円高急進、147円台 相互関税で3週間ぶり水準 雇用統計で加速も
ドル円相場は147円台まで円高が急進。トランプ氏の相互関税でドル安が進んでいる。4日発表の3月雇用統計はさらなる円高要因になる可能性も。

ドル円相場で円高が急進している。日本時間3日正午すぎの取引では一時、1ドル=147.49円をつけ、3週間ぶりの円高水準。アメリカのドナルド・トランプ大統領が2日に発表した相互関税が米国経済の見通しを一層不透明にする中、ドルが円を含む主要通貨に対して弱くなっている形だ。一方、トランプ氏の相互関税は日本経済への悪影響も避けられず、日本の長期金利(10年物国債利回り)は低下している。ただ、金融市場では米国の長期金利も低下しているため、日米金利差は引き続き縮小方向にあり、円安圧力の高まりはみられない。こうした中、4日に発表される雇用統計などで米国経済の悪化見通しが強まれば、ドル円相場がさらに円高に振れる可能性がある。
ドル円相場は相互関税発表後に1.7円の円高が進行 147円台半ばに
ドル円相場(USD/JPY)は日本時間3日午前10時30分ごろに1ドル=147円台半ばに到達。ニューヨーク市場の2日の終値(149.28円)から4時間半で1.7円程度の円高が進んだんことになる。ドル円相場が147円台をつけるのは3月14日以来だ。

相互関税は米国経済の悪材料 FRBの利下げ見通しが強まる
円高急進の要因はトランプ氏が発表した相互関税が厳しい内容だったこと。原則として、世界各国・地域からのすべての輸入品に対して10%の関税をかけたうえで、貿易不均衡が大きいと判断した国や地域に対しては個別の追加関税を課す内容だ。個別関税は中国が34%、欧州連合(EU)が20%、日本が24%などとなっている。メキシコとカナダからの輸入品は相互関税の対象からは外れるが、すでに米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の基準に合わない輸入品には25%関税が課されており、米国は主な貿易相手国に対して異例の高関税を課すことになる。
こうした米国の通商政策の大転換は米国経済にとっての悪材料といえる。高関税が物価上昇につながり、消費が冷え込むことで、成長率や企業業績が下押しされかねないからだ。このため金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが進むとの見通しが拡大。CMEグループのデータによると、FRBの年内利下げ回数が3回以上になることについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間3日正午段階で71%。前日午前の66%程度から上昇した。
ポンドやユーロもドルに対して上昇 豪ドルは中国経済への懸念で下落
米国金利の先安感はFX市場でのドル安につながっている。日本時間3日正午の金融市場ではポンドの対ドル相場(GBP/USD)がニューヨーク市場の2日終値と比べて0.43%のポンド高。ユーロの対ドル相場(EUR/USD)も0.54%のユーロ高となっている。しかし円のドルに対する上昇率(1.07%)には及ばず、円はポンドやユーロに対しても強くなっている構図だ。一方、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)は3日の取引でドルに対して0.32%の豪ドル安に振れている。オーストラリア経済と結びつきが深い中国が、トランプ氏の高関税政策でひときわ高い影響を受けるとみられることが豪ドル安につながっているようだ。

相互関税は日本にとっても悪影響 日米の長期金利差の縮小は進まず
一方、トランプ氏の相互関税は日本経済にとっても厳しい内容。3日発動の自動車関税に加え、自動車以外の輸出品にも高関税が課せられることになり、輸出不振などを通じて日本の経済成長が下押しされることも考えられる。このため金融市場では日本銀行の利上げ見通しは後退。ブルームバーグによると、日本の長期金利は3日の取引では1.38%程度となっており、2日終値の1.466%から低下している。日本の金利水準の低下は円安要因といえる。
しかし金融市場では同時に、FRBの利下げ見通し拡大を背景として米国の長期金利も低下。ブルームバーグによると、3日の取引では一時4.038%をつけ、2024年10月17日(4.030%)以来、約5か月半ぶりの低さとなった。この結果、日米の長期金利の差は約2.7%ポイントで推移しており、じわじわと縮小する流れが続いている。

3月雇用統計は雇用拡大ペース鈍化見通し 労働市場の弱さは円高要因に
米国経済をめぐっては3日には週次の失業保険関連統計、4日には3月雇用統計も発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、このうち新規失業保険申請件数は22.5万件となり、前週の22.4万件からわずかに増加する見通し。また雇用統計をめぐっては、非農業部門の就業者数が前月比14.0万人増となり、前月(15.1万人増)から雇用拡大のペースが鈍化するとみられている。一方、失業率は4.1%、平均時給の伸び率は前年同月比4.0%と予想され、いずれも前月から横ばいの見通しだ。


米国の労働市場をめぐってはトランプ氏が連邦政府職員の人員削減を進めていることが悪化要因として働く可能性がある。失業保険関連統計や雇用統計で労働市場の弱さが示されれば、米国の景気後退懸念が強まり、ドル円相場での円高圧力として働く可能性がありそうだ。
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