ウォルマート、2-4月期の好決算で株価1.9%上昇 見通しを上方修正
米ウォルマートの2023年2-4月期決算は市場の期待を上回った。粗利益率にも改善の兆しがあり、業績の見通しに自信を示している。
米流通最大手のウォルマートが18日朝に発表した2023年2-4月期決算は総収入と1株当たり利益が市場予想を上回った。物価上昇という逆風にも関わらず安定的な業績を示した形で、18日のウォルマートの株価(チャート)は前日終値比で1.9%上昇した。一方、粗利益率は5四半期連続で前年同期から悪化したものの、状況が改善する兆しもみえており、ウォルマートは2024年度(2023年2月-2024年1月)の業績見通しを上方修正している。
ウォルマートの2024年2-4月期の総収入は7.6%増
ウォルマートの2-4月期の総収入は1523億ドルで前年同期比7.6%増。ウォルマート決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益は13.1%増の1.47ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、いずれも直前の市場予想(1488億ドル、1.32ドル)を上回った。
市場の期待を上回る好決算を受けて18日のウォルマートの株価は151.47ドルで取引を終えた。リフィニティブによると、決算発表後、アナリストが見込む目標株価の平均値は166.31ドルとなっており、決算発表前の水準(164.99ドル)から上がっている。
インターネット通販も好調
米国では物価上昇の根強さが消費に与える影響が懸念されているが、ウォルマートの米国内での売上高は1039億ドルで、既存店ベースで前年同期比7.4%増加した。伸び率は前期(8.3%)からは落ちたものの、食品やヘルスケア関連の売り上げが全体を引っ張ったという。また、インターネット通販が27%増と好調だったことも、全体の増加率を押し上げた。
ロイター通信によると、ジョン・レイニーCFOは決算会見で「消費者は購買力が下がる中で、支出のより多くを食品に向けるようになっている」と話した。
粗利益率に改善の兆し 業績見通しを上方修正
一方、課題となっていた収益性の悪化は止まらなかった。2-4月期の調整ベースの粗利益率は23.7%で、前年同期から0.18%ポイント(18ベーシスポイント=bps)低下した。粗利益率の低下は5四半期連続で、売上が利益率の低い食品などにシフトしていることが引き続き影響しているようだ。ただし物流網や米国内での輸送費の正常化などの改善点もあり、悪化幅は前期(0.83%ポイント)から縮小した。
こうした状況を受けて、ウォルマートは18日の決算発表で、2024年度の総収入の前年度比伸び率の見通しを3.5%とし、前回発表時の2.5-3.0%から引き上げた。調整ベースの1株当たり利益は6.10-6.20ドルとし、こちらも前回発表(5.90-6.05ドル)から上方修正している。
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