スペースXのスターリンク、通信速度が年内に倍増とマスク氏
イーロン・マスク氏は宇宙ベンチャーのスペースXが手がける通信衛星を使ったインターネット事業「スターリンク」について、年内に通信速度が現在の約2倍に高速化するとの見通しを示した。
起業家イーロン・マスク氏は今週、宇宙ベンチャーのスペースXが手がける通信衛星を使ったインターネット・サービス事業「スターリンク」について、年内に通信速度が現在の約2倍に高速化するとの見通しを示した。
スペースXは現在、スターリンクの公開ベータテストを実施している。
通信速度が77~130Mbpsだったとのテスト参加者のツイッター投稿に対し、マスク氏は年内に2倍の最大300Mbpsに高速化する予定だと応じた。
マスク氏はさらに、応答時間であるレイテンシについては、現在のレベルから低下して、年内に最大20msになるとの見通しを示した。
スターリンクのウェブサイトは、向こう数カ月の通信速度を50~150Mbps、レイテンシを20~40msとしている。この間にシステムの強化に取り組むという。
また、マスク氏は別の投稿で、スターリンクは年末までに地球の大半を、また来年には地球を完全にカバーすることを目指しているとした。
スターリンクは昨年10月に米国北部とカナダ南部でベータテストを開始し、その後段階的にテストエリアを拡大している。スペースXは今月、米連邦通信委員会(FCC)に対し、ユーザーが1万人を超えたと明らかにした。
テスト参加者が負担するネットの利用料金は月額99ドル。ほかに無線ルーターやディッシュなどのキットを参加時に購入する必要がある。
スターリンクは多数の小型衛星を使う通信網。FCCは2018年にスペースXに対し、1万1943基の衛星の打ち上げを許可している。これまでに打ち上げられた衛星数は1000基余り。スペースXは24年までに4425基を運用する予定だ。
スペースXの企業価値、740億ドルに
マスク氏はスペースXと電気自動車大手のテスラ<TSLA>の最高経営責任者(CEO)。医療系スタートアップのニューロリンクなどのベンチャー事業にも関与している。
マスク氏は過去に複数回にわたり、スターリンクをスピンオフ(分離・独立)し、上場させる計画を明らかにしてきた。同氏は今週、キャッシュフローに関して合理的な予測が可能になり次第、スターリンクを上場させるとツイッターに投稿している。
米メディアの報道によると、スペースXは最近、8億5000万ドルの資金を追加調達し、同社の企業価値は約740億ドルとなった。
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