ブルーチップ株(優良株)とは?取引方法や見つけ方を解説
ブルーチップ株の定義や代表例とは?時価総額の大きい他の企業との見分け方や取引方法を詳しく解説します。
ブルーチップ株とは
ブルーチップ株は優良株とも呼ばれ、財務状況が盤石で評判が良く、そのセクター内で長く事業を行っている企業の株式を指します。
しかし、ブルーチップ株がいつまでも「優良」であるわけではありません。アメリカの代表的な株価指数のひとつダウ平均(DJI)は、その時代に米国をけん引する企業で構成されています。
その変遷をみると、2013年まで構成銘柄だったバンクオブアメリカ(BAC)やヒューレットパッカード(HP)は、それぞれゴールドマンサックス(GS)とVISA(V)に取って代わられています。
また、2015年に通信大手AT&Tが構成銘柄から外され、代わりにアップル(AAPL)が採用されました。
今後も時流に乗り、ビジネスを拡大し続ける企業だけがブルーチップ株として生き残るでしょう。
簡単に言えば、セクター内で最上位に近いポジションにあり、取引量が多く、かつ知名度の高い企業がブルーチップ株と見なされます。
ブルーチップ株の定義
ブルーチップ株と呼ばれるための条件は、投資家によって意見が異なります。
一般的には以下の条件が挙げられます。
- セクター内の上位にいること
- 知名度のある株価指数(例:日経平均株価、S&P500、ASX200)に採用されていること
- 知名度の高いブランドであるか、それを保有していること
- 堅実な成長の歴史があり、安定した配当金の支払いをしてきたこと
「ブルーチップ」という優良株の呼び方は、ダウ・ジョーンズ社の従業員であったオリバー・ギンゴールド氏が発案したとされています。その説によると、ギンゴールドが、ある銘柄が安定して1株あたり200ドル以上の値を付けているのを見て、ポーカーで最も価値のあるチップの色にちなんでその銘柄を「ブルーチップ」と呼んだことから、この用語が使われるようになったということです。1
ブルーチップ株とみなされる企業の中には、ニッチなセクターで事業を展開しており、相対的に見ればまだかなり小規模な企業もある点に注意が必要です。つまり、優良企業と中堅企業の区別が曖昧になる場合があるということです。
ブルーチップ株の対極にあるのが「ペニー株(ペニーストック)」です。英国では通常、1株当たり1ポンド未満で、時価総額が1億ポンド未満の企業を指します。時価総額に関しては多少の上振れが許されるものの、ペニー株とされるには両方の条件を満たしている必要があります。
一方で、「ブルーチップ株」の定義は明確ではなく、ある程度の主観が入ったものだといえます。
ブルーチップ株のメリットとデメリット
ブルーチップ株への投資は長期投資戦略として人気があります。一方で、デメリットもあります。
ブルーチップ株のメリット
- ブルーチップ株は一般的に収益が安定していて、配当を出していることが多く、投資適格の信用格付け基準を満たしています。よって、低リスクとみなされています。
- 安定した投資利益と配当のあるブルーチップ株は、ポートフォリオ投資の対象として厚く信頼されています。
- ブルーチップ株は時価総額が大きいため、投資家から厚い信頼を得ています。対照的に、ペニー株は大きな値上がりが期待できる一方、配当金や安定性がなく、リスクも高いといえます。
- 価格の変動(ボラティリティ)が抑制される傾向があるため、モニタリングの手間が比較的少ない傾向にあります。
ブルーチップ株のデメリット
- ブルーチップ株であっても株価の下落や急落、あるいは倒産を完全に免れることはできません。2008年の世界金融危機(リーマンショック)や2020年の新型コロナウィルスの世界的大流行のようなネガティブな出来事が起こった場合、多くの投資家層が株式を売却するため、大きな損失が出る可能性があります。
- ブルーチップ株の価格は、短期間で大きく変動することが少ないため、短期的な売買での収益を期待するのは困難です。
- ブルーチップ株は、成長余地が比較的小さいため、新興企業などのリスクの高い投資で得られるような高いリターンを期待することは難しくなります。
- 投資リスクが低く、歴史ある企業であるがゆえ、ブルーチップ株の需要は高くなることが多く、株価が割高になる傾向があります。
- 市場の変化に対応できなかった場合、小規模の競合企業が現れてシェアを奪われる可能性があります。
ブルーチップ株の取引方法
ここでは、IG証券でブルーチップ株を取引する方法を解説します。
- 口座を開設するか、口座をすでにお持ちの場合はログインする
- ブルーチップ株について調べる
- 株式CFD口座を選択して、取引したい銘柄名を検索する
- 株価が今後上昇すると予測する場合は「買い」を、反対に今後下落すると予測する場合は「売り」を選択する
- ポジションのロット数を選び、リスク管理ツールを必要に応じて使う
- ポジションを保有する
IG証券では、CFDで株式を取引します。株式を直接所有することはありません。
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ブルーチップ株の例
ここでは、FTSE100、CAC40、DAX40など、知名度の高い指数に含まれる大手企業をブルーチップ株の例として挙げています。あくまで一般的な銘柄の例であり、すべてのブルーチップ株を網羅する正式なリストではありません。
繰り返しになりますが、ある企業の株がブルーチップ株であり続けるかどうかは、時間の経過とともに変化する可能性があります。ここでは、一般的な銘柄をご紹介します。
- アップル(AAPL)
- アメリカン・エキスプレス(AXP)
- アストラゼネカ(AZN)
- BP(BP)
- コカ・コーラ(KO)
- ディアジオ(DGE)
- ウォルト・ディズニー(DIS)
- ゼネラル・エレクトリック(GE)
- IBM(IBM)
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
- マクドナルド(MCD)
- マイクロソフト(MSFT)
- ナイキ(NKE)
- ファイザー(PFE)
- ユニリーバ(UNVR)
- ベライゾン(VZ)
- ウォルマート(WMT)
ご存知のように、これらの企業のほとんどは有名ブランドであるか、そういったブランドを保有している企業です。例えば、ユニリーバはプレミアム食品ブランドを多数保有しています。ある企業の株がブルーチップ株であるかどうかは、そのブランド認知度を含め、世間一般の主観に左右されます。
ブルーチップ株の見分け方
規模や知名度、市場での優位性から、ブルーチップ株を見つけるのはそう難しくはないでしょう。これらの企業は市場の上位に位置し、幅広い裾野を持っています。
例えば、アップルやコカ・コーラに取って代わるような企業が出てくることはあまりないでしょう。これらの著名なブランドは、ブランドロイヤリティを基盤としてビジネスを展開しています。
ブルーチップ株の特徴には、以下のようなものがあります。
- 知名度の高さと強固な財務力により、ブルーチップ株でない株式よりボラティリティが低い。
- 機関投資家と個人投資家の両方から頻繁に売買され、非常に高い流動性を持つ。これによって、他にも同じような買い手がいるとの確信を投資家にもたらし、流動性をさらに安定させる。
- 通常債務が少なく、負債資本比率が安定しており、時価総額や自己資本比率・総資産利益率(ROA)が高い。
- 投資適格に値するような信用性の高い賃貸対照表を保持している。
- 長期に渡る安定した配当支払いの実績がある。
- ブルーチップインデックスに採用されている。
- 業界全体の動向を示す役割を果たしている。
上記のような特徴が挙げられますが、ブルーチップ株とされる企業は時代とともに変化する可能性があります。
また、ブルーチップ株の地位を失うことが難しい一方で、その地位を得ることは同じくらい、あるいはそれ以上に難しいことです。2011年以来世界で最も価値のある企業とされるアップルは、2015年までダウ30種に採用されていませんでした。
ブルーチップ株であることと、単に規模が大きいことを混同する方が多いかもしれません。しかし、この2つは同じではありません。ブルーチップ株は大企業の株であることがほとんどです。しかし、大企業の株が必ずしもブルーチップ株とは限りません。AMCエンタテインメントの事例で考えてみましょう。同社の時価総額はショートスクイーズによって数十億ドルに跳ね上がりましたが、当時この事業を低リスクだと考えていた投資家はほとんどいなかったと思われます。
ブルーチップ株がよい投資対象と言えるかどうかは主観によるところがありますが、投資家の多くは投資資産の一定割合をこうした資本力のある大企業に割り当てています。また、SDPRダウ・ジョーンズ工業株平均ETFのような、ブルーチップ株が多く含まれたインデックス連動型ETFを選ぶ投資家もいます。
ブルーチップ株は、格付けが低いグロース(成長)株やその他のリスクの高い投資に比べて安全だと一般的に考えられています。しかし、投資の世界に絶対的な「安全」というものは存在しません。例えば、かつてアメリカの巨大企業であったゼネラルモーターズは世界的な金融危機の影響を受け、2009年に破産を申請しました。
ブルーチップ株のまとめ
- ブルーチップ株とは、認知度が高く、財務的に安定し、該当分野で長い歴史と実績を築いてきた企業の株式を指します。
- ブルーチップ株とされる企業は、時間の経過とともに変化する可能性があります。
- ブルーチップ株を発行する企業は、安定した収益を上げ、配当を定期的に支払うことが多く、投資適格の信用格付けを持っています。そのため、投資対象としてのリスクが低いとみなされます。
- ブルーチップ株は価格の短期的な変動が少ないため、短期的な売買による収益を目指す投資には不向きです。
- 長期の投資戦略として、ブルーチップ株を主体とするインデックス連動型ETF、例えばSPDRダウ工業株平均ETFなどをポートフォリオに取り入れる選択もあります。
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