて
・ユーロドルはトレンドの分岐点に
1月下旬から続いた米英欧の中銀イベントや1月米雇用統計などの重要イベントをこなした週明けの外為市場は、材料不足から大きな変動は見られなかった。
このような状況の中、チャート上でトレンドの分岐的に差しかかっているのが、ユーロドル(EURUSD)である。日足チャートを確認すると、1.1480台で2度上値が止められている。通貨オプション市場のリスクリバーサルの動きをみると、1週間のそれはユーロ・コールのトレンドが一服している。一方、1ヶ月のそれはユーロ・コールの状況にあるものの、トレンドは低下へ転じている。
ユーロドルのチャート
さらに、昨日のユーロ相場のパフォーマンスを確認すると、南アランドやトルコリラで上昇した以外、軒並みユーロ売り優勢の展開となっている。リスクリバーサルや昨日のユーロ売り優勢の状況は、ラガルドECBの政策転換を先取りした動きが一服してきたことを示唆している。
ユーロドルのパフォーマンス(2月7日)
・ユーロドルのチャートポイント
目先の焦点は1.1480台の攻防
今日のユーロドル(EURSUD)も1.1480台の攻防が焦点となろう。この水準の突破に失敗し続ける展開は、ダブルトップ形成の可能性を市場参加者に意識させよう。
逆に1.1480台を完全に突破する場合は、1.15台への攻防シフトを想定しておきたい。
ユーロドルの下落につながる2つの要因
目先、ユーロドルの変動要因として注目したいのが、10日の1月米消費者物価指数(CPI)の内容とそれを受けた米金利の反応である。1月雇用統計の結果を受け、米債市場では各利回りに上昇の圧力が高まっている。1月米CPIで「インフレ懸念のさらなる高まり→米金融引き締めペースの加速観測→米金利のさらなる上昇」となれば、ユーロドルの反落を予想する。
また、ウクライナ情勢もユーロドルの下落要因として注視しておきたい。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日の米テレビ番組で、「数日もしくは数週間以内にロシアがウクライナに侵攻する可能性がある」との認識を示した。侵攻しないまでもロシア軍が何等かの動きを示せば、各市場はリスク回避で反応する可能性が高い。今後のウクライナ情勢でリスク回避相場となる場合、ユーロドルは米ドル買い主導で下落する展開が予想される。ユーロ円(EURJPY)はリスク回避の円買い主導で、下落幅が拡大しよう。
下値のチャートポイント
ユーロドルが下値トライとなる場合、目先は1.14台の攻防に注目したい。直近2日は1.1410台でサポートされている。また、1.1400は直近高安のリトレースメント23.6%の水準にあたる。
米金利の上昇やリスク回避相場でユーロドルが1.13台へ下落する場合は、リトレースメント38.2%の水準1.1344レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。現在、このテクニカルポイントを上下に挟むかたちで10日線(EMA)と21日線(EMA)が推移している。
今日以降、21日線をも下方ブレイクする場合は、1.13台の下方ブレイクを視野にユーロドルの下落幅が拡大する可能性が高まろう。
ユーロドルのチャート
ユーロ円のチャートポイント
・トレンドの強さを維持するためには
ユーロドル(EURUSD)と同じく、ユーロ円(EURJPY)もトレンドの分岐的にある。短期レジスタンスラインを大陽線で突破した状況は、ユーロ円のトレンドの強さを示唆している。
今の強さを維持できるかどうか?を考える上で、目先は131.40レベルの攻防に注目したい。1月上旬から中旬にかけてレジスタンスポイントとして意識されたこの水準(131.40レベル)がサポートポイントへ転換する場合は、今月7日の高値132.13レベルの突破、および昨年の10月20日高値133.48レベルを視野にもう一段の上昇を予想する。
テクニカル面では、昨日の相場をサポートしたリトレースメント23.6%の水準131.23レベルの攻防に注目したい。このポイントで連日反転する場合は、131.40維持のケースと同じく、もう一段のユーロ円上昇を想定したい。
・下値のポイント
一方、リスク回避相場(株安)でユーロ円の下落幅が拡大する場合は、130円台の維持が焦点となろう。テクニカルの面では、直近高安の半値戻し130.23レベルの攻防に注目したい。レジスタンスとしてもサポートとしても意識される局面が見られた21日線(EMA)が、半値戻しのすぐ下の水準130.18レベルまで上昇している。目先、130.20前後はテクニカル面でのサポートポイントとして意識しておきたい。
上のテクニカルポイントを完全に下方ブレイクする場合は、130.00のトライおよび下方ブレイクのシグナルとして警戒したい。なお、130円以下の攻防となる場合は、短期サポートラインの維持が最大の焦点となろう。
ユーロ円のチャート
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