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強気地合いのナスダック、最高値更新のダウとS&P500を追撃、9月のCPIとPPIに注目

雇用統計やISM非製造業景気指数などの強い経済指標を受け、アメリカ景気のソフトランディング期待が高まっている。9日の市場では、ダウ平均とS&P500が最高値を更新した。目先は9月のCPIとCPIで米金利が動く可能性がある。米金利の動向は、ハイテク株比率の高いナスダック100のトレンドを左右しよう。

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記事のポイント

・景気のソフトランディング期待でダウ平均とS&P500が最高値を更新
・米長期金利が上昇する中での高値更新は、米国株の地合いの強さ示唆している
・目先の注目材料は9月のCPIとPPI、予想以上ならば米株安の要因になり得る
・強気地合いを維持するナスダック100は、高値更新のダウとS&Pを追撃している


ナスダック100のチャートポイント

レジスタンスの水準

・21,037:フィボナッチ・エクステンション76.4%
・20,690:7月10日高値(最高値)
・20,585:7月15日高値
・20,284:10月9日高値

サポートの水準

・19,976:10日線
・19,840:フィボナッチ・リトレースメント23.6%
・19,600:サポート転換の可能性あり
・19,564:フィボナッチ・リトレースメント38.2%


ダウとS&P500が最高値を更新

米国株が強気地合いを維持している。9日の市場では、ダウ平均とS&P500種株価指数(以下ではS&P500)がそれぞれ過去最高値を更新した。

9月の下旬以降、中小型株の代表的な指数ラッセル2000の上昇幅が限定的な点は気になるが、ハイテク株比率の高いナスダック100も上昇トレンドを維持し、昨日は先月26日の高値20,272ポイントを上方ブレイクする局面が見られた(高値20,284)。

アメリカ株価指数の騰落率:10月9日

アメリカ株価指数の騰落率:10月9日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

ソフトランディング期待で米金利が上昇

9月の雇用統計をはじめとした直近の雇用関連指標、そして同月のISM非製造業景気指数はいずれも市場予想を上回り、各市場の参加者が抱くアメリカ経済のソフトランディング期待を高めた。

アメリカ経済の堅調さを強く意識しているのが、米債市場である。景気の先行きを織り込んで動く10年債利回り(以下では長期金利)は7月31日以来となる4.076%まで上昇する局面が見られた。一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りも同じく4.0%台へ上昇した。

アメリカ金利の動向:2024年6月以降

アメリカ金利の動向:2024年6月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

注目の11月FOMC、揺れる市場の思惑

アメリカ経済のソフトランディング期待は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースに対する市場の思惑に大きな影響を及ぼしている。

この点をCMEのFedWatchツールで確認すると、先月まで意識されていた11月FOMC(連邦公開市場委員会)での0.5%利下げの確率が完全に潰え、通常の利下げ幅である0.25%がメインシナリオとなっている。

注目すべきは、9月の雇用統計以降、政策金利の据え置き観測が台頭していることである。本レポート掲載時点でその確率は15%台で推移している(下のチャート、赤棒グラフを参照)。今週前半は一けた台で推移していた。ジワリと政策金利の据え置き確率が高まっている。上で述べた米2年債利回りの上昇も考えるならば、米利下げペースに対する市場の思惑が急速に上方へ修正されていることが分かる。

米金利の上昇と緩和期待が急速に後退してなお、ダウ平均とS&P500が最高値を更新した状況は、今の米国株の地合いの強さを示唆している。

11月連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率

出所:CMEのFedWatchツール / 日本時間10日 15時時点

目先の焦点は9月の消費者物価指数(CPI)

ソフトランディング期待を土台とした米株高トレンドが週後半も続くのか?この点を見極めるうえで、まずは今日の9月消費者物価指数(CPI)に注目したい。

9月はインフレが抑制される見通しにある。市場予想の範囲内ならば、景気の堅調さを意識した買いが米国株を押し上げることが予想される。

問題は、9月CPIがインフレの粘着性を示唆する場合である。上で述べたとおり、米長期金利は4%台へ上昇している。そして11月のFOMCで政策金利が据え置かれる確率もジワリと上昇している。中東リスクもくすぶる。

この状況で9月CPIが予想外に上昇する場合は、米金利にさらなる上昇の圧力が高まることが予想される。緩和期待もさらに後退しよう。CPIが米国株のリスク要因となるシナリオを用意しておきたい。

アメリカの消費者物価指数(CPI):2023年9月以降

アメリカの消費者物価指数(CPI):2023年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

また、明日は9月の生産者物価指数(PPI)が発表される。9月CPIと同じく、インフレの抑制傾向が確認される場合は米株高の要因になり得る。

PPIでは、コア前年同月比の動向に注目したい。9月の予想は2.6%の上昇と、2か月連続での伸びが予想されている。総合的にインフレの粘着性が示される場合は、米株安の要因として警戒したい。

特に9月のCPIとPPIがともに予想以上となる場合は、米国株の調整売りを強める要因になり得る。

アメリカの生産者物価指数(PPI):2023年9月以降

アメリカの生産者物価指数(PPI):2023年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

ダウとS&P500を追撃するナスダック100

9月の米CPIは、長期金利の変動要因となろう。長期金利はエヌビディア(NVDA)など主力の半導体株の他、アップル(AAPL)やアマゾン・ドットコム(AMZN)などのハイテク株のトレンドを左右するだろう。ゆえに、アメリカの主要な株価指数の中でもナスダック100の変動幅が拡大する可能性がある。

直近のトレンドを日足チャートで確認すると、ナスダック100は今月8日、10日線を陽線で突破した。そして昨日は、9月26日の高値20,273レベルを突破する局面が見られた(高値20,284)。

RSIはゴールデンクロスへ転じている(下の日足チャート、紫の矢印を参照)。MACDはゼロライン以上の水準を維持している。中期の50日線が上昇基調にあることも考えるならば、ナスダック100の地合いは強い。

目先は、過去最高値を更新し続けているダウ平均とS&P500を追撃することが予想される。

ナスダック100のチャート:日足 2024年7月以降

ナスダック100のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

今日以降もナスダック100が強気地合いを維持する場合は、9月26日の高値20,273の完全突破と、7月15日の高値20,585のトライを想定しておきたい。20,585レベルをも完全に突破すれば、7月に付けた最高値20,690を視野に上昇幅が拡大するサインと捉えたい。

ナスダック100が過去最高値を更新する場合は、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準21,037を視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。

注目のサポートポイント

ナスダック100のオプション取引価格から算出され、投資家の心理を反映するVXNはジワリと上昇し、直近は23ポイント台で推移している。この状況で9月CPIと明日の同月PPIが米国株の売り要因となれば、ナスダック100も下値をトライするだろう。

VXNのチャート:日足 2024年7月以降

VXNのチャート:日足 2024年7月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

現在の地合いの強さを考えるならば、ナスダック100の反落局面では押し目買いを考えたい。

買いを仕掛ける下値の水準として注目したいのが、現時点での9月安値と10月高値から算出されるフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準19,840レベルと38.2%の水準19,565レベルである。10日線の下方ブレイクは、前者のサポートライン19,840をトライするサインと捉えたい。

一方、後者のテクニカルライン19,565レベルは、19,600レベルとともにサポートの水準へ転換する可能性がある(下の1時間足チャート、黒矢印を参照)。ゆえに、23.6%戻し以上にナスダック100をサポートする可能性が高い。

今日以降、ナスダック100の上昇幅が拡大する場合は、フィボナッチ・リトレースメントの水準も上方に修正されよう。その都度、新たな水準を確認したい。

上昇基調にある1時間足のRSIは買われ過ぎの水準へ到達している(下の1時間足チャート、紫の矢印を参照)。MACDとともにデッドクロスへ転じる場合は、ナスダック100の反落を意識したい。特に直近の高値水準20,280レベル付近でデッドクロスが確認される場合は、反落相場をより強く意識したい。

ナスダック100のチャート:1時間足 9月以降

ナスダック100のチャート:1時間足 9月以降

出所:TradingView


再掲 ナスダック100のチャートポイント

レジスタンスの水準

・21,037:フィボナッチ・エクステンション76.4%
・20,690:7月10日高値(最高値)
・20,585:7月15日高値
・20,284:10月9日高値

サポートの水準

・19,976:10日線
・19,840:フィボナッチ・リトレースメント23.6%
・19,600:サポート転換の可能性あり
・19,564:フィボナッチ・リトレースメント38.2%



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