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ドル円、2か月ぶりの148円台 強い米経済指標が続けば反発も 今日の見通し

ドル円の下落が止まらない。3日の外為市場では約2か月ぶりに148円台へ下落する局面が見られた。一方、今週に入り強い米経済指標が続いてる。今晩のISM非製造業景気指数も予想を上回れば、ドル円の反発を警戒したい。注目のテクニカルラインは?

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ドル円、2か月ぶりの148円台

ドル円(USD/JPY)の下落が止まらない。3日の外為市場では約2か月ぶりに148円台へ下落し安値148.64を付けた。その後、10月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が774.4万件と、ブルームバーグがまとめた751.9万件を上回ったことが材料視され反発。今日の東京市場では、短期レジスタンスラインを突破し150円台へ反発する局面が見られた。

ドル円のチャート:15分足 2日以降

ドル円のチャート:15分足 2日以降

出所:TradingView

韓国の政情不安、円相場への影響は限定的

韓国の政情不安が、3日の円高の一因になったとの見方がある。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜、多数派の野党が国会をまひさせていると訴え、非常戒厳を宣布した。そして4日未明には、一転して非常戒厳を解除する方針を発表した。

韓国の最大野党「共に民主党」は、尹大統領に辞任を要求すると同時に、弾劾訴追を準備する方針を示した。弾劾訴追が可決される場合は大統領の権限が停止され、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が大統領権限を代行することになるという。

東アジアの政情不安は、リスク回避の円買い要因になり得る。しかし、4日の東京市場の円高一服の動きを見る限り、韓国の政情不安がリスク回避円高要因となる可能性は現時点では低い。

強い米経済指標が続けばドル円の反発相場を想定

11月のISM製造業景気指数と10月のJOLTS求人件数は市場の予想を上回った。強い米経済指標が続いていることで、米債市場では利回りの低下が一服ムードにある。今日以降もアメリカ経済の堅調さを示す経済指標が続けば、ドル円の突発的な反発に注意したい。要点を以下にまとめた。

・予想を上回る米経済指標が続いている。今日は11月のISM非製造業景気指数が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想は55.7と、前月の56.0から若干の低下が見込まれている。

・強い経済指標が続き、米債市場では利回りの低下に一服感が漂う。アメリカ労働者の約8割はサービス業に従事している。ISM非製造業景気指数でサービス業の拡大が示される場合は、米金利の反発要因となろう。米金利の反発は、米ドルの買戻しを促すだろう。

・雇用指数にも注目したい。11月のISM製造業雇用指数は48.1と、10月の44.4から大幅に改善した。11月の非製造業の雇用指数は53.0と前月から横ばいの予想にある。サービス業でも予想外の雇用拡大が示される場合は、6日の11月雇用統計が上振れする可能性があろう。

・フランスリスクが意識されユーロは下落ムードにある。ユーロ売りと強い米経済指標が米ドル買いを促す場合、ドル円は下で述べるレジスタンスラインを視野に反発相場を想定しておきたい。

米ISM非製造業景気指数:月次 23年11月以降

米ISM非製造業景気指数:月次 23年11月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成


ドル円、今日の見通しとテクニカルライン

日足のMACDとモメンタムの動きは、ドル円(USD/JPY)が弱気相場にあることを示唆している。しかし、昨日の日足ローソク足は十字線となった。下値での十字線はさらなる売りの迷いと、短期的な反発を暗示する。今日の見通しと注目のテクニカルラインを以下にまとめた。

・追加の利上げを模索する日銀、利下げサイクルにある米FRBの政策動向を考えるならば、今のドル円の焦点は新たな下値水準の見極めにある。だが、下落幅が拡大し始めた先月18日以降、ドル円は3%下落している。短期間で下落幅が拡大したことで、調整の反発が入りやすい状況にある。

・今晩のISM非製造業景気指数が米ドル買いの要因となれば、150円台へ上昇してきたドル円は、さらに上値を目指すことが予想される。

・ドル円が150円台の攻防となる場合は、半値戻しの水準150.30レベルそして61.8%戻しの水準150.68レベルの攻防が焦点となろう。前者の150.30レベルは、2日のNY時間に相場の戻りを止めた水準である。後者の150.68レベルは、2日の東京市場で相場の反発を止めた経緯がある。

・150.68レベルの突破は、50日線をトライするサインと捉えたい。この移動平均線は今日現在、151.00レベルで推移している(日足チャート参照)。

・45分足のストキャスティクスは買われ過ぎでデッドクロスへ転じている(レポート掲載時点)。RSIでもデッドクロスが確認される場合、ドル円は下で取り上げているサポートラインの攻防を意識したい。

レジスタンスライン

・151.00:50日線(日足)
・150.68:フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(45分足)
・150.30:半値戻し(45分足)


今晩のISM非製造業景気指数が予想以下となれば、ドル円の下落を想定しておきたい。注目のサポートラインを以下にまとめた。

・今日の下落局面では、149円台の維持が最初の焦点となろう。

・ドル円が148円台へ下落する場合は、昨日の安値148.64レベルの再トライと維持が焦点に浮上しよう。このサポートラインの下方ブレイクは、IG為替レポートで注目している75日線をトライするサインと捉えたい(日足チャート参照)。

・ドル円が75日線をも下方ブレイクすれば、半値戻しの水準148.16が焦点に浮上しよう。148.16レベルは、148円台を維持できるかどうか?を見極めるための重要なテクニカルラインである(日足チャート参照)。

サポートライン

・149.00:サポートライン(45分足)
・148.53:75日線(日足)
・148.16:半値戻し(日足)


ドル円のチャート

45分足:11月27日以降

45分足:11月27日以降

出所:TradingView

日足:24年6月以降

日足:24年6月以降

出所:TradingView


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