ドル円、ユーロドル、ユーロ円それぞれの注目ポイントについて
セントルイス連銀のブラード総裁によるタカ派発言で米金利が反発。このタイミングで今日の経済指標が総じて強い内容となれば、外為市場では米ドルの買い戻し(ショートカバー)が続くことが予想される。ドル円、ユーロドルそしてユーロ円それぞれの注目ポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
ブラード総裁のタカ派発言で米ドルの買い戻し
【サマリー】
・セントルイス連銀のブラード総裁が政策金利の水準についてタカ派の発言
・ブラード発言で米金利が上昇 外為市場では米ドルが買い戻される
・ドル円 上昇の局面では141円の攻防が焦点に
・ユーロドルは200日線がレジスタンスラインとなる可能性が浮上
タカ派発言で米金利と米ドル相場が上昇
セントルイス連銀のブラード総裁は17日、政策金利の水準について“最低でも”5-5.25%までの引き上げの必要性に言及した。また、利上げのペースについて意見の相違はあるが、「早期の金利低下は見込まれない」とも述べた。
ブラード総裁のタカ派発言を受け、17日の米債市場では利回りが反発した。10年債利回り(長期金利)は3.8%を付ける局面が見られた。
一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは4.48%まで上昇した。
米金利の反発を受け、外為市場では米ドル買い(ショートカバー)優勢の展開となった。
ドル円は140.70台まで上昇する局面が見られた。
一方、ユーロドル(下のチャートでは「米金利の上昇→米ドル高」を簡単に把握できるよう“ドルユーロ”で表記)は、200日線(MA)で連日上値が止められる展開となった。
利上げに関する最近の欧州中央銀行(ECB)関係者の発言もユーロドルの重石になったとの見方もあった。
米金利とドル円/ドルユーロの動き
ドル円、ユーロドル、ユーロ円それぞれの注目ポイントについて
ドル円(USDJPY)
今週のドル円(USDJPY)は、レンジ相場の状況が続いている。上限は141.00レベル、下限は138.60レベル(フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準)。
リスクリバーサル(1週間/1ヶ月)では、ドルプットのトレンドが後退する状況が続いている。これらの動きは、対円での米ドル売りの圧力が一時的にせよ後退していることを示唆している。
ドル円が反発基調を維持するかどうか?は、引き続き米金利の動向次第である。上で述べたブラード発言で金利低下の圧力が後退しつつある状況を考えるならば、今日は141.00のトライおよびブレイクとなるか?この点に注目したい。
本日は、10月米中古住宅販売件数と同月景気先行指標総合指数が発表される。ブラード総裁のタカ派発言で米金利の低下圧力が後退しているタイミングで総じて強い内容が続けば、米金利は反発基調を維持することが予想される。
このケースでのドル円は、141円台への上昇を想定しておきたい。テクニカルの面では10日線(MA)のトライが焦点となろう。この移動平均線は今日現在、141.70台まで低下している。ドル円が10日線を上方ブレイクする場合、それは142.00をトライするシグナルと想定しておきたい。
一方、利上げペース減速の観測やさえない経済指標が米金利の低下要因となれば、ドル円は下限の138.60レベルを視野に反落する展開を予想する。
今週15日のNYタイム以降、ドル円は139.00レベルでサポートされる展開が見られる。よって、ドル円がこの水準(139.00)を完全に下方ブレイクする場合は、138.60レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドル(EURUSD)
11月以降、上昇基調にあったユーロドル(EURUSD)だが、現在は200日線(MA/1.0412レベル)を巡る攻防へ転じている。
「インフレリスクの後退→FRBによる利上げペース減速の観測→米金利の低下」による米ドル売りがサポート要因である状況に変わりはない。
しかし、長引く高インフレの状況(10月の域内インフレ率は10.7%と過去最高となり、かつ今後数か月の間高止まりする可能性がある)にもかかわらず、ここ最近のECB関係者による利上げペースについてはハト派の発言(12月理事会では75ベーシスポイントではなく50ベーシスポイント利上げに言及する発言)が聞かれる。短期金融市場(OIS)も50ベーシスポイント利上げを織り込んでいる。
高インフレの影響でユーロ圏経済が景気後退のリスクに直面している状況も考えるならば、ユーロドルは反落リスクを警戒する局面にある。
そのきっかけとして、テクニカルの面では上で述べた200日線の攻防が鍵を握ると予想する。
「米金利の低下→米ドル売り」の局面でこの移動平均線の突破に失敗し続ける場合は、ユーロドルの反落シグナルとなり得る。
その確証を得るために、下値の攻防では1.03割れとこの水準の “レジスタンス転換” にも注目したい。この状況も確認される場合は、1.02レベルを視野にユーロドルの下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
ユーロ円(EURJPY)
ユーロ円(EURJPY)は、ドル円の上昇(下落)とユーロドルの下落(上昇)に挟まれる展開が続くも、直近はドル円の反発地合にサポートされ21日線(MA)をトライするムードにある。
しかし、テクニカルの面で真に注目すべきは、トライアングルの攻防である。
ユーロ円が21日線のすぐ上で推移しているトライアングルの上限(短期レジスタンスライン)を突破する場合は、テクニカルの面でもう一段の上昇シグナルが点灯することになる。このケースでは、レジスタンスとして意識されている147.00-10ゾーンの攻防が次の焦点として浮上すると予想する。
一方、21日線やトライアングルの上限で相場の上昇が止められる場合は、ユーロ円の反落を想定しておきたい。このケースでは、10月下旬以降、相場をサポートする局面が見られる144.00レベルの維持が焦点となろう。
ユーロ円が144円以下の攻防となる場合は、トライアングルの下限(短期サポートライン)そしてフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準142.67レベルの維持が焦点となろう。
なおユーロ円の下落局面では、あるトレンドパターンが見られる。
それは、為替レートの水準が21日線からマイナス1.5%以上かい離すると反発するパターンである(上昇の局面では明確なトレンドパターンが見られない)。
上で述べたサポートポイントの攻防となる場合は、ユーロ円と21日線のかい離の状況もチェックしておきたい。そうすることで、より正確に反転のタイミングを探ることができるだろう。
ユーロ円のチャート
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