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【米国株】アップル決算、低成長の懸念強まれば、株価急反落も

アップルが30日の引け後に2024年10-12月期(第1四半期)決算を発表する。株価は反発基調にあるが、決算で低成長リスクが意識される場合は急反落を警戒したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の概要

30日の引け後にアップルが2024年10-12月期(第1四半期)を発表する。29日の引け後にマイクロソフトが発表した決算では、クラウド事業の収益が予想を下回った。株価は時間外で下落した。中国市場での苦戦が続き、アップルは低成長のリスクに直面している。決算でこの点が新ためて浮き彫りとなれば、反発基調にあるアップルの株価が急反落する可能性がある。


マグニフィセントセブンに異変、勢いづくメタ、エヌビディア転落

中国の新興AI企業DeepSeek(ディープシーク)の台頭で、米国AI企業のコスト高が懸念材料として浮上して以降、マグニフィセントセブンに異変が生じている。年初来パフォーマンスを確認すると、かつて1強状態だったエヌビディア(NVDA)が急落している(下のチャート、赤ラインを参照)。トランプ米政権が対中半導体輸出の規制強化を検討しているとの報道も株価の重石となっている。

一方、2024年第4四半期(Q4)決算で利益がアナリスト予想を上回ったメタ・プラットフォームズ(META)が新たな勝ち組銘柄のポジションにある(下のチャート、緑ラインを参照)。第1四半期(Q1)の売上高見通しはブルームバーグの予想を下回ったが、ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がAI事業について強気の見通しを示唆したことで、株価は時間外で上昇した。

同社のAIモデル「ラマ」は、ディープシークと同じくオープンソース型であり、トランプ米政権はラマのような米国製のAIモデルを開発・採用することが予想される。決算を乗り切ったこと、トランプ米大統領に歩み寄るザッカーバーグCEOの姿勢も考えるならば、短期的にメタはマグニフィセントセブンの勝ち組銘柄の地位を確保する可能性がある。

マグニフィセントセブンと米株価指数の動向:年初来

マグニフィセントセブンと米株価指数の動向:年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

アップル30日に決算を発表、低成長リスクに直面

30日の取引終了後にアップル(AAPL)が2024年10-12月期(第1四半期 / Q1)決算を発表する。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、売上高は前年同期比で3.79%増の1241.11億ドル、一株利益(EPS)は同比7.81%増の2.35ドルが見込まれている。

主力商品のiPhoneの収益は前四半期から増加する見通しである。しかし、前年同期比では1.91%増の710.30億ドルにとどまると予想されている。結果、プロダクト全体の収益も同比1.64%増の980.42ドルにとどまる見通しである。

マイクロソフトの下落は、企業の成長鈍化が株安の要因になり得ることを示した。上のパフォーマンスチャートを見ると、アップルの株価が低迷していることが分かる(上のチャート、青ラインを参照)。低成長リスクを意識した動きと考えられる。

売上高と一株利益の推移と第1四半期の予想

売上高と一株利益の推移と第1四半期の予想

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 四半期:2022年度以降
※赤の棒グラフ:ブルームバーグまとめの第1四半期 アナリスト予想:1月29日時点

プロダクト部門とiPhoneの収益の推移と第1四半期の予想

プロダクト部門とiPhoneの収益の推移と第1四半期の予想

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 四半期:2022年度以降
※赤の棒グラフ:ブルームバーグまとめの第1四半期 アナリスト予想:1月29日時点

中国市場での苦戦続く、焦点は業績見通し

中国市場での苦戦がアップル(AAPL)の成長を妨げている。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、第1四半期(Q1)の中国市場での売上高は前年同期比で3.6%増の215.67億ドルと予想されている。しかし、景気の低迷による個人消費の減少に加えて、激化するファーウェイとの競争で昨年10-12月期の中国販売台数が18.2%減少したことも考えるならば(独立調査会社カウンターポイント・リサーチ調べ)、予想を下回る可能性がある。

第2四半期(Q2)の売上高も前年同期比で2.71%増の168.15億ドルにとどまると予想されている。中国市場での苦戦が続くことが予想される。

中国市場の収益

中国市場の収益

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 2022年以降

上で述べたとおり、29日にAI分野でアップルと覇を競うメタ・プラットフォームズとマイクロソフトが四半期決算を発表した。時間外で2社の株価の明暗が分かれた事実は、「成長」が投資家にとって重要なテーマであることを示唆している。

アップルは現在、低成長のリスクに直面している。ゆえに、マイクロソフト以上に業績見通しに注目が集まるだろう。現時点での第2四半期(Q2)のアナリスト予想は、いずれの項目でも一桁の成長率が見込まれている。

1-3月期(第2四半期)の業績見通し
・売上高 :953.94億ドル(前年同期比5.11%増)
・一株利益:1.66ドル(前年同期比8.72%増)
・プロダクト収益:688.6億ドル(前年同期比2.95%増)
・iPhone収益:472.81億ドル(前年同期比2.87%増)
・中国市場の収益:168.15億ドル(前年同期比2.71%増)
※ブルームバーグがまとめたアナリスト予想


アップルの株価見通し

テクニカルの面では反発ムードが漂う
日足のモメンタムはゼロラインを上回り、反発相場に勢いが出始めてきたことを示唆している。MACD はゴールデンクロスへ転じている。この状況で決算が株高の要因となれば、50日線と半値戻しの水準が展開している239.80ドルを突破してくるだろう。突破後の反落局面でこの水準が「サポート転換」となる場合は、買い戻しに弾みがつこう。

フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準244.54ドルの突破は250ドルへ上昇するサインと捉えたい。250ドル台の攻防では76.4%の水準250.49の攻防が焦点となろう。

決算をきっかけに株価が続伸する場合は、昨年12月26日の高値260.10ドルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。

レジスタンスライン
・260.10ドル:昨年12月26日高値
・250.49ドル:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・250.00ドル:レジスタンスライン
・244.54ドル:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・239.80ドル:半値戻し、50日線(1/29日時点)

株安の局面では200日線の維持が焦点に
決算でアップル(AAPL)の低成長リスクがあらためてクローズアップされる場合は、反発基調にある株価が急反落する可能性がある。このケースでは、200日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は現在、1月21日の安値219.38ドルのすぐ下まで上昇している。

200日線をトライするサインとして、229ドル付近まで低下している10日線の攻防に注目したい。すぐ下の水準228ドルはサポートラインへ転換する可能性がある。10日線とともに株価を下支えする可能性を意識したい。228ドルを完全に下方ブレイクする場合は、200日線をトライするサインと捉えたい。

決算をきっかけに株価が続落する場合は、200日線の下方ブレイクと昨年9月16日の安値213.92ドルまでの下落を想定したい。後者の水準をも下方ブレイクする場合は、節目の200ドルが視野に入ろう。

サポートライン
・229.00ドル:10日線(1/29時点)
・219.00ドル:200日線(1/29時点)
・213.92ドル:昨年9月16日の安値
・200.00ドル:サポートライン


アップルの株価チャート

日足:2024年7月以降

日足:2024年7月以降

出所:TradingView


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