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石破ショック逆回転で「高市トレード」を超える円安 注目の米雇用統計 ドル円の見通し

石破ショックの逆回転で円安が進行している。ドル円は3日に147.20台まで上昇し、「高市トレード」の高値を完全に突破した。強い経済指標を受け、パウエルFRBの利下げペースについて再考が迫られている。今日の9月雇用統計が強い内容となればドル円の焦点は、新たな上値水準の見極めへシフトしよう。

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記事のポイント

・石破ショックの逆回転で円安が進行
・ドル円は高市トレードの高値を完全に突破し147.20台へ急上昇
・今日の焦点は9月の米雇用統計、FRBの利下げペース再考が必要な局面に
・ドル円は、一転して新たな上値水準の見極めが焦点に


石破ショック逆回転、高市トレードを超える円安

金融政策を巡り石破茂首相の発言が揺れている。個人的に注目したのが、追加の利上げに対する発言だった。石破首相は今月2日、日銀の植田和男総裁と会った後のメディアに「個人的には追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と述べた。一国のトップが追加利上げについて明確に否定的な見解を示した。これを「個人の見解」として受け止めるのは無理がある。事実、外為市場では週明け以降、先進国通貨、新興国通貨を問わず円安が進行している。

ドル円(USD/JPY)は2日の外為市場で2%上昇した。そして翌3日の市場で高値147.24を付けた。先月27日の「高市トレード」の高値146.50レベルを完全に突破し、かつ今週に入り3%超も対米ドルで円安が進行している状況は、石破ショックの”逆回転”を物語る。

円相場の騰落率:9月30日~10月3日

円相場の騰落率:9月30日~10月3日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

米経済のソフトランディング期待を高める経済指標

米供給管理協会(ISM)が3日に発表した9月の非製造業総合指数は54.9と、8月の51.5から上昇した。23年2月以来の高水準となった。

9月の上昇をけん引したのが先行指標となる新規受注だった。8月の53.0から59.4へ上昇幅が拡大し、総合指数と同じく23年2月以来の高水準となった。一方、雇用指数は50.2から48.1へ低下した。

米国 ISM非製造業景気指数:2022年以降

米国 ISM非製造業景気指数:2022年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

今日は9月の米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数は8月から伸びる一方、失業率は4.2%で横ばい推移の予想にある。平均時給の伸びは抑制される見通しにある。

今週の雇用関連指標-8月JOLTS求人件数と9月ADP雇用統計はいずれもアメリカ労働市場の堅調さを示唆した。この状況で9月の雇用統計が市場の予想以上ならば、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長にとっては理想的な内容となろう。同議長が警戒する労働市場の急速な冷え込みとそれによる景気の悪化を避ける可能性が高まるからだ。言い換えれば、強い雇用統計は米国経済のソフトランディング期待をさらに高める要因となろう。

米国の雇用統計 各項目の動向:2023年9月以降

米国の雇用統計 各項目の動向:2023年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米利下げペース再考の局面に

強い経済指標を受けたソフトランディング期待の高まりで、パウエルFRBの利下げのペースについて再考が迫られている。

短期金融市場では一時、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.5%の大幅利下げが意識される状況が見られた。しかし、現在ではその思惑が後退し、短期金融市場が予想する政策金利の予想推移が上方修正されている(下のチャート、赤ラインを参照)。

この変化は非常に重要である。なぜなら、これまで外為市場の参加者はパウエルFRBが想定する以上に利下げペースが速まるとの思惑でドル売りを仕掛けてきたからだ。強い経済指標でそのシナリオが崩れる場合は、対主要国通貨でドルを買い戻す動きが進行しよう。

石破首相が追加利上げに否定的な見解を示したことで、特に対円でその動きが加速する可能性がある。

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 4日 午前9時時点 OISに基づく予想推移


ドル円、焦点は新たな上値水準の見極めに

石破ショックの逆回転、そしてパウエルFRBの利下げペースに対するシナリオの再考が迫られている以上、ドル円(USD/JPY)のシナリオも考え直す必要がある。

この点は日足チャートの動きも示唆している。RSIとMACDはドル円の地合いの強さを示唆する動きにある。短期的な相場の過熱感を示唆するサインも見られない。

今日の9月雇用統計で労働市場の堅調さが確認される場合は米ドル高の要因となろう。石破ショックの逆回転で円安が進行するなかで米ドル高が重なれば、ドル円は目先のレジスタンス水準147.20レベルを完全に突破するだろう(下の日足チャート、緑矢印を参照)。

ドル円が147円台の攻防へシフトする場合は、148円台への上昇、そしてテクニカルの面では8月15日の高値149.40レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

ドル円のチャート:日足 2024年7月以降

ドル円のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

ドル円、反落局面での焦点は?

一方、9月の米雇用統計で労働市場の軟化が示される場合は、米ドル安の要因となろう。今週3%超上昇しているドル円(USD/JPY)には、調整の売り圧力が強まることが予想される。

ドル円の反落局面では、50日線のサポート転換に注目したい。この移動平均線は今日現在、145.20レベルで推移している(上の日足チャート、青ラインを参照)。

ドル円が50日線をトライするシグナルとして、下の1時間足チャートにプロットしたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準146.23レベル、そして38.2%の水準145.60レベルの攻防に注目したい。前者の水準(23.6%戻し)は2日のNY時間以降、相場をサポートしている。後者の水準(38.2%戻し)を下抜ける場合は、50日線を視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。

なお、50日線のすぐ下の145.10は半値戻しの水準にあたる。145.10-20をサポートゾーンと想定しておきたい。このサポートゾーンの攻防では、145円の維持の見極めが焦点となろう。

1時間足のMACDは緩やかな下落のトレンドにある。RSIは買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じているが、その後は横ばいで推移している。MACDがゼロラインを下回り、かつRSIが売られ過ぎの水準を目指して低下トレンドが鮮明となる場合は、ドル円の反落相場を想定しておきたい。本日、そのきっかけになり得るのが、9月の米雇用統計である。

ドル円のチャート:1時間足 10月以降

ドル円のチャート:1時間足 10月以降

出所:TradingView


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