銅価格は5.25ドルに、最高値更新へ 22年にかけて—CIBC
銅市場は需給の逼迫が継続し、21年10~12月期から22年にかけて価格が1ポンド=5.25ドルまで上昇するとCIBCが予想した。コロナ禍で鉱山生産が抑制されるなか、ワクチン接種が進む国を中心に景気が回復しており需要は増加する見通しという。
カナダの銀行大手カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)は、銅市場は需給の逼迫が継続するとし、2021年10~12月期から22年にかけて価格が1ポンド=5.25ドルまで上昇すると予想した。コロナ禍で鉱山生産が抑制されるなか、ワクチン接種が進む国を中心に景気が回復しており需要は増加する見通しという。
貴金属などの調査を手掛けるキトコによると、CIBCは25日付のリポートで21年の銅の平均価格が4.62ドルになると予想した。22年は4.75ドルに上昇するという。
供給は鉱山生産の減少により危機に瀕しているとCIBCは指摘。また、主要生産国であるペルーとチリで年内に予定されている選挙の結果次第で鉱業税とロイヤルティが引き上げられる可能性があるとし、この場合は鉱業投資に長期的な影響が及ぶとの見方を示した。
需要は21年については前年比で5.6%の大幅な伸びとなり、また24年末まで約3%の伸びを維持すると見込んでいる。需要の半分以上が中国からのものになるという。
CIBCは米商品先物取引委員会(CFTC)の最新の建玉明細に言及。それによると、ヘッジファンドは金へのエクスポージャーを低減させる一方、銅に対しては相当の強気を維持している。
建玉明細で前回、投機筋によるこれほどの強気が示されたのは米中貿易戦争がエスカレートする前の18年5月だったとし、現在の銅市場のポジティブな姿勢は、米バイデン政権が貿易戦争を引き起こす可能性は低いとの見方に支えられていると分析している。
より長期的な銅相場の平均価格は3.30ドルになると予想した。
25日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅(High Grade Copper)先物相場は期近の7月限が4.5065ドルで取引を終えた。今月10日に一時4.8880ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。
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